店長のケーキ
深夜に控えるべきこと。飲食。宵越しの贅肉を蓄えるから。過去への回想。夜は物事を悲観的に考えてしまう時間だから。そして、写真フォルダの整理。
でも昨夜。やってしまった。先の3つをフルコンボした。(飲食についてはもはや日常とも言えるのだが)そして有り体に言えば、とあるスイーツを食べたくてたまらなくなったのだ。
福岡市の中心部から電車では5分。そこから歩くから全部で15分ほどの所にあるお店。個人経営の小さなイタリアンバル。コンセプトは「大人のサイゼリヤ」だと店長が言っていた。そんな店長が作るケーキのことを思い出していた。
🎂 🍝 🍛 🍰
ある平日のお昼時。「ごめんね~、近所の学生さんたちがランチ食べに来てくれたんだけど、あの子たちお昼休みが45分しかないから~💦」と怒涛のランチタイムを一人で捌いた店長。
顔が火照っているのはいつものことだけど、今日はいつもよりも火照っている。季節は秋。お昼のスープが温かくておいしいなんて思っていたのに、店長は今にもかき氷に食らいつきそうな勢いだ。10人分のランチをそんな短時間で捌いたらやっぱり暑いらしい。
「お待たせしちゃったからこれ、食べていいよ~!」それが店長のケーキとのファーストコンタクトであった。
カルボナーラでお腹いっぱいのひやむぎに差し出された20㎤の魔法。高級洋菓子店のように気取らず、かといって母ちゃんの手作り的な気の抜けた感じもない。控えめな甘さがランチのあとにはちょうどよい。
「ケーキはおまけだから、また今度来たら食べてね~」
「ここ来たらケーキよりもつまみが欲しくなるんよね~笑」
帰り際、お見送りをしてくれる店長とそんな話をした。あんなに最近のことだと思っていたのにもう半年も前の会話だ。近いうちにまた食べに行こう。