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「悪いことをしようと思ったらできる、でもやらない」は美徳ではなく自分の利益のため

おはようございます。🐤

タイトルはぼんやりとしていますが、具体的に言うとチムニータウンDAOのプロジェクトである、ゴミモンスターのNFTコレクション「Poubelle(プ"ベ"ル)」でちょっとした事件がありました。

あるNFT投資家さんが、入札でズルをして低額での落札を企んだら、いろんな偶然が重なってオークション自体がキャンセルされてしまったという事件です。

ことの顛末

NFT投資家の「Aさん」がゴミモンスターのNFT「Poubelle」のオークションに7 ETHという入札をします。

このNFTコレクションはとても人気で、ここ数回は平均6.5 ETH(約130万円)くらいで落札されていました。

7 ETHというのは過去最高額とはいえ、傾向からして特別高い価格ではないと思うのですが、かなり早いうちから入っていたからでしょうか、他の参加者は戦意喪失し、その下には1 ETH以上の入札者が現れなかったようです。(推測)

それを見たAさんは終了直前に最高額の方の入札をキャンセルします。というのは、次点として自分がすごく低額(1 ETH以下)でさらに入札をして待ち構えていたので、その方がAさんは圧倒的に安く買えるからです。

ところが、OpenSeaのルールにより、1 ETH以下の低額で落札された場合には出品者が売買の判断をすることができるようです。今回は最高額入札のキャンセルがあったためかもしれません。とにかくオークション自体がキャンセルとなり、幸か不幸か取引は成立しませんでした。

コミュニティの反応

僕はこの事件を西野さんのVoicyで知りました。西野さんも激おこだったのですが、DAOのチャットの記録を見るとコミュニティメンバーも激おこでした。

「ズルい」
「せこい」
「悪質だ」

チャットの途中で、このAさんは実はPoubelleの他の作品を落札しているオーナーであることもわかってしまいます。ブロックチェーンの履歴を見たらすぐにわかってしまったようです。

まさか……DAOメンがそんな……コレクションの価値を毀損するようなことを???

コレクション価値の毀損か?

もし仮に1 ETH以下で取引が成立していたら、Aさんは超低額でPoubelleをゲットできていたことになります。

これがコレクション価値の毀損になるのかというと、そうはならないんじゃないかと僕は考えます。Poubelleの過去の最低落札額は1.6 ETHくらいだったと記憶していますが、その落札は僕が知る限り「良い買い物」という評価しか受けていません。

今回のAさんの落札は、まあ世間一般に「ズル」と言われそうな落札ではありましたが、落札にズルがあることとコレクションの価値とは別ではないでしょうか。

あるとしたらコミュニティの価値というかコミュニティ全体に対する信頼の毀損でしょうか。

信用をなくす行為か?

コミュニティでは「これはコミュニティメンバーの信用をなくす行為だ」という評価でした。僕もそう思います。コミュニティメンバーからの信頼をなくしたくないですし、外部から「チムニータウンのメンバーはこんなせこいことをしてるらしいぜ」なんて言われたくもありません。

ただ、後述しますが、「他のアドレスを使って、メインアドレスの方の信用を保ったまま」こっそり悪さはできてしまいます。

ブロックチェーンはそもそもアドレスの持ち主を特定することが難しいのです。

ルール違反か?

OpenSeaのルール違反ではないと思います。時間内ならキャンセルできるルールですから。

また、今回は事故の側面もありました。本来なら10分前の最高額入札のキャンセルがあった場合は延長に突入するはずなのですが、今回はなぜかキャンセルされなかったからです。

それよりも不思議なことは、誰も適当な額の入札を入れなかったことです。もしこの場に僕が立ち会っていたら、7 ETHと1 ETH未満の入札しかないこの不穏な空気を感じた時に、例えば3 ETHとか明らかに割安な額を入札しておくと思うのです。(完全に僕の無知による記述でした…最高額を超える入札しかできないので、途中の3 ETHなどの額は入札できません)

再発防止

以前の内容は完全な僕の誤解によるものでした。再発防止は簡単で、ただ3 ETHなど中間値のオファーを入れたらいいだけだと思っていましたが、システム上高値更新しか入れられないんですね。

つまり、これを繰り返そうと思えば、入札開始と同時に

  • 入札開始

  • 即時に1 ETHのオファーを入れ

  • 間髪入れず7 ETHのオファーを入れる

これで入札終了を待てばいいことになります。ただし、10分前に最高額の取り消しがあると延長になるはずなので、1 ETHから再出発って感じです。

もし2番目の手順で1 ETH以下だと落札できなくて、オークションの継続は出品者に委ねられるんだと思います(推測)。あまり何回もオークション中止が続くと興ざめになりますね。いやがらせしたいならこうするのかな。

ということで、愉快犯は防止はできませんが、1 ETHでの落札はできないはずなので、犯人が得することはない、だからシステムもこうなっているのでしょう。

「悪いことをしようと思ったらできる、でもやらない」は美徳ではない

もう一度整理します。

  • 今回、Aさんはコミュニティメンバーが知っている「自分のウォレット」でこの一連の行為をしていた

みなさん冷静に考えてみてください。もし本当に悪意があったら「保有者がバレているウォレット」で悪いことをする人いると思いますか?

僕なら新しいウォレットを用意します。送金は匿名サービスを利用するか取引所から直接送り、自分のアドレスとは一切関連を見えなくします。Aさんはそんなことをせずに「自分のウォレット」でやっていました。

おそらく、最初は悪気なくいたずら半分、ワンチャン低価格の購入ができるかもくらいの気持ちで試してみたら、本当に誰も入札しないことに気づき欲がでてきた、というイメージなのではないでしょうか。

この事件で思い出したことがあります。

南野陽子さん(80年代の超人気アイドル)がテレビの生放送に出演されていて、路上で一般男性にインタビューをするという場面があったのですが、その一般男性はテレビに映っていることを承知で、なんと南野さんのおっぱいを触って走って逃げていったのです。「やったー」と喜びながら。

きっといたずらの気持ちがあったのでしょう。日ごろから仲間内で「アイドルにあったら絶対おっぱい触りたい」などとアホな冗談を言い合っていたのでしょう。そんな時に偶然たまたま、自分が手を伸ばせば届くところに南野陽子さんのおっぱいが! 触るも触らないもあなた次第!

この男性のその後の人生はどうなったのでしょう。おっぱい一瞬、社会的制裁は一生……となったでしょうか。

テレビのロケや、仕事中など、南野陽子さんのおっぱいを触るチャンスは一般人やテレビ局の人たちを含めてけっこう多くの人にあるはずです、でもそんなことは(ほとんど)誰もしません。なぜか?

それは「マネージャーや偉い人にこっぴどく叱られる」「お母さんにバレる」だけではなく、「変質者」「痴漢」「頭のおかしい人」と社会からレッテルを貼られる損失、人から嫌われ、ファンには攻撃され、最悪の場合職や居場所を失う損失を考えるからです。

一時の利益のために信用をなくすことは割りにあわないからです。

つまり、悪いことをしようと思ったらできるけどやらないのは、「自分の利益の最大化(損失の最小化)」のためです。

「自分の利益の最大化」のために動くことを普通「美徳」とは言わないですよね。そもそも人間は頭がいいので、自分の利益を最大化するためにいつも考えて動いているのです。

ブロックチェーンができること

ブロックチェーンの世界ではすべての取引が記録に残ります。そして、一つ一つの取引はプログラムすることが可能です。

例えばビットコインは、不正をしようと思ったら一番成功確率が高いと言われているのが、世界中の51%のコンピュータで力を合わせてデータを改ざんすることですが、それをやろうと思うと設備費と電気代がすごく高くなってしまって、「正しくネットワークに貢献する」方が自分にとって利益が大きくなるのです。

「悪いことを考える人がいない」わけではなく、このネットワークで自分が利益を得ようと思ったら、消去法の末、正しい行動を選択することになるシステムが設計されているというわけです。

以前書いた「僕たちの失敗」というNFTの売り方のお話でも、NFTの大口ホルダーが自分の利益を最大にしようと思ったら「大量売りはしない」「少しずつ、相場に与える影響を最小限になるように売る」「そのNFTプロジェクトの価値を高める」ということが最適解であることを説明しました。

大量一気売りは「仲間からの信頼を失う」だけでなく、結局自分の出品は売れないし、コレクションの価値を下げてしまうので「自分が」損をしてしまうから誰もやらないのです。

しかしながら、知らないとついやってしまうことなので、啓発しないといけません。

悪いことをしようと思ったらできるのですが、ブロックチェーンの世界では行動が丸見えでかつ記録に残ってしまうこともあり、よく考えて、計算して行動しないと、その行為は自分の信頼に跳ね返ってきて、結果損をしてしまうことがある。

南野さんのおっぱいを触ったという記録が残る。

触られても南野さんのおっぱいの価値は下がらないのと同じで、今回のズルい入札はコレクションの価値を下げることはないと思うのですが、でも信頼は失う行動だったようです。正直僕が同じ立場だったら同じことをしている(最高額のほうをキャンセルしている)ので、すごく勉強になりました。

あ、僕はおっぱい触り逃げはしません!
たぶんしない……と思います。しないんじゃないかな……。まちょっと覚悟はしておけ♪

というわけで今日の内容は以上です、今日の記事がみなさんのためにもなったら嬉しいです。説教臭かったらごめんなさい。

というわけで、それではまた、DeFi~(@^^)/~~~

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