勘違い

先週はM-1グランプリの敗者復活戦に行ってきた。
敗者復活戦の詳細に「当日はしっかりと防寒対策をお願いします!」と赤字で大きく書かれていたので、大鶴肥満も抽選会のときは普段から愛用している"夏でも着れる半袖のアウター"で対策をとっていた。抽選会では日差しが直接当たって、かなり暑そうにしていてかわいそうだった。
待機テントの中にはヒーターが各所に設置されていたが、大鶴肥満は「なにこの熱いの!あっち向けよ!」とヒーターの向きを変えていた。

大鶴肥満は8/1の1回戦にも同じ格好で来ている。

抽選会では2番を引いた。2020、2021年と連続で5番目のコンビが復活しているので5番を引きたかったが、オズワルドさんが5番を引いた。

大鶴肥満はオズワルドの伊藤さんに「明日カツ丼食べてから行かない?11時半に新宿集合は?」と誘われていたらしく、もしその誘いに乗ってカツ丼を食べに行っていたら12時入りの出番順抽選会に参加できず、僕たちは失格になっていた。

罠に気づいた大鶴肥満は当日無事に入り時間にやってきて、「もしカツ丼屋に行ってたら、きっとニセモノのちょび髭が出てきて『本物は六本木にいるんだってさぁ〜!!』って言われてたよ(キリッ)」と言っていた。

本番が始まるまでは作家のかじもんとストレッチーズかんちゃんと六本木を散歩した。六本木ヒルズの近くには色とりどりの滑り台が8つほど繋がっているキレイな公園があり、たくさんの親子で賑わっていた。
かんちゃんが「ここは最低な公園」と言ったので、「なんで?」と聞くと、
「長年工事現場の警備のバイトをしていたからね、こんなに親子で賑わっている素敵な公園では弁当を食いにくいのさ、公園はもっとゴミだらけでガラガラでないと」と言っていた。
僕は「たしかに」と返しながら心の中で、「今から俺たちのどちらかは敗者復活を果たし、M-1グランプリの決勝戦に進出する。六本木ヒルズのこのキレイな公園にお世話になる日もそう遠くはないさ」と思っていた。

そのあと会場に戻り、敗者復活戦が始まった。
僕たちは2番目にネタをして国民採点で81点をとって最下位になっていた。
「大鶴肥満はでかくてピンクやし、みんなマクドナルド好きやし敗者復活あるかも?!」と思っていたので椅子から転げ落ちそうになるくらい驚いた。
しかしそのあと「ごめんな、聞かなあかんことになってんねん、最下位のママタルト〜」と陣内さんが振ってくださったので、かなり優しさあふれるコメントを返させてもらってウケることに成功。
そのあと「おい!陣内さんに気を遣わせて!謝らなあかんのとちゃうか!」と強引なパスを大鶴肥満に通して、まーちゃんごめんねのアシストもできて良かった。

中継が終わったあと周りの芸人から「あれはよかった」と褒めてもらえて、最下位になっても、そこからまだ取り返しにいけるなんてお笑いはほんま最高やなと思った。

これがフィギュアスケートの大会で最下位の選手が同じことを言ったらやばい空気になっている。世の中のほとんどの大会は最下位になると粛々とそれを受け止めるしかなく、ふざけると反感を買うようになっている。

僕はフィギュアスケートをやっていても、「3回転ジャンプを失敗して2回転になってしまった分の2回転は、誰かのジャンプに足してくれたらいいですよ〜」と言ってえらいことになっていたので、本当にお笑いを選んでよかったと思う。

決勝が始まって敗者復活組がひかれ、国民投票の結果が発表された。てっきり最下位と思っていたら、最初にストレッチーズが呼ばれて、その次にママタルトが呼ばれた。まさか仲良く下からワンツーフィニッシュができるとは思っていなかったのでそのあと4人で写真を撮った。

ウエストランドさんの優勝は敗者復活終わりの楽屋で集まって見届けた。
ウエストランドさんがリーダーとなってママタルト、ストレッチーズ、さすらいラビー、ひつじねいりを入れた5組でやっている新ネタ2本のユニットライブ「漫才工房」でやっていたネタで、初めて袖で見たとき「お、これは」と思ったので優勝して嬉しかった。僕たちはこれまで散々尊敬する先輩としてウエストランドさんの名前をあげわすれていたのに、ウエストランドさんは月曜TheNightで来年M-1で上位に来そうなコンビとして僕たち4組を紹介してくれていた。本当に今まで申し訳ないことをしていた。

今まで全部のインタビューでウエストランドさんの名前をあげ忘れていたので、こんなに心の痛むスクショは初めてだった。

家に帰るとZAZYが「お、最下位にもなられへんかった雑魚のお帰りやないか」と言ってきて、「なんやと!昨日まで優しかったのに」と返すと、「ウエストランドさんが優勝、これからは毒舌の時代やから。」と言っていた。
ウエストランドさんは別に"喧嘩の最初"を披露してM-1チャンピオンになったわけではないので、ZAZYは勘違いをしている。

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