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DeFi入門 (7) 複利について(コンパウンドの頻度)
おはようございます。🐤
お餅食べてますか? 僕は大みそかにおそばに入れて、元旦にお茶漬けに入れて食べました。
今日は最適なコンパウンドの頻度についてお話していきます。コンパウンドとは、生まれた利回りを回収して、再投資することです。つまり、複利運用のための作業です。
誰もが最初に疑問に思うはずのところなのに、あまり誰も教えてくれないですよね。回数を多くすればするほど儲かりそうだけど、あまり多くても手数料(ガス代)に負けてしまいそうだし、どうすればいいの~? ってところではないでしょうか。
結論を先に書いてしまいますと、もらえる報酬額とガス代の比が20:1以上になる範囲でちょっと長めの、忘れないようなタイミングが良いのではないかなと思います。(すごくあいまいですが、まあそんなもんかと思います)
めちゃあいまいですが、どうしてこういう数字がでてきたか、説明していきます。
利回り、生まれていますか?
イールドファーミングかレンディングで、利回りは生まれていますか? 僕は新たにアルパカのガバナンスヴォールトとUniswap v3を始めてみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1641078037026-hQAZcSLkKD.png?width=1200)
利用するプロジェクトによって表示はいろいろ、利回りを回収する方法もいろいろですが、とにかく利回りが生まれてきます。
その利回りは、何もしなければ単利ですが、回収して再投資すると複利効果が得られます。
単利と複利
$10,000を年利5%で20年間預けたとして単利と複利を比較するとこんなイメージです。単利だと自己資金はちょうど倍の$20,000、複利だと約$27,000になります。
![](https://assets.st-note.com/img/1641080986187-gLQYNnrNYM.png)
年利5%なんてムリムリ、という方はDeFi入門の1日目に戻ってください。DeFiで資産運用するとそれくらいの利回りが20年間持続可能だと僕が考えている理由を説明しています。(信じるかどうかはあなた次第です)
複利運用のメリット・デメリット
上手に複利運用をすると利回りを最大化できるメリットがある一方で、デメリットは次のようなことです。
作業がめんどくさい
利回りの回収と再投資に手数料がかかる
ということは、生まれた利回りを再投資する作業(コンパウンドといいます)の回数を減らせば、めんどくささも減りますし、かかる手数料も削減できて一石二鳥っぽいです。
しかし、あまりに回数を減らしすぎると複利のメリットである「利回りの最大化」が小さくなってしまいそうです。
だから、今日は最適なコンパウンドの回数を調べる方法と、現実的な運用を一緒に考えていきます。
コンパウンドにかかる手数料
コンパウンドにかかる手数料は、それぞれのプロジェクトのそれぞれの商品ごとに違います。ファーミングするだけで利回りを自動コンパウンドしてくれるプロジェクトもあります。(QuickSwapのdQUICKは自動コンパウンドされていますので、作業は必要ありません)(たぶん…間違ってたらごめんなさい)
よくあるのは、
利回りを請求して
その利回りを再投資する資産に交換
再投資
という3手順を踏むことになるかと思います。この手順もそれぞれの商品ごと、自分のやりたい再投資ごとに違うので、ご自分の投資商品をよく調べてみてください。
この手数料は、一般的なところでは例えばイーサリアムだと$30~$80程度、BSCだと$0.5~$1.0程度、Polygonだと$0.01~$0.03程度です…Polygon安い…
なお、実際にかかった手数料はメタマスクの「View Account in Explorer」からPolygonScanなどで見ることができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1641100051638-OtT97Sl8bc.png?width=1200)
PancakeSwapでのコンパウンドの実例
PancakeSwapに資金を預けて、一日あたり$4.8のCAKE報酬がもらえたとします。これを回収して、AutoCAKEプールに預け入れるまでの手数料が$0.8程度、こういう運用だったとします。
![](https://assets.st-note.com/img/1641089342428-tgthh02Lki.png)
AutoCAKEプールで毎日コンパウンドした時の数字、つまり利子分は上の表のとおりです。7日目には28.138$の利子が得られています。
![](https://assets.st-note.com/img/1641089445517-NZ3qbcRdsB.png)
次に週1回のコンパウンドです。7日目には$32.8の利子が得られています。毎日よりはこちらの方が効率がよさそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1641089538649-0rB82bfoML.png)
次に30日に1回のコンパウンドです。効率はとても良いですが、利回りが得られない期間が長いのでどうなのか?
これらをグラフにして比べてみます。
![](https://assets.st-note.com/img/1641089599525-RlRLq2lotv.png?width=1200)
毎日が青、週1が黄色、月1が緑です。(赤色は単利です)
毎日コンパウンドするよりは、週1回か月1回のコンパウンドのほうが利回りが高くなっています。
次に、何日に一度のコンパウンドが一番効率が良いのかをグラフにしてみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1641093642284-PCSgDdeJvF.png?width=1200)
横軸は頻度(日/回)で、左にいくほど頻度が少なく、右にいくほど頻度が高いという図になっています。ご覧のとおり傾きが緩やかなので、週1くらいから月1、そしてその先はあまり差がありません。
何日に1回が一番効率が良いのか、およその日数を求めたい式がこちらです。よければ参考にしてみてください。
![](https://assets.st-note.com/img/1641092275763-PAokAZaan4.png)
d=1回のコンパウンドにかかる手数料(ガス代)
A=1日あたりにLPファーミングで得られる報酬($)
k=1日あたり運用先の利率(APR(%)/365(日))
数字大好きな方はこちらのブログをどうぞ。
もっと…わかりやすく簡単に
上の図のグラフでわかるように、毎日コンパウンドは逆に効率が悪く、7日に1回くらいから先は変化が緩やかになり、あまり変わらなくなってきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1641097433903-s7yKpPra62.png)
報酬額が同じでもガス代は一定なので、報酬を貯めてから一気にコンパウンドした方が効率は良いのですが、もらえる報酬と有効な投資金額の比で表される再投資の効率が95%くらいから先はあまり変化がなくなります。
![](https://assets.st-note.com/img/1641097639609-jXVjktYx6y.png)
そして、手間は少ない方が良いという人間の都合も考えると、以下のような法則が良いんじゃないかなとざっくり提案してみます。
たまった報酬額/1回のガス代=20以上
例えばガス代が$1だったとしたら、報酬額が$20以上貯まったタイミングです。それで、あまり頻繁にやったら逆に損するし、間隔をあけてもそれほど変わらないということですから、その範囲で自分が忘れないような長めの日数を設定すればいいと思います。
あくまで一般論です。極端に利率の高いキャンペーン期間とかはこれに当てはまらないので、ご注意ください。
まとめ
というわけで、最適なコンパウンドの頻度というテーマでお話してきました。
細かく計算すれば最適な日数は算出できなくはないですが、そもそもこの計算は「APRが一定」「もらえる報酬額が一定」という現実ではあり得ない想定であるので、あまり厳密に計算しても仕方がないという考えがあります。
また、仮に「11.2日が最適」と計算で出たとしても、中途半端で、きっとめんどくさくなってコンパウンドするのを忘れてしまいそうな気がします。
だから、「一定の期間ごとにチェックして、報酬が手数料(ガス代)に比べてある程度たまったらコンパウンドする」という緩い運用で良いんじゃないかなと僕は思います。
そして、その「ある程度」の目安として「ガス代の20倍」という数字を提案しました。これは、それ以上貯めてもあまり変化はないからです。
ただし、一般論なので、キャンペーン期間中の特別な利率であれば話は別なので、その時はその時で計算シートなどを参考に判断してください。
みなさんのDeFiライフの参考になればうれしいです。
それではまた、DeFi~(@^^)/~~~