WUSD by Wault Finance
おはようございます。😊
今日はWUSDのことを紹介します。
新しい部分担保型ステーブルコインで、IRON Stablecoinを彷彿とさせて、CARROT Stablecoinの影も見えて、やんちゃな奴らのモノマネを真面目なWault Financeがやってみた感じです。
不良の竹内涼真。
グルグルめがねの綾野剛。
きれいなジャイアン。
そんなギャップにやられてしまいました。
それでは、説明していきます!
Wault Finance
まずWault Financeのことから調べました。じれったい方は読み飛ばして結構です。
まずは下記のようなプロダクト、いろんなことやっててすごく欲張りです。
[プロダクト]
・WSwap(AMM)
・Wault Launchpad(新規トークンのプレセール)
・Wault Locker(流動性ロック)
・Wault Farms(ステーキングとファーミング)
・クロスチェーン(Polygon - BSC - ???)
・(将来)Lending
[独自トークン]
・WAULTx(ガバナンストークン)
・WEX(ファーミング報酬)
TVLは$330Million、アルパカさんの1/4くらいの規模です。
1 WEX = $0.0079 時価総額: $13,031,000
1 WAULTx = $0.011 時価総額: $8,760,000
参考:1 ALPACA = $0.50 時価総額: $3,323,000
※CoinMarketCapより 2021年7月15日 22:20時点
参考:1 ALPACA = $0.50 時価総額 $53,513,000
※Coingeckoより 2021年7月16日 18:00時点
WUSD
ではいよいよWUSDに入っていきます。
具体的に説明するのが早そうです。
(1) ユーザーは1 USDTを預けます
(2) Waultは1WUSDを発行(MINT)し、ユーザーに渡します
(3) Waultは0.9 USDTをTreasury(金庫)に預けます
(4) Waultは残りの0.1 USDTを使ってWEXを市場で購入し、それもTreasuryに入れます
(5) ユーザーがWUSDを換金したいときは、1WUSDを返し、そのときのWEXの価格に応じて0.9USDTと0.1USDT分のWEXを受け取ります
つまり、1WUSDは常にWaultで1USDT分のトークンと交換できる=1USDTの価値があるということになります。(細かく言うと、交換時に0.5%手数料を取られるので1WUSD = 0.995 USDT)
このへんTITANと似てますね。
違うのは2つ、1つはこのドキュメント見る限り、WEXを混ぜる率が可変ではなくて一定だということ。
それと、ステーブルコインと同時に開始ではなく、WEXは市場で一定の評価と実績がすでにあるトークンだということです。
これをもってWaultさんは「商業の後ろ盾があるステーブルコイン」と呼んでいます。
This is the commerce-backed stablecoin — WUSD.
Wault FinanceのMediumより引用
安定メカニズム
(1) Treasury(金庫)
a) WSwapの両替手数料から15%をTreasuryへ
b) WUSDの償還(Redeem:WUSDをUSDTとWEXに戻すこと)ごとに0.5%を徴収、うち0.25%をTreasury、0.25%を開発資金にあてる
c) Treasuryの一部は運用されて、利益をTreasuryに還元します
(2) WUSDの発行によりWEXの価格上昇を助ける
WUSDを発行するときには、預けられたUSDTの1部でWEXを市場から買って、払い戻し用にTreasuryに蓄えておきます。
これは大きなWEXの買い圧力となるとともに、WEX-USDTの両替手数料収入の増加につながります。
つまりWEX-USDTのAPR増加になり、ファーミング利用者によりロック量がさらに増え、市場流通量が減ります。
爆発的とは言わないまでも、継続的、安定的なAPRの増加は市場の支持を受けそうです。
(3) WEXの排出量からのサポートあり
さっきのミディアムによると、24時間TWAP※でWUSDが0.001ドル下回るごとに、Farmに預けられているLPへのWEX排出の0.5%がWUSDのTreasuryにあてられるそうです。
つまりWUSDのペッグが下に外れる時、Treasuryが豊かになり、WEXの買い戻しなど運営ができることが増えることになります。
※TWAP(Time-weighted average price:時間加重型平均価格)
(4) 取引手数料からのサポートあり
加えて、WSwapの取引手数料からもサポートして調整します。
具体的には、24時間TWAPでWUSDが0.001ドル下回るごとに、取引手数料の0.5%をWUSDのTreasuryに追加で入れます。
逆に、24時間TWAPでWUSDが1ドル以上になると、WUSDのTreasuryは15%の取引手数料の流入を0.15%減らし、1.10ドル以上では0%になります。
(5) WUSDのステーキング(利用先確保)
WUSDの利用先確保のため、WUSD-BUSDの流動性プールを作り、そこに高いAPRを設定します。
24時間のTWAPでWUSDが0.001下回るごとに、WUSD-BUSDプールへの割り当て排出量を5%から最大500%まで引き上げます。
逆に、24時間TWAPでWUSDが1ドルを0.001上回るごとに、WUSDの割り当て排出量を0.8%ずつ、最大で80%ダウンまで引き下げます。
考察
[WUSD = $0.99]
WUSD = $0.99の世界を考えてみましょう。つまり、市場でWUSDを買う方が微妙に安いという状態です。
この時、メカニズムの(3)より、WaultのFarmのWEX配布割合が今よりも5%低くなります。
同時に、メカニズムの(4)より、WSwapの取引手数料報酬が今よりも5%低くなります。
これらにより、Farmの合計報酬が5%ほど低くなります。Farmの魅力減です。
一方、WUSD-BUSDプールのWEX配布割合は50%上がります。WUSD価格が低くなるとWUSD-BUSDプールがかなり美味しくなります。
市場でWUSDを買ってWUSD-BUSDに突っ込む流れができれば、WUSDの価格は上がり$1に近づきます。
[WUSD = $1.01]
次に、WUSD = $1.01の世界を考えてみましょう。
メカニズムの(3)と(4)より、WaultのFarmとWSwapの配布割合が今よりも5%高くなり、Farmの魅力が高まります。
一方、WUSD-BUSDプールの配布割合は8%下がります。WUSD価格が高くなるとWUSD-BUSDプールのうま味は減ります。WUSDをもつ理由が少なくなり、市場に売られ価格が下がり$1に近づきます。
加えてアービトラージも働くことを考えると、かなり高い精度で$1ペッグが保たれるんじゃないかなと思ってます。
なお、WUSDの開始は7月末になるのではないかなと、テレグラムでは言われています。(雰囲気)
[WEX崩壊シナリオ]
怖いのはWEXの崩壊、TITANの二の舞になることです。Polygon IRON v1の時はTITANの価格がゼロに限りなく近づきました。WEXはそうならないでしょうか?
WEXの発行上限は設定されていませんので、可能性はありますよね。(ガクガクブルブル)
TITANの崩壊はつぎのような流れでした。(引用元:IRON/TITANはこの先どうなるのか)
☆一部の人がTITANを売る(そもそもTITANを持ってる人は怖いはず)
⇒ファーミングAPRが減る
⇒IRON離れが起こりRedeemされる
⇒TITAN売られ、価格下がる(★印くり返し)
これがWEXにもあてはまるでしょうか?
ファーミングAPRが下がるまでは同じですが、WUSD離れでWUSDの価格が下がったときにWUSD-BUSDプールのWEX配布が最大500%up(代わりに他のFarmの配布が減ります)するので、WUSD離れは一定以上には進まないように思えます。
WUSD離れが進まなければWEX価格も一定以上は下がらないと考えられます。つまり、TITANとは違い、下げ止まりのしくみがあります。
まとめ
いろんなステーブルを見てきて、なんだかこれはうまくいきそうな気がしますが、わかりません。ほんとにどうなるかわかりませんが、すごくペッグしそうな気はします。
そして、WUSDの発行数が増えたらWEXの売り圧は下がり、WEXの価値は上がります。
WUSDの発行数が増えるのかは、WUSD-BUSDのAPR次第、その後の利用のされ方次第です。
気になる点はいくつかあって、箇条書きにすると
・WUSDの価格が下がると、それを補填するためにWault全体の魅力は下がる方向
・WEX発行の一部がWUSDにとられる
・取引手数料の一部がWUSDにとられる
しかし、このマイナスはわずか数パーセントですから、WEXの価値が上がることで十分これを補うことができるでしょう。
Polygon IRON v1と違うのは、Wault FinanceはWUSD以外にもSwapとFarmという収入源があり、WEX価格がWUSDにそこまで強くは依存していないということです。
さて、どうなるでしょうか、楽しみです。
今日はここまでです。今日の記事が何かのお役にたてたらうれしいです。
それではまた、DeFi~(@^^)/~~~
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