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BGMにウンパルンパ
2月。バレンタインのシーズンになり、各百貨店の催事が甘々のチョコチョコストロベリーチックになり、ときどきウンパルンパ(BGMで流れていた)だったので、つい浮かれてぐるっと一周してきました。そのなかで、今年出会えた「これうんめぇ!」な甘みを、いくつかご紹介したいと思います。
鈴懸 苺大福
バレンタインの話なのにいきなりチョコじゃなくてごめんなさい。こちらは福岡にある「鈴懸」というお店の苺大福です。大阪の阪神百貨店さんは毎年、バレンタインの期間にチョコよりもストロベリーをなぜか全面プッシュされ(べつにいいけどなんでなの?)、今年は「苺大福」が有名な鈴懸さんが出店されていました。私、こちらのお店のことは当日までなにも知らずに催事フロアに遊びにいきましたが、「なんだ? あの人だかりは……ちょ、何十人ここに並んで、なにかあるな!?」と、つられてつい購入してしまいました。結論、何十人も並ぶようなお店には高確率で当たりがある。
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ひと口食べると、あまおうの甘み。今年食べたなかで一番贅沢で甘いイチゴが、噛んだ瞬間じゅわっと広がります。こし餡の優しい甘みが後から追いかけてきて、驚くほど繊細で薄い求肥が舌の上で溶けていき──なんというか、もはや飲み物。人工的な甘さではなく、イチゴ本来の味を全面に出し、それを支える形でうす紫の餡と繊細な求肥が存在しています。非常にあっさりとして、甘みが苦手な方やご高齢の方にも向いていると思います。普段、大福をひとつ丸々食べるのに苦労する私でも、こちらのいちご大福ならいっきに2個はいけるなぁと思いました。人生で食べたなかで一番おいしいいちご大福でした。
……ところで、いちご大福を食べると「なぜかイチゴがしゅわしゅわしている」「炭酸に漬けてる?」という現象、ありますよね。あれは炭酸につけているわけではなく、いちご自らが時間経過とともに糖分を分解してしまい、炭酸ガスを作り出しているのだそうです。本来ならガスは抜けていくのですが、餡に包まれているため、炭酸漬けのようにしゅわしゅわするんだとか。私はあのしゅわしゅわ感も好きですし、「この炭酸の感じがいい!」という人もすくなからずお見かけしますが、やはり作り立てのいちご大福はしゅわしゅわしないんだな、というのを、鈴懸さんの大福を食べて実感しました。というのも、今回の阪神百貨店さんの催事は実演販売で、並びながら真横で職人さんが器用に求肥でいちごをくるむのを見て、出来たてを買える、という趣向だったからです。鈴懸さんの苺大福はしゅわしゅわしませんでした。とにかくおいしかったというほかないです。語彙力のなさが悲しい。
そんな鈴懸さんは残念なことに、関西には店舗がありません(阪神百貨店での出店は2月2日に終了。そんなにはやく帰らなくても……永遠に関西にいてくれ)。福岡と東京にはお店があるみたいです。関西ではその希少性からか、行列はおそろしいほどにのびてしまい……日によっては2時間以上の待ちが発生していたんだとか。甘みへの関西人のパッション! ハァ~、パッションパッション!
私が並んだときには40分から1時間弱程度で、さほど待ち時間は発生していませんでしたが、それでもUS〇のアトラクション軽め並びみたいなもので、そこそこの待ち時間ですね。東京・福岡にお住まいの方で、まだ鈴懸さんの苺大福を食されたことのない方には、ぜひおすすめしたいです。たぶん関西ほど並んでいないはずなので……そして阪神百貨店さん! 鈴懸さんを常設店として関西にお招きください。また食べたいよぉ。
サロンドロワイヤル 焼きショコラピーカン
バレンタインの催事に行って、お前はひとつもチョコを買わずに、苺大福だけで済ませてきたのかと問われれば、そんなわけもなく……。今年はお目当ての商品がいくつかありましたが、特に「買いだ!」と、ゲーム「崩スタ」のアベンチュリン氏のごとくマネーをちゃりんちゃりんしてきたのが、サロンドロワイヤルさんの「焼きショコラピーカン」です。
「焼きショコラピーカン」のホームページを探してみたのですが、見つかりませんでした。ひょっとして限定販売? 会場では、ほかの商品も選べる量り売りと、箱入り6粒1,801円の2種類が用意されており、私は量り売りをチョイスしました。
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目当てのチョコばかりを大量に欲していたので、同じ商品を後先考えずに詰めこんだところ、レジのお姉さんに「ちょ、蓋が閉まらなくて……」と苦労をかけることになり、己の浅はかさを思い知るなどしました。
美しい見た目の板チョコナッツや、各種トリュフ、定番商品のピーカンナッツなどが取りそろえられたバイキング形式の量り売りにおいて、狂ったように1種の商品を取りまくっていたところ、「うわぁ、どれにしようかなぁ」と純粋にバイキングを楽しむ愛らしい女児と遭遇、純粋な疑問の目を真横から向けられて非常にいたたまれなくなった。女児よ……君も大人になればこうなる。だから「どうしてあの人、あのチョコしかとらないの?」みたいな、つぶらな目でこっちを見るんじゃあない。お母さんの言に従って、自分のチョコ選びに集中していればいい。
いったい何粒取ったのかも数えておらず、なんの計算もしていなかったので、お会計で「高いな!?」とびっくりしましたが、家に帰って冷静に考えてみると、そんなこともありませんでした。箱入り6粒1,801円を、欲望のままに22粒もつめこんでしまっていたようだ……。お値段的には箱で買うより、実際ずっと安かったです。量り売りのほうがお得なのかもしれません。
こちらのチョコレート、大粒のピーカンナッツがごろっと入っていて、その下にはクッキーのような生地(ロイヤルティーヌ?)があり、見た目よりも軽い口あたりです。さくさくしてます。チョコが重すぎず、軽すぎず。絶妙なバランスで口中で溶けるので美味しいんです。気を抜くと食べ過ぎてしまいそうでこわくなりますが、気圧に対抗するようにカロリーを摂取していくことにしました。ヘルシー志向に真っ向勝負。
今年のバレンタイン催事も各社趣向をこらされ、非常に楽しむことができました。たださ……BGMにチャリチョコのウンパルンパ曲を流すのはやめてほしい。チョコを手に取るたびに、165人のディープ・ロイがちらついて集中できないんだ……。