IRON事件とその考察
おはようございます。😊
昨日のIRON事件はたいへんでした。僕自身、IRON-USDCに100万円つっこんでいるのでどこまで減るものかとすこし心配しています。
損失の計算(3つの想定)
確か事件直前までIRONのECRは75%くらいあったので、最悪でも75%のUSDCは得られるはずです。TVLから見てもおそらく大半の人がIRON-USDCに投資していたと思うので、つぎのような計算になります。
前提:IRON 1$ : USDC 1$ のときに$10,000でスタート
⇒ IRON 5000 : USDC 5000
現在:IRON 0.75$ : USDC 1.0$ のときのLP数量内訳
⇒ IRON 5773 : USDC 4330
1. 仮に今解体して、将来IRONが$1.0で売れた場合 5773+4330=$10,103
2. IRONが$1に戻るのを待って解体した場合:$10,000
3. ずっと価格が戻らない場合:5773*0.75 + 4330 = $8,660
最悪$1340の損~最高$103の利益の間のどこかに落ち着きそうです。BSCの例を見るとおそらく$1近くには戻るんじゃないかなと思っています。
※2021年6月19日追記: TITANの発行数が多すぎるため、IRONも価格を戻すことは無いと思われます。運営からの補償だけが残された期待です。
この計算はDeFiの世界に特有の数量と価格の変動のルールによるもので、詳しくはインパーマネントロスに関する記事を見てください。
大暴落のしくみ
さて次に今回の大暴落のしくみです。
以前の記事でも書きました、ひとたびTITANが落ちたらあとは坂道を転がるように落ち続けるという話ですが、あまりにも落ちすぎです。坂道ではなく断崖絶壁です。
もってる人が全員売ってもこうはならないはず…どうして…というところを説明します。これも前に説明したECRという値が深く関わってきます。
ECRはIRONの払い戻し(Redeem)のときに使われます。IRONを払い戻し請求すると、ECR%のUSDCと、(100-ECR)%のTITANが返ってきます。
ECRはつぎの式で表すことができます。
ECR = 担保(USDC)の量 / IRON総供給量
例えばECR=75%だったとしましょう。
100 IRONをRedeemすると75$分USDCと25$分のTITANが返ってきます。この時のTITAN価格によって返ってくるTITANの枚数は違います。
・1 TITAN = $50の場合:0.5 TITAN
・1 TITAN = $25の場合:1 TITAN
・1 TITAN = $12.5の場合:2 TITAN
…なんか見えてきましたね、もうちょっと続けてみましょう。
・1 TITAN = $2.5の場合:10 TITAN
・1 TITAN = $0.25の場合:100 TITAN
・1 TITAN = $0.025の場合:1000 TITAN
このように、$25分が一定というルールで、価格が変われば枚数も変わります。
今回、TITAN価格は僕が確認できる限り0.000008613が最安?なので。
・1 TITAN = $0.000008613の場合:2,902,589 TITAN
ところでTITANの発行枚数は1B(1Billion) = 1,000,000,000枚のはずでした。Docにはそう書いてありました。
Redeemによってさきほどの価格でTITANが発行されたとすると、たった$8,613分のTITANで発行枚数の上限に到達してしまう計算になります。
IRONのTVLは確か$600,000,000くらいだったので、とてもじゃないけどこの上限額では足りません。ではどうなったのか? こうなりました。
TITANの供給量、1Bを大きく超えて27805B!
もう笑うしかないです。上限をプログラムに組み込むの忘れてたんですかね?1Bのキャップなんてまだまだ超えないはずでしたもんね。3年かけて徐々に発行する予定でしたもんね。しょうがない……しょうがなぃ……
…とはならない!😡😡😡😡
それはプログラムに組み込んでおきましょうよ!😡
スケベ買いしちゃったじゃないですか!😡
どうしてくれるんですか!😡
よーよー!😡
そしてECRの値はつぎのようなルールで変動するはずでした。
・TCRの値に近づいていく(基本)
・投資収益からのUSDC追加による増加(運営の采配次第)
・ECR < TCR になるとき、Re-Collateriseイベントが発生します。この時はTITANを売ってUSDCに両替することでECRが増加します(プログラムされている)
しかし、今回の場合すべてうまくいきませんでした。
まずTCRの値に近づくルールは、TCR自体が1時間に0.1%しか変動できないので役にたちませんでした。
同じ理由でECR < TCRになるときに発生するはずのRe-Collateriseイベントも発生できませんでした。
そして、運営が気づいたときにはもう投資収益のUSDCを追加してどうにかなるような状態ではありませんでした。(分母が$数百Mですから、仮に$1MのUSDCを突っ込んだとしてECRは1%も改善しません)
つまり、ECRの値どおりにUSDCとTITANを返し続けるというプログラムを、運営でさえも変えることができなかった、その結果想定を大きく超えて莫大な量のTITANが放出されたというのが今回の超大暴落の原因だったと僕は見ています。
まとめると、「プログラムに穴があった、悪いことが重なってその穴にはまってしまった、誰にもそれを止めることができなかった」ということです。
イケハヤさんへの攻撃
本題はここからです。
この人はフォロワーが6万人もいるインフルエンサーです。前後ないので説明すると、TITANで損失出した人を集めてイケハヤランド?を破壊するといっています。これに賛同している人が多数いるのが恐怖です。
さてこうなると犯罪です。
ではイケハヤさんは何をしたために「ぼのぼのですよ」さんにここまで言われているのでしょう。
イケハヤさんのツイートとブログの要旨を記憶の範囲でまとめます。
・IRONステーブルコインのしくみとその革新性を説明
・イケハヤさんはTITAN投資はせず、すぐにBitcoinに替える
・リスクはあるのでDYORで
この範囲なので、投資助言でも違法な投資への勧誘でもありません。欲を出して不勉強のまま自分のお金を突っ込んでしまった人なら、反省して次にいかせばいいと思います。
ツイートの様子を見ている限り、イケハヤさんを叩いている人たちの多くはIRONのしくみを理解していません。
そもそもイケハヤさんはTITANで利益を得ようなんて一言もいっていません。むしろ逆です、まわりがTITANに熱くなってたのを静観して「僕はTITANガチホはしません、おすすめもしません」と一貫していました。
おそらく今回のIRON事件には関係ないけど、なんとなくイケハヤさんを嫌いな人がよってたかって叩いているようです。
* * *
さてみなさん、自分の好きなものってありますか?
イケハヤさんは仮想通貨とDeFiが大好きです、ふるえるほど好きです。本人じゃないけど僕にはわかります。だって僕も仮想通貨とDeFiが大好きです。昨日のVoicyはイケハヤさんはとても楽しそうにIRONを語っていて、IRON愛、仮想通貨愛が伝わってくるほんとに良い放送でした。3回聞いてしまいました。僕もうれしくなってしまいました。
ですが、今僕はこの文章を涙を流しながら書いています。
自分の好きなものを熱く語ったらダメですか?
自分がのめり込んでいる趣味、
好きなアイドルグループ、
お気に入りのお店、
好きな仕事
自分が大好きなことを興奮しながら熱く語ったら、他人に家を壊しにいくぞと脅されたこと想像してみてください。悲しすぎないですか。
僕はこのnoteを3月から一貫して「すごい楽しいDeFiという新しい金融の世界、これを広く伝えたい」という思いでやっています。毎日更新をしていてもう100記事を超えました。
かけている時間は1日数時間、かれこれ200~300時間はかけています。今日なんて久しぶりに仕事が休みだったので1日3本書きました。なんで書くのかって楽しいからです。ぜひたくさんの人に知ってほしい、伝えたいことがあるからです。
もちろん、興味のない人に無理には勧めません。ブログは興味がなければ見なければいいので、すごく良いメディアだと思っています。
今回の攻撃は、その「興味のない人」がわざわざ寄ってきて叩いている、いや「誰かを叩きたい人」がわざわざ寄ってきて叩いているし、それを煽っている人もいいます。
イケハヤさんだけではありません。僕の大好きなインフルエンサーの方々もIRON関係ではたくさん被害にあっておられるようです。
とりあえずさきの「ぼのぼのですよ」さんのツイートは報告しておきました。これは脅威だと共感していただける方がいらっしゃったらぜひ報告をお願いします。
人を攻撃するのは、自分が傷ついているからです。誰もが幸せにすごせる世界がきますように。
それではまた、DeFi~(@T T)/~~~
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