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期待値173%!?MEGABIGに何が起こったか

おはようございます。🐤

期待値173%」というサッカーくじが現実にあるという噂を聞いて、私も調べてみました。ほんとに買えば買うほど儲かるのか?

その結果、ほんとでした。

  • 台風で減った試合の分、当たる確率が256倍アップ

  • キャリーオーバーが58億円と高額

  • 購入金額が少ないとリスクは大きい

「期待値173%」という言葉から受ける印象で買ってしまうと、思わず何十万円、何百万円と損をしてしまうことがあるので、やっぱり大金を使う時は慎重になろうねというお話です。


MEGABIG

その宝くじとは「MEGABIG」(ドドーン!)

サッカーくじ(スポーツ振興くじ)って、チームの勝敗を予想するものかと思っていましたが、このくじは宝くじと同じで完全に運まかせです。サッカーやJリーグの知識は必要ありません。

当たりはずれの決め方は、指定されたサッカーチームの12試合それぞれの得点数の合計で決まるのですが、これを自分で指定することができないルールなので、完全に運まかせなのです。

くじ指定試合等の公示(2024年) (jpnsport.go.jp)

1試合(90分間)の合計得点数によって試合結果は次のように決められます。
・1点以下=1(つまり、0対0、もしくは0対1)
・2点=2(2対0、1対1)
・3点=3(3対0、2対1)
・4点以上=4(4対0、3対1、2対2など合計が4点以上)

例えば、昨日のNo1の試合は2対2だったので、「4」が当たりになります。

ジャンボ宝くじの抽選にはルーレットを使いますが、MEGABIGはルーレットの代わりにサッカーの試合結果を使っているだけなんですね~。

仮に1~4がそれぞれ1/4(25%)の確率で出るとしたら、1試合当たる確率は25%で、2試合当たる確率は25%×25%=6.25%(0.25*0.25=0.0625)、そして12試合全て当たる確率は1677万分の1=約0.000006%になります。

この確率は、ジャンボ宝くじ1等の当選確率(2000万分の1か1000万分の1)とだいたい同じくらいで、当選金額は少し多い7億円~最大12億円です。

ルール

MEGABIGのルールは、売上金額の50%を当選金として分配、そのうち70%(つまり、売り上げの35%)が1等の当選金に使われます。

1等配当金額って?| totoオフィシャルサイト (toto-dream.com)

最近はだいたい1試合の売り上げが6億円くらいで推移しているので、その50%の70%=2億1000万円くらいが1等の当選金にあてられています。

くじの仕組み・種類 > BIG (jpnsport.go.jp)

そして、1等は出ないことが多いです。なぜかというと、当選確率は1677万分の1なのに、1回につき200万口くらいしか売れないからです。だいたい11回に1回くらいしか1等は出ません

出なかった当選金は「加算金」として次回に持ち越されます(キャリーオーバー)

前回(1475回)までに持ち越されたキャリーオーバーの額は58億円でした。これと今回の売り上げの35%の合計を、1等当選者で山分けします。

期待値

では今回の売り上げは、そして期待値はいくらだったのでしょうか。

販売日程 - 第1476回MEGABIGくじ情報 | (toto-dream.com)

売上げはこれまでの平均の約8倍、1,571万口=47億円でした。
1等当選金へはその50%の70%=16.5億円が加算されます。キャリーオーバーの58億円と合わせて74.5億円

これを当選者の人数で割ります。

ここからが今回の特殊性です。12試合のうち4試合が台風により中止になり、8試合の結果をあてるゲームになっています

ということは、1等の当選確率は1/65536と、いつもの256倍も1等がでやすいくじになっています。

当選確率が6.5万分の1ということは1571万口だと単純計算で1等は240人くらいでそうです。仮に240人の1等が出たとしたら、74.5億円を山分けして、1口あたり3100万円くらいの取り分になりそうです。

しかし、イージーになったとはいえ倍率6.5万倍を勝ち残る必要はあるので、ちょっと買って当たるかというとそうではないようにも思えます。

2等は?

1等は無理でも、2等は?
2等も当たりやすくなるよね?

と思うかもしれませんが、実はぜんぜんそんなことはありません。
今回のポイントは「当選しやすい」ではなくて「キャリーオーバー58億円」です。

2等以下にはキャリーオーバーがないので、ふだんと全く変わりません。

でも当たりやすくなるのでは?

確かに当たりやすくはなります、しかし当選者も多くなるので山分けしてもらえる額は少なくなります

ちょっと計算してみましょう。

2等は8試合のうち1つを外す場合です。
例えば、当たりが 1 1 1 1 1 1 1 1 と、全部1だったとすると、次のような組み合わせが2等になります。

  • 1 1 1 1 1 1 1 2

  • 1 1 1 1 1 1 1 3

  • 1 1 1 1 1 1 1 4

  • 1 1 1 1 1 1 2 1

  • 1 1 1 1 1 1 3 1

  • 1 1 1 1 1 1 4 1

  • 1 1 1 1 1 2 1 1 

  • 1 1 1 1 1 3 1 1

  • …(略)

  • 3 1 1 1 1 1 1 1

  • 1 1 1 1 1 1 1

このように24通りの2等があります。つまり、全組み合わせは65,536通りなので、24/65536=0.037%くらいの確率で2等になります。

今回の口数(1571万口)だと2等は 1571万×24/65536=5750口くらいもでてきそうです。

2等の割り当ては売り上げの50%の14%なので、今回の売り上げ47億円×50%×14%=3億2900万円を5750口で割ると。

3億2900万円/5750口=5万7200円

くじの仕組み・種類 > BIG (jpnsport.go.jp)

8試合中7試合を的中させた2等の当せん金は、5万7200円くらいになりそうな予想です。

3等~6等は?

何か嫌な予感がしてきましたが、この計算を3等~6等にあてはめてみます。

  • 3等の当選者 60,408人(1571万×252/65536)
    47億×50%×2%/60,408人=770円

  • 4等の当選者 362,450人(1571万×1512/65536)
    47億×50%×3%/362,450人=190円

  • 5等の当選者 1,359,000人(1571万×5670/65536)
    47億×50%×5%/1,359,000人=80円

  • 6等の当選者 3,262,000人(1571万×13608/65536)
    47億×50%×6%/3,262,000人=40円

なんと、計算では4等より下位の当せん金が300円を下回っています。300円のくじを買って当たったのは80円とか40円とかです。(1円の位は切り捨てるルール)

当たったのに……当たったのに……涙

ただ、約款によると300円未満の当せん金は300円とする特例があるそうな。(10条の6) スポーツくじさんが大赤字になりそうだけど、どうなるんだろう…???
仮に2等以下の当せん金をすべて300円にしたとして、当選口数は500万を超えるので、総額15億円以上になります。予算は47億円の50%の30%=7億円しかありませんから、何か特例措置があるかもしれませんね。

※9月2日12時追記
1等 2480万円、2等以下300円になったようです。これは、2等から6等までの赤字を1等から取った形です。

期待値173%のまとめ

というわけで、今回のMEGABIGは、キャリーオーバーが58億円もあり、試合数が少なく1等が狙いやすいということでお祭り騒ぎになりました。売り上げは普段の8倍くらいの47億円もあります。

売り上げの50%の23.5億円とキャリーオーバーの58億円、合わせて81.5億円が当せん金にあてられます。

つまり、47億円の掛け金で81.5億円が当たる=173%の期待値ということができます。

このカラクリは、1等のキャリーオーバーをすべて使うからです。ふだんは1等が出てもせいぜいひと口で、いくらたくさんキャリーオーバーが貯まっていても最大12億円までしか当せん金は支払いされませんでした。

今回のお祭りは「試合数が減って1等が出やすい」と「58億円のキャリーオーバー」が重なったというところにポイントがあります。

しかし、くじ全体の期待値が100%を超えるからといっても、2等以下にうま味はありません

1等をとらないと負けのゲームです。狙うは1等のみです。2等は負けです。

いくら普段の256倍当たりやすいと言っても、上の表のとおり、3万円とか30万円くらい買ったのでは1等はほぼ当たりません。

30万円買っても98.5%は負けてゼロになります。
300万円買っても85.8%は負けてゼロになります。

なおかつ当たっても12億円じゃなくて3100万円くらい。

ギャンブルならぜんぜんOKです。

しかし「期待値173%」を夢見て、100万円を173万円にしようと思うのは間違いです。固く買うなら最低1900万円から。

だいたい3億円くらい買えば平均で5億1900万円くらいのリターンが見込めるという、そういう雲の上の遊びになります。(そして、一人でそんなに買えるかどうか私は知りません)

期待値が高いことは確かなのですが、富裕層にとって170%(しかも非課税)というのはそこまで美味しい投資なのかどうか。

とにかく煽られ過ぎないように、冷静に。

あと今から買えませんよ。もう遅いのです。

私は気づくのが遅くて買えなかったです…。

今後への展開

こんなことはまたあるのでしょうか?

ポイントは2つ

  • キャリーオーバーが高額であること

  • 試合数が少ないこと

仮に12試合が11試合になるとわかっているなら、1等の当せん確率は約419万分の1と4倍に当たりやすくなります。

  • 11試合:1/4,194,304

  • 10試合:1/1,048,576

  • 9試合:1/262,144

  • 8試合:1/65,536

  • 7試合以下:不成立

平均でいうと200万口くらいのチケットが売れるので、このお祭りが起きるのは1等の当せん確率が100万分の1以下になって複数の1等が出やすくなること、つまり「2試合以上中止になることがあらかじめ予測できること」、という条件です。

そのようなチャンスが到来すると、購入口数も増え、1等の高額のキャリーオーバーを全額使い切ることができて、期待値が上がるのです。

また、他のスポーツくじに使えないかということですが、中止の許容範囲が大きいくじには使える可能性があります。使えそうなくじがあったら教えてください。みんなで買って、リスクを下げ、期待値を上げていきましょう。

それではまた~(@^^)/~~~

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