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特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除(2023年9月基礎編 問26)

おはようございます。🐤

今日は特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除です。長い。これも私は徹底的に勉強してきました、みなさんはどうですか?

寒くなる人もいらっしゃるかもしれません。だって、似た名前の控除がたくさんありますから。

ていうか、あれっ? これ不動産分野じゃない?


不動産のいろんな控除と繰り延べ、軽減税率

(控除)

  • 居住用財産の譲渡所得の3000万円特別控除

  • 被相続人の居住用財産(空家)の譲渡所得の特別控除

  • 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

  • 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

  • 収用等による資産の譲渡に関する特例(5000万円の特別控除)

  • 低未利用地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除

(繰り延べ)

  • 特定の居住用財産の買換え特例

  • 固定資産の交換の特例

  • 特定の事業用資産の買換え特例

  • 既成市街地内の中高層耐火建築物等の建設のための買換え特例

(軽減税率)

  • 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の特例

  • 有料住宅地造成等のために土地を譲渡した場合の軽減税率の特例

不動産に関する控除や税率軽減の種類の多さにはびっくりします。これは、景気の火付け役が建設業であり、建設業が活発になると、建設業界をはじめとして運送、鉄鋼、製造業などが活発になり、さらに家電、自動車などの大型消費が呼び起こされることから、国はここに力を入れて需要を喚起するのです。たぶん。

  • 新しく家を建てて!

  • 家を壊して、建て替えて!

  • 家を売って買い替えて!(中古市場を活発に)

  • でもバブルは嫌だから、個人の住宅だけに適用するわよ

という国の気持ちを考えると、たくさんのメニューを覚えやすくなると思います。

特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

居住用財産を譲渡し、住宅ローンの残高がある場合で、譲渡資産の譲渡対価で住宅借入金の返済をしてもまだ残高が残る場合に、その残高を限度に他の所得と損益通算および3年間繰越控除ができる制度です。

もうちょっと平たく言えば、こういうことです。

  • マイホーム買った

  • でもなんかの理由で売りたくなった

  • 買った時より価格が下がってた

  • 売ったお金でローンを返したけど、まだローンが残った

  • 要するに、損した!(怒)

この損した人は、国の施策に乗っかってくれたいわば協力者です。良いお客様です。そんな人を放っておくのはかわいそう、というか家を買わせるだけ買わせて、あとは知らないとハシゴを外すのはあまりにむごいです。

国にも情がある、というか国の中の人は国民の集まりなので、こんな損した人には助け舟を出します。

通常、不動産の譲渡損失は損益通算できません。(「不・事・山・譲」は損益通算できるとかいうけど、譲渡のうち「土地・建物・株券」などはそもそも分離課税です)(では譲渡所得のうち何が損益通算できるのかというと、事業用の車両の譲渡損などです)

だけど、国が住宅ローン控除とかしてマイホーム購入を勧めるから、言われるままに流されて住宅ローン借りてまで買って、あげく価格が下がって売って損をして、まだローンが残っているようなかわいそうな人には、特別に税を優遇してあげちゃうよという制度です。

譲渡資産の要件

  • 譲渡した年の1月1日における所有期間が5年超

  • 住宅ローンの残高があること

  • 繰越控除する年の所得が3000万円以下であること

  • 譲渡した年の前年または前々年に居住用財産の各種特例を適用していないこと

2023年9月基礎編 問26

一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級学科試験より

1) 居住しなくなった家屋を譲渡する場合、居住しなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡しなければ、本特例の適用を受けることはできない。

⭕️:文章のとおり、基本です。5年と間違えやすいかもしれませんが、この「居住しなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日」というのは居住用に共通の基本なので覚えましょう。3年以上たつと、もはや「居住用」とは言えないというイメージです。

2) 居住しなくなった家屋を取り壊し、その敷地を譲渡する場合、取り壊した家屋およびその敷地の所有期間が、居住しなくなった日の属する年の1月1日において5年を超えていなければ、本特例の適用を受けることはできない。

❌:ここでは所有期間を問われているので、その基準日は「居住しなくなった日」ではなく「取り壊した日」です。

3) 合計所得金額が3,000万円を超える年分については、本特例による損益通算の適用を受けることはできない。

❌:損益通算には所得は関係なく必ず受けることができます。3000万円をこえると受けられないのは繰越控除です。

4) 本特例の対象となる譲渡損失の金額は、譲渡に係る契約を締結した日の前日における当該譲渡資産に係る住宅借入金等の金額が限度となる。

❌:売ったお金を返済にあててなおローン残高が残っているからかわいそうなのです。返済しても消えなかったローン残高が限度となります。
返済前のローン残高ではありません、そんなに甘くありません。

過去の関連問題

まとめ

居住用に共通の要件

  • 居住しなくなった日から3年を経過する日の属する年の末まで(12月31日)の譲渡であること

  • 家を取り壊して土地だけを譲渡する場合、取り壊し後1年以内に譲渡契約を締結すること

譲渡資産の要件

  • 譲渡した年の1月1日における所有期間が5年超

  • 住宅ローンの残高があること

  • 繰越控除する都市の所得が3000万円以下であること

  • 譲渡した年の前年または前々年に居住用財産の各種特例を適用していないこと

ここはしっかり身につけておかないと、あいまいではなかなか対応できない問題だと思います。一度徹底的に覚えるのが良いかと思います。

というわけで今日はここまで、みなさんのお役にたてたら嬉しいです。

それではまた、FP〜(@^^)/~~~


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