【デュエプレ】ガイギンガカップAD最終3位(1701) シータメンチ解説
要旨
メンチを完成させるためには、四つ牙が盤面にいる状態で、ホワグリ+リュウセイホールを打つという動きが一般的であった。しかし、22弾でサイクリカが登場したことによって、盤面0、手札1枚からメンチを完成させることが可能となった。
このデッキは青単、シータ刃鬼には有利だが、モルト、墓地ソ、アガサ天門には不利である。青単対面では紅蓮の怒、シータ刃鬼対面では勝リュウを活用すると良い。
1.はじめに
初めまして。冷奴と申します。
ガイギンガカップADで最終3位、レート1701を達成することができたシータメンチについて、動き、対面の相性、立ち回りなどを解説していこうと思います。自身の記念に書いている記事なので大量に略称を使っています。ご了承ください。
2.ガイギンガカップAD環境について
筆者はそこまでADに詳しくなかったため、最近のADは青単とMRCの2強であるという偏見があった。しかし実際は青単、MRCに加えて、シータ刃鬼、モルト(特にシータ)、ライゾウ、白単、アガサ天門、オラクル、墓地ソ、速攻系etc…などさまざまなデッキが見られた。結局筆者はシーズン終わりまで何が流行っているのかよくわからなかった。
環境にさまざまなデッキが存在する中で、筆者は特に青単はデッキパワーが高く、対策なしで太刀打ちできる相手ではないと感じていた。今回使用したシータメンチは、声援やグリーンレッドといった、青単に有効なカードを自然に採用できる点が環境と噛み合っていたと感じている。
3.構築
3.1.デッキのコンセプト
このデッキは主に、①9マナでのメンチ覚醒(9マナルート)、②ババンからのメンチ覚醒(ババンルート)のいずれかを目指すコンボデッキである。
①9マナルート
これは盤面に四つ牙がいる状態で9マナまで伸ばし、グリーンレッド+リュウセイホールでメンチを覚醒させる、一般的なルートである。このルートは、ライフ→シャワー→リュウセイホール四つ牙ブーストと動くことで、最速5ターン目に9マナに到達しメンチ覚醒を狙えるという特徴がある。
②ババンルート
このルートは、ババンで16マナためた後、グリーンレッド(4)+サイクリカ(7)+リュウセイホール(5)=16コストを使用し、メンチを覚醒させる新しいルートである。このルートは、盤面0、手札はグリーンレッド1枚からメンチ覚醒につなげられるという特徴がある。
これら2つのルートを使うにはどちらも9マナ必要なので、四つ牙を展開しつつ9マナを目指すことがこのデッキの基本的な動きになる。
3.2.採用カード
・ジャスミン4、ライフ4
ゼニスが入っていないので、呪文メタに引っかからないジャスミンを採用した。
・声援3
初動はジャスミンライフまでは確定で、動きを安定させるためにあと2〜4枚は採用したい。今回は青単に対抗するためと、トリガー付きのブーストがありがたいため声援を3枚採用した。
・吸い込む4、スクラッパー3
声援以外の除去トリガーは7枚しか入れていない。理由は①ビートデッキの多くが青を採用しており、声援も有効トリガーになる点、②自分の動きを通すことのほうが重要であると感じたためである。スクラッパーを採用しているのは、焼ける範囲が広く、他のトリガーよりも比較的手打ちが強いためである。
・シャワー4
最速でメンチ覚醒を狙う際にあった方が良いので4枚採用。このデッキは手札を増やすプレイングをあまりしないので、手札を減らさずマナ加速できるカードは重宝する。
・グリーンレッド3
メンチ覚醒のキーカードであり、1回打てればいいという気持ちで3枚採用にした。小物に対してはブーストグレンオーも出すことができ、案外小回りが効く。これ1枚からメンチ覚醒に繋がるので、1度引いたら出来るだけキープしたいカードである。
・高飛車プリン1
このデッキはモルトがきつすぎるため、対モルトの秘密兵器を1枚採用した。1枚しか入っていないのでそもそも引けないという問題があったが、出れば少なくとも1ターンは稼いでくれたので一定の効果はあると考えている。地味に青単にも刺さっており、マーキュリーが着地した後でも活路を見出すことができた。
・フェアリーホール2、リュウセイホール4
5コスホールは道中で1枚墓地に落としておきたいので、6枚採用した。リュウセイホールはもちろん最強だが、フェアリーホールはオリオティスの影響を受けずに四つ牙を展開できる点が優れている。
・サイクリカ3
リュウセイホールサイクリカリュウセイホールという最強ムーブがあるので4枚採用したいカード。しかし、そもそも5コスホールが打てなければ機能しないないという問題があり、3枚採用とした。マナに置いてもババンルートで使えるので、ババンルートを目指すなら埋めてしまってもいい。
・永遠2
永遠はSA付与、タップイン、マッドネスというメリットがある。特にタップインはMRC、ビート、ライゾウに刺さり手打ちでも強力である。また、永遠がいない場合、メンチに覚醒したとしてもメンチとオレドラゴンしか攻撃できずフィニッシュ力に欠けるため2枚採用とした。
・ダイハード1
ダイハードは盾焼却、敗北回避というメリットがある。しかしこのデッキにおいては、敗北回避能力で1ターンもらったとしても、刃鬼のように逆転できるわけではないため手打ちが弱い。また、メンチは刃鬼と違い墓地からクリーチャーを出せないので、ダイハードで耐えるという動きはメンチと相性が悪い。よって、メンチから出せればラッキーという気持ちで1枚採用とした。
・ババン2
ババンルートでは必須だが、マナからも召喚できるので2枚採用にした。マナに埋めがちなカードではあるが、ビマナ対面では勝リュウによってマナ爆誕を防がれることがあるので、可能であれば手札に持っておきたい。
・メンチ、オレドラゴンセット
いつものフィニッシャー。オレドラゴンは表面がそれぞれ強力なのが魅力的である。
・バゴーン
置きドロソとして強力ではあるが、このデッキにおいてはバゴーンよりも四つ牙が優先される場合が多いためあまり出すことはない。
・ブーストグレンオー
グリーンレッドのアンタップキラーを発動させることができるため、青単やオラクルなどの小物を展開してくるデッキに対して強く出られる。特に紅蓮の怒と組み合わせることで、二面処理しつつ四つ牙やプリンを展開することができ、非常に強力である。
3.3.不採用カード
・お清め
MRCと墓地ソへのメタとして有効だが、MRCよりも青単が多い、MRCはメお清めがなくてもある程度は戦える、墓地ソが環境に少ないなどの理由により不採用にした。
・湯あたり
青単や速攻系にかなり刺さるカードだが、トリガーが付いていないという点から声援やスクラッパーなどの方が良いと考え不採用にした。
・ザコダケイッソー、ラブスナイパー
ザコダケイッソーは、手打ちがしやすいというメリットがあるが、焼ける範囲が狭いというデメリットがある。ラブスナイパーは、モルトを焼ける、呪文メタが効かないというメリットがあるが、単体除去であり手打ちが弱いというデメリットがある。これらはトリガー枠としてスクラッパーとの選択だが、今回は焼ける範囲の広さと、手打ちの強さを重視してスクラッパーを採用した。
・メタモルフィース
モルトの対策として、ガイギンガに破壊してもらい、ババンやサイクリカを踏み倒すという試みがあったが、7コスなのが意外と重く不採用とした。また、ジャスミンをピクシーライフに変えなければならず、白単に何もできなくなるというデメリットもあった。
・ルナスターベース
メタモルフィースと同じくモルト対策として、シンカイマンモーのように強いのではないかと考えたが、モルト以外に役割がなく、同じ5コス帯で高飛車プリンが発見されたため不採用とした。
・鬼丸覇
エクストラターンを取れれば最強だが、このデッキはほかのビマナに比べて平均コストが低く、ガチンコジャッジに自信がなかったため不採用にした。
4.各対面の相性(体感)
ここでは、筆者がランクマで当たった主な対面の相性を体感で述べる。
4.1.青単:6割
声援やグリーンレッドなどの小型除去を多く採用しているため有利だと考える。マーキュリーが立つと基本何もできないが、呪文トリガーが18枚入っているので盾次第ではメテオバーンを枯らすことができる。
4.2.MRC:6割
ハンデスや除去が飛んできて厄介な相手である。しかし、意外と相手が除去を抱えておらず、四つ牙が通ってそのまま勝ってしまうというパターンが多い。また永遠がいればMRCが走れないので、四つ牙に除去を切らせて永遠を生存させるなど、工夫次第で戦える相手だと考える。
4.3.シータ刃鬼:6割
こちらの方がキルターンが早いため有利である。また、刃鬼はマナにハンターを揃えなければならないのに対し、メンチは基本超次元から呼び出すので、こちらの方が準備は簡単である。しかし、ギフトが絡むと突然の死を迎える可能性があるため注意しなければならない。
4.4.モルト:3割
ガイギンガで四つ牙を除去しながら盾を詰めてくるのでかなり厳しい。永遠で蓋ができればいいが、大抵間に合わない。ガイギンガは除去できないのでモルトが出てしまったらトリガーを祈るしかない。
4.5.ライゾウ:6割
キルターンは同じくらいだが、安定性や、勝リュウ・永遠リュウで遅延できるという点から若干こちらが有利だと考える。ロマネスクの殿堂がかなりありがたい。
4.6.白単:5割
相手がシュライバーを持っているかどうかで勝率はかなり変わる。エバーラストに龍解されないように盤面を取り続ける必要がある。
4.7.アガサ天門:4割
除去が入っていないので、メンチに覚醒させること自体は容易である。しかしアガサが着地すると、メンチに覚醒しても勝プリやダイイングで盤面ロックされてそのまま負けてしまう。
4.8.オラクル:6割
相手の降臨持ちに除去が間に合うかどうかの勝負になる。後攻でもミルクには声援、カリーナにはグリーンレッドやドン吸いがあるので、初動がスムーズであれば有利に立ち回れる。
4.9.墓地ソ:3割
モルト同様、キューブリックで四つ牙を除去しながら盾を詰められると厳しい。GT着地で詰んでしまうのでこちらはかなり急がなければならない上に、メンチが覚醒してもクロックのケアができないため最後まで祈ることになる。
4.10.速攻系:6割
高飛車プリン、リュウセイホール、スクラッパーが間に合えば耐え切れる。最終的には永遠で蓋することが望ましい。
5.特筆すべき立ち回り
ここでは通常とは異なる立ち回りについて、対面ごとに説明する。
5.1.青単
青単相手にはメンチ覚醒は狙わず、ひたすら盤面を捌くことを考える。特にアクアティーチャーは放置すると大量展開されてしまうので、早急に除去しなければならない。オラクル、白単、速攻も同様に盤面処理を優先することが多い。
特に意識すべきプレイングは、リュウセイホールで紅蓮の怒を出すことである。これにより、ジャバジャックで刻むプレイを抑制することができ、加えてその後の勝ガやグリーンレッドで盤面をとりつつ四つ牙やプリンを展開することができる。青単は基本的にトリガーが入っていないので、この動きによってジャスキル打点を生成すれば勝利となる。
しかし、常に紅蓮の怒を出すことが正解という訳ではない。前提としてこちらはマーキュリーが出るとほぼ負けなので、次のターン相手がマーキュリーを出すための条件を考慮したうえで、紅蓮の怒を出すかどうかを判断する必要がある。
5.2.MRC
MRC等のハンデス入り相手に意識することは、①ババンを埋める、②永遠を埋めないことである。ハンデスによって永遠が早期に着地した場合、ジャスミンなどを絡めて攻め切ってしまうことも考える必要がある。
MRC対面は、大抵MRCを出す条件よりもメンチに覚醒する条件の方が早く達成される。そのためこちらが四つ牙を出す限り、相手は除去するか、割り切って墓地を肥やすかの選択を迫られる。MRC側は手札管理が難しいため、四つ牙に除去を切るならば、その後の永遠が生存する可能性が高まり、さらなる遅延が期待できる。
MRCは特に盾が厚いデッキなので、殴り順を間違えると耐えられてカウンターされてしまう。特に、メンチとオレドラゴンはヤミノオーダーに破壊されないので残しておきたい。これにより相手の有効トリガーがデスゲートのみとなりリスクを抑えられる。
また、サイクリカで呪文を回収することによって相手の計算を狂わせるという小技も存在する。
5.3.シータ刃鬼
シータ刃鬼相手は、基本的には四つ牙を押し付けていくのだが、勝リュウを活用するプレイングも存在する。
下の写真は実際の試合の事例である。こちらが先攻で、お互いライフ→シャワーと動いた。先攻4ターン目、自分の手札には、スクラッパー、リュウセイホール、吸い込むがある。また、こちらのマナにはババンが埋まっている。このときリュウセイホールで何をするかだが、筆者はここで勝リュウブーストを推奨する。ここで四つ牙ブーストをすれば、次のターンにババンが出せる、もしくはトップグリーンレッドでメンチ覚醒ができる。これらのメリットがある中で四つ牙ではなく勝リュウを出すのは、①勝リュウに除去を切ると損する、②勝リュウの召喚酔いを解消する、③ババンまでの時間稼ぎをするという理由がある。①の理由から勝リュウが生存する場合が多く、②と③が成立する可能性が高まる。
①勝リュウに除去を切ると損する
次のターン相手は5マナしか使用できないので、勝リュウを除去するには吸い込むを打ってターンを返すしかない。これが四つ牙の場合、吸い込む+ライフまで打たれてしまうので1マナ稼がれることになる。
②勝リュウの召喚酔いを解消する
メンチが覚醒したとき、オレドラゴンで攻めていくが、トリガーでオレドラゴンがリンク解除した際、勝リュウが前のターンから存在していれば召喚酔いせず攻撃することができ、相手のトリガー要求を1枚増やすことができる。
③ババンまでの時間稼ぎ
シータ刃鬼相手は、極論ババンを出すまでに11マナためられなければ勝てる。そのためババン着地までの時間を稼ぐことが大事であり、四つ牙を急いで出す必要がない。
写真の事例では、トップから引いたライフと吸い込むを使い、9マナに到達しつつグリーンレッドを回収できた。この時点で次回ババン→次々回メンチが確定した。このように四つ牙だけではなくほかのサイキックを活用することも考える必要がある。
また、シータ刃鬼に限らずビマナ対面では、VANベートーベンをケアすることが重要である。ババンを使って20マナまで伸ばすことで、吸い込む+グリーンレッドサイクリカリュウセイホールが可能となるため、できれば20マナを目指したい。
6.おわりに
ここまで読んでいただきありがとうございました。ゴールは単純なデッキですが、そこにたどり着くまでの過程に分岐があり、面白いデッキになったと思います。
私はNDで初めて1700を達成したときもトリーヴァメンチを使っていたので、メンチには思い入れがありました。今回、また新しい形のメンチで結果を残すことができて非常にうれしいです。これからもバンカラ大親分メンチ斬ルゾウをよろしくお願いします。