iDeCoの受け取り方
おはようございます。🐤
iDeCoの受け取り方について、ひとつの事例で詳しく考えていきます。一般的ではないですが何かの参考になりましたら嬉しいです。
事例
条件は次のとおりです。
50才サラリーマン
勤続25年
退職金2000万円
厚生年金支給額(現時点の見積もり)=65才から150万円
50才で退職(退職金受け取り)
iDeCo加入期間10年、積立金額250万円
iDeCoの良いとこ悪いとこ再確認
良いとこ1:積立期間中の税金が安くなる
年収が800万円だとすると適用される所得税率は20%なので、積立金額に対して住民税と合わせて30%の税金がかからなくなります。つまり年間20万円をiDeCoに積み立てしていたとしたら6万円の節税効果があります。それが10年間で60万円の節税効果を受けたことになります。iDeCoありがとう!
良いとこ2:運用中の利子や分配金などに税金がかからない
iDeCoはいろんな商品があるので、元本保証の預金みたいなものもあったりします。その利子は再投資されるのですが、普通は20%が源泉徴収されるところがiDeCoだと非課税になります。まあ少ないのであまりピンときませんが、たぶんちょっとだけ有利なんじゃないかな。
悪いとこ1:利益部分じゃなくて全体に税金がかかる
これが昨日気づいたiDeCoの最悪の特徴です。自分で老後のために積み立てた額に対して、一時金なら退職所得、年金形式なら雑所得で税金がかかります。ということは、iDeCoの他に退職金をもらうサラリーマンなどは普通そっちに控除がもっていかれるものですから、iDeCoの積立金額すべてに税金がかかります。(8月13日修正しました、退職所得は分離課税です)
退職金=2000万円
iDeCo一時金=250万円
退職所得控除=800万円+5年×70万円=1150万円
退職所得=(2000+250-1150)×1/2=550万円
上の表にあてはめると、550×0.33-42.75=67.25万円が退職所得にかかる所得税となります。iDeCoをしていなかったら425万円に42.25万円の所得税になるので、iDeCoにかかる税金はその差25万円。これはiDeCoの収入250万円の1/2に20%をかけたものということになります。
これをなんとかゼロにしたい。その受け取り方を探ります。
受け取り方
条件
・50才で退職後もフリーで働き続ける(収入がそこそこある)
※8月13日修正:以前の記事では年金の控除を誤解していました。年金以外に収入があってもそれは別計算で、iDeCoは年金収入として計算できるので、65才未満なら60万円(65才以上なら110万円)まで控除できます。
1) 60才から65才までの年金収入がない期間に受け取る
iDeCoの受け取りは60才以降です。60才から65才までは年金の収入がない期間になるので、この期間中にiDeCoを受け取ると良いです。この事例の場合250万円を5年間で50万円ずつ受け取ることで年金控除がフルに使えて、課税額がゼロになります。
解決策があってよかった。
参考:
2) 受取時期をずらす
50才で退職金をもらい、その後フリーで働き収入を得るということですからiDeCoの加入は続けます。
この場合、iDeCoの退職所得控除の計算は、iDeCoの加入期間(20年間)の控除額から重複期間の控除額を差し引きます。
20年×40万円-10年×40万円=800万円-400万円=400万円
ということでiDeCoの分の退職所得控除として40万円×10年=400万円の控除枠が生まれます。この事例の場合、同額で継続したら500万円+利益でその枠をはみ出してしまいますが、減額して継続して枠内におさめる方法をとることもできそうです。
まとめ
iDeCo奥深い。とにかく個別事例ごとにシミュレーションすることが必要です。一概に何が得ということはできません。
iDeCo受け取り方シミュレーションって作ったらうけるかも。
それではまた、FP~(@^^)/~~~