応用編 第1問(2023年5月)#FP1級への道
おはようございます。🐤
はじめましての方ははじめまして、私はヒヨコロと申します。お金の講師になりたくて、FP1級をめざしています。私にお金を語らせて!
というわけで、さっそく5月試験の問題振り返りをやっていきます。まずは応用編第1問……っとその前に、きんざい公式の模範解答です。
模範解答 | 一般社団法人 金融財政事情研究会 (kinzai.or.jp)
第1問
びっくりしました、Aさんが学生の期間ちゃんと国民年金を払ってる! このパターンは初めてでした。ふだんなら、777,800円に加入期間/全期間をかけていましたよね。今回は全期間加入。
からの初出題、繰り上げ受給の計算です。0.4%×繰り上げ月数なのですが、その月数の取り方が初めてなものでわからない。この問題の正答率知りたいです。
問題によると
1963年11月25日生まれ
1983年11月から国民年金に任意加入し、保険料を納めている
法令によると「20才到達日の前日が含まれている月」がスタートで、そこから480月支払うので、1983年11月から始まって2023年10月分を払うとちょうど480月、支払いが終わるわけです。
一方、問題文によると退職月は60才到達月の末日ということなので、同年11月末が退職日、厚生年金の加入もそこまでのはず。つまり厚生年金は1986年4月から2023年11月まで。
では「厚生年金の加入期間」は何か月でしょうか、Aさんは浪人せずに大学新卒ピカピカの22才のとき、1986年4月から厚生年金に加入しています。
この数え方にはコツがあって、〇〇年4月から〇〇+1年3月まででちょうど1年=12か月だということです。つまり「2023年3月」までだと 2023-1986=37年と単純計算してよくて、そこからは月を指折り数えます。
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月=8か月ですね。37年と8カ月は (37*12)+8=452か月です。
問題文にある204月と248月を足しても同じ452か月になりますね。ここまではOKでしょうか。
なんだよ、問題に書いてあるじゃないかよ、わざわざ計算見せるなよ暑苦しい、なんて言わないでください。私は打たれ弱いのです。優しく見守ってほしい。そして、この細かさがないとこの問53には正解ができないのです。
そう、地獄のような細かさ、それをこれからお見せしていきます。それも2つもです。
地獄1-まさかの59か月(繰り上げ月数)
問53では、「2023年12月に繰り上げ支給を請求した」とあります。この文章がめちゃめちゃ微妙です。これは「12月から支給される」という意味なのでしょうか?
日本年金機構のHPによると、繰り上げ請求するとその日の翌月分から年金が支給されるそうです。つまり、支給は2024年1月からになります。
そして、本来はいつ支給されるかというと65才からですね。当然知ってます、FP1級受験者を見くびるなよと。でも1級FP受験者のみなさん、「何月から」と意識したことはありますでしょうか?
「そ、そりゃ65才になった月からでしょ…モゴモゴ」
65才になった月、つまり11月だと思うでしょう?
日本年金機構のHPにも「65才から」としか書かれていません。誰もそこまで気にしたことないですよね。そう、FP1級受験者でさえも。
これは国民年金法を見れば書いてあります。
つまり、Aさんの場合は本来65才に到達した11月の翌月=2028年12月から支給が開始されます。
そして問題に戻って、繰り上げ請求した結果として2024年1月からの支給になった、これは何か月繰り上げしたことになるのか?
数え方のコツは、「〇〇年12月から」でキリよく1年になります。
やってみましょう。
1か月繰り上げだと11月から
2か月繰り上げだと10月から
3か月繰り上げだと9月から
4か月繰り上げだと8月から
5か月繰り上げだと7月から
6か月繰り上げだと6月から
7か月繰り上げだと5月から
8か月繰り上げだと4月から
9か月繰り上げだと3月
10か月繰り上げで2月
11か月繰り上げで1月
12か月繰り上げで12月、ほらね。
ということは、2024年1月からだと、ちょうど5年の1か月手前、つまり4年11か月=59か月前に繰り上げたということになります。
これ、パターン化すると大丈夫なんでしょうけど、私は60か月で計算してしまいました。正解は59か月です。
まさかそんな条文の隅をつつくような意地悪な問題じゃないだろうと。ごめんなさいきんざいさん、あなたを誤解していました。あなたはほんとに意地悪な人です。やなやつやなやつ!
地獄2-まさかの451月(加入月数)
冒頭で、204+248=452か月だと問題文に書いてあると書きました。そしてそれは当たり前で計算しなくても良いと言われた気がしました。
今回はそこをつかれました、経過的加算額の計算です。
まず経過的加算額をおさらいしましょう。FP1級受験生のあなたは経過的加算について正しく説明できるでしょうか?
あれだろ、1621円×480から777,800円×(480-未加入)をするやつだろ、知ってるよ。
という試験に凝り固まった脳の方はとれない問題でした。まず、1621×480ではなくて、1621×452、つまり厚生年金の加入期間である452月をかけます。
そして、次に480-未加入、つまりここも厚生年金の加入期間だから452でしょと計算すると間違ってしまいます。ここは「451」だときんざいさんはおっしゃっています。
なぜ451? なぜ???
加入月数の「452」は間違いありません。問題文にも書いてあるし、冒頭で私たちも確認をしました。前は加入月数、後ろも同じじゃないのか???
あっ!?
なんかついてる!
後ろの分子の方には「20才以上60才未満の」とかついてる。
もしかして、2023年の11月、Aさんが末日まで勤務したその月は、基礎年金部分には含まれないのじゃないのかぁ!?
そう、厚生年金の基礎部分、つまり国民年金と同じ期間なので、「20才の誕生月」から「60才の誕生月の前月」までがこの式にはカウントされるということです。
言い換えると「もし国民年金だったら60才の誕生月である11月分は納めなくていい」、そういうことです。
ほんとに何を言っているかわからないですけど、図にするとわかりやすくなります。
国民年金なら納めなくてもいい60才の誕生月、60才で退職したつもりなのに、年金の計算上は60才を超えていて厚生年金を納めていたこの余分な1か月を経過的加算の額としてひろっているのです。年額1,884円、Aさんにしたら思わぬボーナスです。
しかし私は前も後ろも452か月で計算しました。その計算結果は
ちなみにこの264円というのは上の図でいうところの②の部分です。1,884円は②と赤い四角の合計ですね。とても実務的で良いと思います。さすがFP1級。
ちょっと待って、えっと、FPってここまで個別具体的な年金の計算ってしていいんでしたっけ?(笑)
まとめ
というわけで、2023年5月 FP1級試験の応用編【第1問】問53の解説をしてみました。
地獄1=2023年の12月に繰り上げ請求をしたらもらえるのは1月から、そのため5年ちょうどではなくて、4年11か月=59か月の繰り上げになってしまっている
地獄2=厚生年金の加入期間が452か月だから、式の前後は同じだろうと考えるとワナにはまる。正解は60才になった月は基礎年金の加入期間ではないということで、引き算の右側は1か月減の451か月を採用しなければいけません
どうでしょうか、みなさん、問53は正解できましたか?
この問題の正答率が知りたいですね、私はゼロまであり得ると考えていますが、みなさんはどう思いましたでしょうか。
ほんとうにきんざいさんはやな奴になっちゃいましたね。こんなにもやな奴だとは思っていなかったので、大好きになっちゃいました。また9月も受けてやんよ~。
というわけで、もしこの記事がちょっとでもためになったり、へぇ~と思ったりしていただけたら嬉しいです。noteやTwitterもフォローしてくださいね。少なくとも半年は飽きずにFP1級の挑戦を続けますので、このnoteやTwitterをフォローしていただくときっと何か役にたてることはあるはずです。
それではまた、FP~(@^^)/~~~