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個人賠償責任特約(2023年9月基礎編 問13)
おはようございます。🐤
今日は個人賠償責任特約の一般的な商品性に関する問題です。範囲せまっ!
個人賠償責任保険
個人賠償責任保険とは、個人が日常生活で起こるいろいろな事故に対して保険をかけとこう、というイメージのものです。
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私自身は、自転車で事故をした時に使うことを検討して、保険屋さんに連絡をして支払う一歩前までいったことがあります、結局相手は請求をしなかったので保険を使うこともありませんでしたけど。でも、個人賠償ってほんとに役立つんだ、と思った経験でした。
最近では、自転車の運転について、これまでの道路交通法を厳格化する動きがあると思います。
自転車通勤の条件として個人賠償責任保険をはじめとする自転車を運転している時の事故に対応する保険の加入というのが義務になっている会社もあるのではないでしょうか。
参考:道路:自転車損害賠償責任保険等への加入促進について - 国土交通省 (mlit.go.jp)
個人賠償責任保険で自転車には乗れるのか?
ちょっと雑談です。現在は自転車での事故に備えたなんらかの保険に加入しないと自転車に乗ってはいけないって知っていましたか?
これは、法律ではなく都道府県の条例で決まっているものなので、住んでいる地域によって「義務」「努力義務」「何も決まっていない」の三種類が現在は混在しています。つい先日山口県でも義務化の条例が提案されました。
義務化されている都道府県では、「自転車損害賠償責任保険」に加入していないと自転車に乗ってはいけないとなっています。
「えっそんなの入っていない、どうしよう…」
大丈夫です。この義務化は、自転車での事故での他人の生命や身体の損害に備えることができていたらOKということなので、例えば火災保険の「個人賠償責任特約」などでも構わないということです。
自転車損害賠償保険等の加入
・義務化の対象となる自転車損害賠償保険等は、自転車事故により生じた他人の生命又は身体の損害を補償することができる保険又は共済をいいます。
これにはいろいろなルートがあって、もしかしたら年間数千円程度で知らないうちに複数入っているかもしれないので、無駄な特約は解約しておくのがおすすめです。
自動車保険の特約
火災保険の特約
傷害保険の特約
各種共済
クレジットカードの付帯保険
会社で入っている団体保険
自転車のことばかりあまり掘り下げるのもあれなのですが、ちなみに「自転車保険」という名目で損保各社が売り出している保険商品は、「相手」だけでなく「自分」や自分の自転車などにも損害があった場合に保険金が支払われたりするものですが、そこまでは条例の対象とはなっていません。
つまり、相手の身体や物などに損害を与えた場合に補償がされれば十分なので、個人賠償責任保険(特約)に加入していれば自転車に乗れる、ということでした。
個人賠償責任保険の補償範囲
個人賠償責任保険は、日常生活のうえで事故を起こし、他人に対して損害を与えて賠償責任が生じた場合に保険金が支払われます。ただし、以下の事故は補償対象外とされています。
相手が家族
故意(わざと)
国外の事故
業務中の事故
借り物や預かり物(人から借りたカメラを壊した場合など)
自動車(原付・バイク含む)事故など(自転車はOK)
また、被保険者の範囲は、事故発生時における本人と、その同居親族、別居の未婚の子が一般的には対象になります。
まるごとマモル
ちなみに私は日本生命の「まるごとマモル」に加入しています。
宣伝でもステマでもありません、なんだったら入るな! リンクも何も貼りません。私がそれなりに考えて一番お得だと思ったので紹介しようと思っただけです。
これは何が良いかというと、同居家族と別居の子どもに加えて、別居の親まで補償の対象になります。
免許を返納したら自動車保険にも入らない、賃貸なら火災保険にも入らない、など条件が重なって私の親の場合はなんと賠償責任保険に入っていなかったんですね。それに気づいたのは母が認知症になった時でした。母が何か外でやらかしたら…と思うと何かの保険に入らないといけない、でも母の名義で入るのはなにかとめんどくさい、更新も覚えているか不安…、ということで私がこれに入ることで解決しました。簡単で安心。
年間1990円なので他の特約などと比べても悪くないし、なにより簡単で安心です。
ノンフリート
ノンフリートなんとかってよく出題されますよね、しかし、そもそもフリートが何かわからないのにノンフリートが何か分かるわけなくないですか?
なので、今日はフリートから行ってみましょう。
フリート(Fleet)とは、「同一会社所有の全車両」の意味だそうです、まじか、こんなに短い単語なのに意味が狭い。もともとは艦隊とかいう意味があるそうですね。
英語「fleet」の意味・使い方・読み方 | Weblio英和辞書
結局、フリート契約とは10台以上の契約、ノンフリートとは1~9台の契約のことです。
フリート契約は、会社の不特定多数の人が運転することを想定しています。その一方でノンフリート契約は、個人が個人の車を運転することを想定しています。つまり、運転者は個人で、運転特性の影響をもろに受けます。
安全運転でこれまで事故を起こしたことのない人と、乱暴な運転でこれまでに何度も事故を起こしている人の保険料が同じだと、不公平感がありますよね。
保険会社にしてみても、安全運転で事故を起こさない人に保険に加入してほしくて、事故をよく起こす人にはあまり保険に入ってほしくありません。
それで考えられたしくみが、個人の事故履歴を考慮にいれる等級制度の導入です。個人契約にあてはめる等級だから、これをノンフリート等級と呼びます。
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ノンフリート等級は1~20等級、最初は6等級(もしくは7等級)からスタートして、1年間事故を起こさなければ翌年の契約では1段階等級が上がります。等級が高くなるほど保険料の割引率も高くなります。
一方、事故を起こすと次のように等級が下がることがあります。
3等級ダウン:事故による対人・対物事故(自動車保険の使用)
1等級ダウン:盗難や台風・洪水、窓ガラスの破損など(車両保険のみの使用)
ノーカウント事故:人身傷害保険、搭乗者傷害保険、弁護士費用特約、個人賠償責任特約などの使用
ノーカウント事故はなぜノーカウントなのか?
個人賠償責任特約はなんとなくわかりますよね、自動車とまったく無関係なので、運転特性とは関係ないので、これを使って自動車保険の保険料が上がるのでは、私ならそんな特約は付加せず、他の保険で入ります。
保険会社としても、できたらたくさん特約をてんこ盛りにしてほしいので、自動車保険の部分とは切り離した契約にした方が加入が見込めるのです。
では人身傷害保険、搭乗者傷害保険はなぜノーカウントなのか? 自動車事故ともろに直結する気がします。なぜノーカウントなのでしょうか。
それは、これらの保険が「障害保険」の性質をもっているからです。
例えば人身傷害保険の場合、そもそも自分の運転する車でなくても、他人の車に乗っていた場合や、歩いていて車との事故にあった場合など、自分の運転の特性に関係ないところも補償される、傷害保険としての性質をもっています。(自分の運転以外を対象外にすることもできます)
事故にあって自分がけがをしてしまうと、相手の過失割合分しか補償されません。その他は自分でなんとかしないといけないし、そもそも相手からの支払いが遅かったり、支払われない可能性だってあります。そんな事態に備えて自分のためにかけるのがこれらの保険の役割なので、他人をケガさせたり物を壊してしまうことに備える自動車保険とは少し性質が異なるのです。
過去の関連問題
個人賠償責任特約(2023年9月基礎編 問13)
一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級学科試験より
民法第709条に規定する不法行為による損害について、本特約では、被保険者の故意による損害は補償の対象とならない。
⭕:民法709条とか知らないし…とかタジタジになりそうですが、勇気をもってガっと問題を読んでみるとなんてことはありません。要するにわざと傷つけたりした損害は対象とならない、あたりまえですよね。ビッグモーターじゃあるまいし。
えっこれが正答? こんな簡単でいいの? FP1級なの?
何か間違いかもしれないから、一応次の選択肢もしっかり見ていきましょう。
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本特約における被保険者には、保険契約締結時における記名被保険者の配偶者や同居の親族等が含まれるが、保険契約締結後に婚姻により配偶者となった者や同居した親族は被保険者とならない。
❌:事故が起こった時の状況でOKです。そもそも加入時にも家族の状況知らせていません。
本特約では、別荘等の被保険者が一時的に居住の用に供する住宅の管理に起因して発生した偶然な事故は補償の対象とならない。
❌:別荘の管理に起因する事故も補償の対象になります。テキストには必ず書いてある文言ですが、そんなに世間の人って別荘を持っているものなのですか?
そもそも別荘の管理に起因して発生した偶然な事故ってイメージがまったくわかない…樹木が倒れて隣の塀を壊すとかかな?
逆にいうと、住宅以外の不動産は対象にならないということなので、別荘も住宅だからOKだということなのでしょうか。
ちなみに、賃貸住宅の管理に起因するものは対象になりません。賃貸は業務にあたるからです。
参考:「個人賠償責任特約」とは?/損保ジャパン (sompo-japan.jp)
本特約が付帯された自動車保険のノンフリート契約において、本特約の保険金が支払われた場合、「1等級ダウン事故」に該当し、契約更新後の等級は1等級下がる。
❌:自動車保険のノンフリート契約もよく出ますよね。テキストでも1ページをまるまる使うくらい重要な扱いになっています。本体の保険に関係しない一部の特約を使用した場合は等級ダウンにはなりません。
まとめ
個人賠償責任保険とは、日常の事故によって、誰かに損害を与えてしまった場合の賠償責任に備える保険
対象とならない場合
わざと
相手が家族
国外、業務中の事故
借りものを傷つけた
自動車事故
被保険者の範囲
自分+同居の親族
別居の未婚の子
ノンフリート等級は6等級からスタート、1~20等級まであります。
3等級ダウン:自動車保険を使う事故
1等級ダウン:盗難や台風・洪水、窓ガラスの破損など、車両保険のみの事故
ノーカウント事故:個人賠償責任特約、人身傷害保険などのみの使用
というわけで今日はこのへんで。個人賠償で5000文字近く書けるとは…自分でも驚きです、ヒマなのかな。
それではまた、FP~(@^^)/~~~