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3歩進んで2歩下がるどころかふりだしに戻る

次男は重度知的障害のある自閉症で、特別支援学校の高等部に籍を置いている。
敢えて籍を置いているといっているのは、現在学校に通えていないからだ。

医療保護入院から退院した後、なるべく刺激を避ける生活をしてきた。
何かに刺激されて興奮すると、自分の額を壁や床に打ち付けたり母親に頭突きしたり髪を引っ張ったりするからだ。
最終的には学校に通えるようにと、少しずつ「決まった日時に決まった場所に通う」練習をし、母子分離の練習も始めるつもりでいた。

現在、週3回放課後等デイサービスに通い、シール貼りや絵合わせカードなどをして、「母親の姿が見えなくても落ち着いて作業に集中する」ができるようになった。
5月の下旬には、1度だけだが、「作業中に母親が外出する」を試してみた。
その時は、はじめ母親の姿を探していたが5分もすると落ち着いて作業に集中できた。
母親の外出時間は20分。
私も、デイサービスのスタッフさんも、上手くいったと思った。

次のデイサービス利用日。
施設に着くと自分から車を降り、小走りで玄関に向かった。
靴を脱ぎ捨て中に入り、スタッフさんから靴を揃えるよう注意された。
次男は見る見るうちに機嫌が悪くなり、「ちゃおなな」と言って玄関を出ようとした。
「ちょっと待って。シール貼りしていこうよ」
スタッフさんに止められても、私に止められても、「イヤ。ちゃおなな」と聞かない。
無理強いはできないということで、帰ることになった。
それ以来、次の利用日もその次も利用日も、それからずっと、玄関までは行くものの、戸を開けて中に入ろうとしなくなった。
これからやる作業が楽しいことを知らせてもダメ。
おやつに誘ってもダメ。

どうやら、デイサービスに行くとお母さんが途中でいなくなると思ったらしい。
本来の利用の仕方としては正しいのだが、次男の中ではそれが許せないようだ。

次男が登校渋りをするようになったのも、そもそもは母子分離への恐怖心や母親依存が原因だ。
次男の学校復帰への道のりは、はてしなく遠い。
むしろ、ゴールからどんどん遠ざかっていっている。

週1回の、学校の担任教諭による訪問指導は続いている。
時々次男が眠ってしまって授業ができない日もあるけれど。

もしかしたら、このまま登校できないまま、学校から巣立つことになるかもしれないと思うと、何ともやりきれない気持ちになる。

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ひやみん
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