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ハードかペナルティーか ~成功率から考える技能判定~

 クトゥルフ神話TRPGにおいて、旧版と7版の技能判定での決定的な違いは、成功度とボーナス・ペナルティーダイスの概念でしょう。
 成功度とは、ダイスの結果として、レギュラー、ハードなど、成功は成功でもどの程度の成功度であるかという概念。
 ボーナス・ペナルティーダイスとは、ダイスロールの際に10の位のダイスを追加で振り、高い方もしくは低い方を参照する振り方の概念。

 KPとして難しい判定を要求する際、”ハードの成功度を要求する” or ”ペナルティーダイスを追加する” という選択肢がありますが、どちらにするか非常に迷います。TRPGの場合、想定していない判定や、探索者がもたらしたことによる状況の変化などにより、その場ですぐ判断しなければならない場合も少なくありません。
 概念的には、ハード要求は判定対象に難しい理由がある時に要求するもの(例:錆びついた錠前への鍵開け など)。ペナルティー要求は探索者あるいは外的要因による障害がある時に要求するもの(例:酔った状態での手さばき など)と個人的には判別をしています。
 それに当てはめることができればいいのですが、当てはめられない状況や、KPとして成功してほしいor成功してほしくない、といった状況もあるかと思います。
 今回は、ハードとペナルティー、どちらを選ぶかを成功率の観点から見ていこうと思います。

成功率一覧

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H=ハード、E=イクストリーム、P=ペナルティー

Excelで左の技能値の場合、難しい判定になると成功率がどのように変化するのかを計算しました。

成功率グラフ

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グラフにしてみるとこうです。

結果

 今回、特に注目したいのは灰色の曲線と青の直線です。交わるところを見てみると、ちょうど技能値が50の地点で交わっています。
 その前後を見ると、技能値が高い方ではペナルティーダイスの方が成功しやすく、技能値が低い方ではハードの方が成功しやすいことが分かります。
 よって、技能値 and 成功してほしいか によって、どちらを要求した方がいいのか変わる、境界は技能値50にあるということが明らかになりました。

追加で考察

 ペナルティー状況でさらに難しい判定を振る場合、ハードペナルティーかペナルティー2つ、どちらがいいかも確認してみましょう。
 交わった場所を確認すると技能値25付近。なるほど、技能値がおよそ25以上の場合はペナルティー2つ、未満の場合はハードペナルティーがよさそうですね。ですが、技能値25未満のハードペナルティーの成功率は1.6%未満……基本的にペナルティー2つと覚えていても良さそうですね。

銃火器を撃つ場合の考察

 7版の銃火器をフルオートでぶっぱする場合、ボレーの概念が登場しました。ボレーごとに次々難しくなっていくという仕様です。どこまでなら撃ってもいいのか、確認できそうですね。

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 グラフを確認したところ、PPまでは技能値が高ければ一定の成功率がありますが、HPPからは見てられませんね。90%以上の技能値でも成功率10%ある程度です。ある程度銃火器技能が高くても、ペナルティーダイス2つまでで止めておいた方が良さそうですね。

まとめ

 結果の場所でも述べましたが、ハードかペナルティーかは技能値50を境界として、状況に応じて判断するのがよいと思います。
 さらに、それ以上過酷な判定はPLには要求しない方がよさそうだとも思います。精々ペナルティー2つまで。ハードペナルティーは、ファンブル率も跳ね上がることを考えると良くなさそうです。
 皆様、よきTRPGライフを!

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