贈与税額の計算(2023年9月基礎編 問43)
おはようございます。🐤
今日は贈与税額の計算です。所得税や相続税の計算とは違って計算量が少ないので、基礎編に出てくることが多いです。計算自体は小学生でもできる簡単な計算なので、すべての過去問を一度やれば、もう二度と勉強しなくても1点とれますので、ぜひこの機会に過去問をすべてクリアしてみてください。
贈与税額の計算
贈与税の範囲はビジテキでいうとp418からp432、そのうち計算はp420-p421です。
計算自体は次の式だけ覚えたら大丈夫。
贈与税額=課税価格×贈与税の税率
課税価格=その年に受けた贈与の合計-110万円(基礎控除)
贈与税の税率については、18歳以上の人が、親やおじいちゃんなど直系尊属から贈与を受けた場合「特例税率」が適用されます、それ以外は一般税率です。
税率は最低10%から最大55%、所得税+住民税の最大税率と同じです。親や祖父母から受け取る時の特例税率と一般税率との差は図のようになります。
1000万円くらいの贈与額の時に特例のお得感は最大となり、特例での納付額は一般のおよそ77%までになります。具体的には、1110万円の贈与があったとき、納税額は特例が210万円で、一般が275万円と納税額に65万円の差がつくことになります。
しかし逆にいうと、親からの贈与であっても赤の他人からの贈与であっても、最大でそれだけの差しかありません。特に410万円までの贈与では一切差がありませんし、1億円付近の贈与でも贈与額に対して2.4%(240万円)の差しかありません。
複数の人から贈与を受けた時
基本的に贈与税は「受け取る側」が支払うことになるので、例えば父と母から100万円ずつ贈与を受けた場合、子は合計200万円の贈与を受けたことになるので、基礎控除を差し引いた90万円に対して贈与税がかかります。
90万円×10%=9万円(納税額)
ややこしいのは贈与する側が、親と兄とか、一般税率と特例税率が混じっている場合です。例えば父から300万円、兄から200万円を受け取ったとします。(100万円くらいでは税率に差が出ないので、すこし大金に設定しています)
つい別々で計算して、
190万円×10%(特例)+90万円×10%(一般)=28万円
とやりたくなりますが、贈与税は「受け取る側」の総額に対してかかってくるので、その分税率は高くなるはずです。なので、500万円-110万円(基礎控除)=390万円に対して税率が決まるのです。
390万円くらいのゾーンでは特例と一般で税率が違うので、これまたややこしいです。
一般の場合:390万円×20%-25万円=53万円
特例の場合:390万円×15%-10万円=48.5万円
どちらで計算すべきでしょうか?
正解はそれぞれの比率で按分します。今回は一般200万円:特例300万円なので、それぞれ200/500と300/500の比率をかけて合計します。
一般分:53×200/500=21.2万円
特例分:48.5×300/500=29.1万円
合計:50.3万円
これが答えになります。納付額が一般と特例の間にあることを確認してください。
2023年9月基礎編 問43
一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級学科試験より
母から受けた贈与は「特例贈与財産」、兄から受けた贈与は「一般贈与財産」で計算するのが本来なのですが、合計額が大きいほど税率が高い税率が適用されるため、合計額でそれぞれ計算し、もらった額の比で按分します。
合計額:400+100=500万円
課税対象:500-110=390万円
特例分:(390×15%-10)×400/500=38.8万円
一般分:(390×20%-25)×100/500=10.6万円
合計:38.8+10.6=49.4万円
過去の関連問題
まとめ
贈与税の計算式は次のとおりです。
贈与税額=課税価格×贈与税の税率
課税価格=その年に受けた贈与の合計-110万円(基礎控除)
特例:18歳以上の受贈者が、直系尊属から贈与を受ける場合
一般:それ以外の場合
原則は受贈者が受け取った贈与額に対して贈与税がかかります。複数から贈与を受けて、税率が異なる時はそれぞれの贈与額に対する課税価格の比率に応じて按分します。
ということで今日はここまで、みなさんのお役にたてたら嬉しいです。
それではまた、FP~(@^^)/~~~