
住宅ローンあるのに投資する奴全員バカなの?
猛烈な危機感を覚えて筆をとりました。
ひろゆきさんが「住宅ローンって借金じゃないですか、借金をしている状態で投資をするっていうのはどうかと思います」と言っていたことに衝撃を受けてしまったのです。
これは冷静に計算すると100%間違いです。
私はひろゆきさんは感情よりも論理が勝つ人だと思っていたので、ガツーンと頭を鉄のハンマーで殴られたような衝撃を受けました。
すごく簡潔に「投資より繰り上げ返済」が間違いの理由を説明します
これは本当に簡単なことで、算数で「マイナス」を習った中学生以上であれば誰にでもわかります。
繰上げ返済:0.3%の住宅ローンの残高を減らす⇒マイナスのマイナスで+0.3%(確定)
投資:期待利益率+4%~+7%(不確定)
余剰資金ができた時、この2つのうち、どちらに資金を投入しますかということです。
もちろん、投資はこれまでの実績であってこの先はマイナスになるかもしれません。それを考えると確定+0.3%である繰上げ返済も悪くはありません。
ただ、この場にいたメンバー全員からは「ずっと下がる円を持っているより投資がいいよね」という空気が出ていました。
にもかかわらず! です。
「情弱とは、にもかかわらず繰り上げ返済すること」
なんて格言を作りたくなります、情弱という言葉は悪いですね、計算が苦手な人というのか、感情が先にたつ人というのか。
私は当然大河内先生と同意見で、当然住宅ローン借りたまま投資をするのが正解だと考えます。考えますというより、これは客観的な事実で、おそらく現代の若者であれば100人のうち90人はそう答えると思います。
単純に利率の比較で投資が勝つ
円が下がる状況で円を借りることの優位性
老いては子に従えといいますが、あのひろゆきさんでもこうなんだから、本当に40歳以上の大人の言うことを真に受けてはいけませんよ、30代以下の若者のみなさん。
正解は「住宅ローンは借りたまま投資する」
住宅ローンは限られた人にだけ許された特権です。
特に「住宅ローン減税」なんて特権中の特権で、0.3%で借りたら0.7%もらえるんですよ。差し引き0.4%の利益なんです。手数料を考えても10年間の通算でプラスになるかもしれません。
私なら100%住宅ローンを借ります。仮に金融資産を1億円持ってても、そのお金は投資に突っ込んだまま住宅ローンを借ります。
円が下がる状況で円を借りることの優位性
ひろゆきさんは「円はドルに比べて下がる」と言っています。
であれば、どう考えても円は借りるべきなんですよ。住宅ローンで超低金利で円を借りて、それを借りたまま、手持ち資金でドルに投資すればいいんですよ。
今150万円の余剰資金が手元にあったとして、繰り上げ返済をすれば、その分の0.3%の金利を支払わずに済みます。年間4500円のプラスです。
その代わりに1万ドル(150万円)を外貨に投資して、1年で2%円が安くなってドルが高くなったとしたら、金利ゼロだったとしても年間3万円のプラスです。ついでにそのドルを定期預金か米国債で運用すると4%の利益が得られます。つまり合計7万円のプラスです。
そう考えるとウォーレン・バフェットさんが今日本で円を借りまくっている理由もわかるのではないでしょうか。
円は金利が安い、借りた円をドルに換えてドルで運用し、円が安くなってから円を買って返済すると、金利面と為替面の2方面で得をするんです。
この意味でも円を借りたまま持っておき、その一方でドルの資産を持っておくというのは優位性があるんですよね。
固定金利\(^o^)/ばんざい
あと、ついでにひろゆきさんはこんなことも言ってました。
「すごく安い固定金利だったらいいんですけど、変動金利で借りてたら0.1%が3%になりました、それ以上に投資で勝つのって大変じゃないですか」
って、まず投資の期待利回りって4%~7%だから勝ってるし。それに変動金利0.1%って相場知らなすぎだし、いきなり3%にならないし、ほんとに近所のおじさんがテレビに出た感じ、リテラシーのかけらもない。
金融資産はいつでも換金できる
最後に、これが一番矛盾のポイントです。
ひろゆきさんは「投資は定期預金と違って売りたきゃいつでも売れる、だから全部投資して使いたい時に換金すればいい」ともおっしゃってました。
これは無感情でひろゆきさんらしいです。私はこの意見に賛成なんですが、でも普通の感情のある人間は塩漬けの株式や投資信託を換金できないですよ。
ひろゆきさんにせよ、宇佐美さんにせよ、投資信託は右肩上がりで下がらないというイメージでお話をされているんですね。宇佐美さんは「個別株の売買はお金の減らないパチンコ」だともおっしゃっていました。
いや下がりますからね。お金減りますからね。
日経平均なんて30年以上たった今も最高値を更新できていないんですよ。米国株インデックスがこの先30年そうならないなんて誰にもわからないんですよ。
これまで、繰上げ返済より投資と私は主張してきましたが、それは投資というより本当は資産の分散が大事だと言いたかったのです。冷静に考えて、100万円の金利分である3000円の損失を恐れて繰り上げ返済し、ドルで投資して高い確率で7万円を得る機会損失をしていることに気づけているかということなんです。
結果として、投資の方が損をする可能性もゼロではありません。ただとても低い。
日本円でもっているよりは投資をすべき
余剰資金は投資よりも繰上げ返済にあてるべき
この2つの意見は矛盾するんです。
感情と無感情のあいだを行ったり来たり…
ひろゆきさんがこんなわかりやすい矛盾をしてるというのが、本当に意外。いやー意外。ほんとうにこんなにも計算が得意でないことにビックリでした。
これをしない/できない心情は理解できる
しかし、借金が精神的なプレッシャーになるというのは感情的にはとても理解できます。特に、いざとなっても返すことができない借金はプレッシャーだと思います。
そして、投資は、たとえそれが全世界株式インデックスとか国債など手堅い債券への投資であっても、暴落する可能性はけっこうあります。これまでの歴史でもおおむね10年に一度くらいは株価の暴落を経験していることを忘れてはいけません。
であれば、そもそも住宅ローンを組むのが間違っているのであって。どちらかというとひろゆきさんはそっち派かな、住宅ローン反対派ですね。
ただ、ひたすら住宅ローンが嫌いすぎて、拒否反応起こして冷静じゃなくなってる。そもそも、それだったら投資ももっと慎重になるべきで、ひろゆきさんの言うような「とりあえず投資に突っ込んでおく」というのも危険です。
特に住宅ローン控除という大きな特権を持っているなら、繰上げ返済をするメリットはゼロです。すべては大河内先生のいうとおり、その時の借入金利と市場の期待値、そして自分のリスク許容度とのバランスです。
ほんとに怖いのは、これを見た視聴者の反応
たぶん、たぶん私は若者は大丈夫だと思うんですけど。これを真に受ける人がそれでも一定数いるんじゃないかなと思うと怖いです。
とにかく繰上げ返済だ!
あ、怖くないか、繰り上げ返済はリスク低いか。
あと、ある意味2つの矛盾するポジションはリスクヘッジにもなるか。
どちらかというと怖いのは、借金さえなければ、あとは全額投資に突っ込むという考えの方が怖いです。資金の保全には分散が大事です。
あと、為替で得をするために借金をうまく使えるというのは、かなり上級者の知識と経験が必要です。一般の人には「借金は悪だ」と伝え続けた方がいいのかもしれません。
ホストの売掛けが問題になってるご時世なので、そうなのかもしれません。
そういえば番組の途中で河崎さんという方がおっしゃってた「一番の投資は自分に対する投資だ」という主旨の発言がありましたが、これは抜群に私好みの意見でした。
まとめ:たいして怖くなかった!
すごい危機感を感じて筆をとりましたが、よくよく考えるとそんなに怖くなかった。ごめんね!
でもやっぱり言いたいのは、借金もうまくコントロールできたら良いものてすよということです。
それと、ちょっとだけ投資は右肩上がりで損しないという風に見えたのが気がかりです。みなさんはよく考えて、投資一辺倒になるのではなく、金利を見ながらバランス良く投資しましょうね。
ひろゆきさんは徹底したリスク回避思考だということが、なんとなくわかりました。
もちろん私はそんな意見を横目に「住宅ローンを借りたまま」をこれからも推していきます。ある程度以上の財力とリテラシーのある人に向けて。
そして、一人でも多くの人が一定の財力とリテラシーをもつための方法を考えていきます。みなさんの人生をより楽しいものにするために、ファイナンシャルプランナーの勉強を頑張りましょう。
それではまた、FP~(@^^)/~~~