トラストレス=安全 ではない!?
おはようございます。🐤
今日はトラストレスの意味について考えてみましたので、お話していきたいと思います。どんなお話かというと、トラストレス=安全という意味じゃないですよってことです。
DeFi
DeFiの世界には「トラストレス」という言葉があります。ブロックチェーンの特徴を表す言葉で、Googleで検索すると、次の3つが上位にきています。これらのウェブサイトから「トラストレス」について説明している部分を抜き出してみました。
・DeFi(分散型金融)とは(coinpost.jp)
⇒第三者組織が自分の資金を適切に扱ってくれることを信頼する必要性のない(こと)
・ビットコインやブロックチェーンの「トラストレス」とは?(tottemoyasashiibitcoin.net)
⇒信頼のおける第三者を必要としない
・第4回「トラストレス」(trustless)(bitpress.jp)
⇒特定の管理主体を信じる必要がない。第三者の仲介が不要で価値の交換が出来る
つまり、スマートコントラクトという自動化されたプログラムがあり、それに資金を供給したり両替したりする時に、銀行などの信頼できる機関による管理を必要としないということです。
魔界民にお聞きしたいですが、BSC DeFiのどのプロジェクトもトラストレス、つまり何の疑いもなく資金を預け入れることができますか?
絶対あり得ないですよね。トラストレス=信頼が不要=疑う必要がない、と考えていると痛い目にあいます。
有名プロジェクト以外は、預け入れたまま寝ない、使い終わったらRevokeするというのが鉄則の世界です。全く信用していないじゃないですか。それで正解なんです。トラストレスしちゃダメなんです!
PancakeSwapを信頼している理由は、銀行を信頼している理由と大きく変わりません。「みんなが預けているから安心」です。
これでトラストレスは幻想という証明が完了しました。
アルパカさんのトラストレス
もうひとつ、アルパカさんのトラストレスのしくみは、僕が考える限り最善です。なぜかというと、まずオープンソースですし、それを書きかえてから24時間後に有効になるからです。
つまり、怪しいプログラムに変えても、変えた時点から24時間はそのプログラムが有効になれないので、24時間以内にプログラムがわかる人が確認することができるのです。
しかし、みなさんはプログラムがわかりますか? そして常にプログラムの変更があるかどうか監視されていますか? してないでしょう。僕はしていません。
こんなに多くの利用者がいるし、24時間タイムロックがあるから、悪いことしてたらきっと誰かが見つけてくれるはず、という一歩進んだ信頼が生まれます。トラストレスじゃなくてここでも信頼です。
「Don't Trust, Verify.」(信頼してはいけない、自分で確認せよ」という言葉がありますが、Verify(自分で確認)できる能力を持っている人しかDeFiを使えないとなると、DeFi人口が1%以下になってしまいます。
Don't Trustには限界があります。
NFT
次にNFTです。DeFiの一部ですから、まあもう既に証明完了しているようなものですが、NFTはさらにやばいです。なんせ、どれが本物かを決める手段はこれまでどおりの信頼しかないからです。
「えっどういうこと? NFTは絶対に偽物が作れないんですよね?」
そのとおりです。
でも、ちょっと次のようなことを想像してください。
・あるアーティストが、あるプロジェクトから依頼を受け、デジタルアートを作りました。
・アーティストはプロジェクトにJPEGを納品し、プロジェクトはそのJPEGでNFTをMINTしました。これはプロジェクトのものです。
・一方で、アーティストはJPEGを使って自分でもNFTをMINTしました。仮にこれが契約外だとしたらやってはいけないことです。
さて、どちらのNFTが本物なのでしょうか。発行者が違うだけで中身は同じです。
やはり正式な契約をしているプロジェクトの方が法律的には本物になると思います。しかしどちらの方が市場では価値がつくでしょうか。
現実問題として、市場価格の決まり方は「法律的に本物だから」とかいう理由ではなく、そのアーティストとプロジェクトの人気の具合とか、発行された枚数などによるような気がしませんか?
OpenSeaの中の出来事なら、偽物の方の流通を止めることはできるかもしれません。ただ、どっちを本物とするかはドロドロの争いになるのかなと思います。
それってとても中央集権的な手段ですよね。OpenSeaは信頼できるのですが、これはDeFi的なトラストレスの考え方とは違います。
トラストレスの本当の意味
これまでトラストレスを散々disってきましたが、意味がないわけではありません。
例えばBitcoinなんかはとても大勢の目にさらされているから安全です。
これは既存金融とは違うところです。能力さえあれば、Verifyさえできれば、トラストレスは理想ではなくて現実になり得ます。(もしかして、トラストレスって、「信じられるのは自分だけ」って意味のようにも思えてきました。)
かなり可能性は低くても、それでも「なり得る道が残されている」というのが重要です。
まとめ
トラストレスは理想であって、99%以上の大多数の利用者にとって、DeFi、あるいはNFTを利用するときはプロジェクトや運営主体を信用している状態になります。
DeFiはトラストレスだから安心ってことはないので、気をつけて、知識を身につけて、防御力を高めていきましょう。特に今のような黎明期には重要です。
今日の内容は以上です、何かお役にたてたらうれしいです。
それではまた、DeFi〜(@^^)/~~~
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?