
DeFi入門 (6) 資産の安定的運用(インパーマネントロスは損失じゃない)
明けましておめでとうございます。🐤
DeFiを始めてから海外の人とやりとりするようになり、初めて新年を迎えたのですが、気づいたのは、
「良いお年を」にあたるのは「Happy holyday」もしくは「Happy new year」
「あけましておめでとう」にあたるのは「Happy new year」
どちらにも「Happy new year」が使えるということです。
日本では、暮れに「明けましておめでとう」とは絶対に言いません。「よいお年を」には、「良い年始をお迎えするために、年末にお互い頑張って今年のことは今年のうちにすませましょうね」みたいなニュアンスがあるように思います。
日本の四半期は4月がQ1ですが、海外の四半期は1月がQ1ですよね(違う?)そんな違いもあるのでしょうか。なにかよくわからない雑感のままですが、今年もよろしくお願いいたします。m(__)m
資産の安定的運用
さて、今日は「資産の安定的運用」と題してお話させていただきます。
資産運用においてほんとうに重要なのは知識ではなく精神力だと僕は考えています。どうしてそう考えているのかを説明していきます。
界隈でよく言われることは「利確は正義」「資産倍で原資抜き、さらに倍で利確」ということです。
倍というのは極端ですが、これは値動きの激しい草トークンだから言えることです。普通の投資だと「10単位で買っておいて、約10%値上がりしたら9単位を売ってしまう、そして1単位を残す」「すると、この1単位は無料で手に入れたことになり、値動きが気にならなくなる」という方法なら聞いたことがあるかもしれません。
この考えはデメリットもあるけれど、とても精神的安定を図れるので僕も参考にしています。
どういうことか、ちょっと説明しますね。
まず、架空の草トークン「KUSA」を考えます。(無名の弱小トークンを界隈では「草トークン」と言います)
アリスの場合
アリスさん👧はこのKUSAトークンを買うことにしました。
スタート時、1 KUSA = $1 でした。
100 KUSAを買います(資産$100)😳ドキドキ
1 KUSA=$2に値上がり(資産$200)😆ヤッター
50 KUSAを売って原資抜き($100分のKUSAと$100が残る)😌ホッ
1 KUSA=$4に値上がりする($200分のKUSAと$100)😆ヤッター
25 KUSAを売って利益確定($100分のKUSAと$200が残る)😌
最終的にアリスさん👧の資産は$100から$300になりました。そして$KUSAへの期待も少し残して高見の見物状態になりました。
しかし、もし「原資抜き」「利確は正義」などと言わずにずっとガチホしていたら、$400になっていました。ということは、アリスさんは損をしたのでしょうか? アリスさんの資産運用は間違っていたのでしょうか?
ボブの場合
ここで、同じKUSAトークンを買ったボブさん👨の例を見てみましょう。
スタート時、1 KUSA = $1
100 KUSAを買う(資産$100)😳ドキドキ
1 KUSA=$2に値上がり(資産$200)😆ヤッター
まだまだホールド(資産$200)😳ドキドキ
KUSAの値下がり 1 KUSA=$1.5(資産$150)😰シマッタ…
どんどん値下がり 1 KUSA=$0.9(資産$80)🥶モウダメ…
1 KUSA=$0.7で売却(資産$70)😭
1 KUSA=$4に値上がりする(資産$70)😡
ボブさん👨は資産が$70に減ったところで損切りし、KUSAへの投資をやめました。
ドキドキを少なく、冷静な期間を長く
ボブさんに自分を重ねた人いませんか? 僕はすごく身に覚えがあります。
ポイントは、ドキドキ状態ではトークン価格が気になって、何度もチャートを見てしまうということです。ボブさんの感情を見てみると、常にドキドキ、ハラハラしていて、冷静でいる時間が少ないことがわかります。
アリスさん👧は原資を抜いていたので、KUSAの値下がりに気づきませんでした。あるいは、気づいたとしても気にならなかったかもしれません。アリスさんは「ホッ」としている冷静な期間が多く、値動きを客観的にとらえることができました。
トークンの一時的な値動きで感情がアップダウンしてしまう人は、ガチホよりも「利確は正義」の考え方を参考に、欲を出しすぎず、細かめに利確をしていくことがおすすめです。
このように、値動きにともなって資産をリバランス(調整)することは、最大利益は得られない代わりに、安定的な運用をするための一つの投資戦略ということができると思います。
一方、暗号資産の未来に確信があり、ドルはいらないから暗号資産だけをもっていたいと考える方には、上記の考え方はおすすめではありません。
投資は経験が大事です、実際に損をしたり得をしたりを繰り返して、ちょうどよいバランスを探し、客観的に投資を続けていくのが良いと思います。
インパーマネントロスのもう一つの側面
「利確は正義」の考え方を前提に、流動性提供についてもう一度考えてみます。
流動性提供は、ユーザーにとってはデメリットしかなく、その代わりに取引手数料や独自トークンの報酬が得られる、と第4回で説明しました。⇒DeFi入門 (4) 手数料収入を得る|ヒヨコロ|note

しかし、流動性提供のしくみは「資産の自動リバランス」ですので、投資のプロがポートフォリオを組んで行っていることを自動でやってくれていると考えることもできます。
どういうことかというと、「ドルと暗号資産の比率が50:50になるようにバランスとりながら投資したい」場合には、値動きにあわせて自分でポートフォリオを組み、メンテナンスしていく代わりに、DeFiのDEXに流動性を提供すれば、スマートコントラクトが自動であなたの資産を50:50に常に調整してくれるのです。
暗号資産が上げ相場の時は上がった分をこまめに売り、
下がった時はコツコツ買い増しをする
そんなことをポートフォリオ内で自動的にやってくれているイメージです。
「インパーマネントロス」という名前は「ロス」(損失)という言葉が入っているのでマイナスにとらえがちですが、冷静に考えてみるとこれは「堅実な運用」であるのがわかると思います。
ということで、資産の安定的運用を考える人にこそ、流動性の提供はおすすめできる、というお話でした。
逆に、暗号資産の未来に賭けたいという考えの人は、流動性提供は基本的にはお薦めはできません。ウォレットかレンディングに預けてガチホというのが正解です。
インパーマネント
ちなみに、最初に「利確は正義」ということでお話を始めましたが、「インパーマネント」は「一時的な」という意味なので、流動性提供をしている間は常に「含み益」もしくは「含み損」であることに注意してください。
流動性提供をしている間は「利確」はしていませんし、追加資金で買い増しをしているわけではないので、間違いがないようお気を付けください。
特に、草トークンは終わりを迎えるのが早いことがありますので、暗号資産の下方向の値動きには注意が必要です。
もうダメと思う時は損切りすることも重要です。AMMは、人間が普通考えない範囲まで自動リバランスを続けます。まさに機械的…
もう一度あのグラフの左の方に注目してください。流動性提供をしない場合は、暗号資産部分がゼロになるだけですが、流動性提供をしている場合は、AMMが際限なくドルを暗号資産に替えていき、やがて資産価値は限りなくゼロに近づきます…。(怖っ!)

一方、暗号資産の上方向にもちょっとグラフを引き延ばしてみました。

参考までに、上のお話のアリスさん👧のケースで、仮に別途$100のドルを持っていたとしたら、下の計算のようになります。まさにグラフの青線のとおり、流動性を提供しているような資産運用を、アリスはしていたということになります。
KUSA=$1のとき、資産は$100+100KUSA=$200
KUSA=$2のとき、資産は$100+$100+50 KUSA=$300(50%up)
KUSA=$4のとき、資産は$100+$100+$100+25 KUSA=$400(100%up)
まとめ
ということで4日目に引き続き、流動性提供のメリットとデメリットについてさらに突っ込んでお話をしました。
インパーマネントロスは、「損失」ではなく「堅実な運用」
投資には精神的安定が必要
安定を望まなければガチホがおすすめ
ということでした。
「損失」ではなく「堅実な運用」であることを理解すると、「インパーマネントロス」という言葉に少し抵抗があり、つい「インパーマネントなんとか」と言ってしまう気持ちがわかっていただけるかと思います。
「インパーマネントロス」はDeFiの世界特有の現象で、新しい言葉だからしょうがないかもしれません、「流動性の提供による資産のリバランス」では長いし…でもそんなニュアンスの新しい言葉キボンヌですね。
また、精神的安定は、もっと正確にいうと「常に客観的でいられる状態」を作ることが大事だと思います。そして、その状態が前提としてあって、その上にリサーチ力とか知識が重要になってきます。
そのうえで、暗号資産に一点張りしたい場合は、流動性の提供はしないでガチホがおすすめです。
というわけで今日の内容は以上です。明日は……何にしようかな…💦
特に何も要望なければ、コンパウンド(複利)の頻度を説明していきます。
それではまた、DeFi~(@^^)/~~~