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秋草2024年9月号を読む

秋草2024年9月号を読んでいきます。

印象に残った15句選

片蔭の中へと影を入れてやる 山口昭男
飴を噛む罪悪感に似て夕焼 加藤綾那
描いて欲しさうな夏蝶ではないか 高橋真美
抱きしめて浮輪の空気抜いてをり 小鳥遊五月
六月や玩具のラッパほどの快 三輪小春
ハイヒール脱いで跣足になるまでの 舘野まひろ
扇風機提げて電話へ向かひをり 橋本小たか
尺蠖の己が長さを知つてゐる 村上瑠璃甫
竹植ゑて電極にある陰と陽 山口遼也
その風の高さにプール監視員 野名紅里
ぐちぐちと濡れたる靴や毛虫焼く 田邉大学
山伏に声かけらるる金魚かな 土井一子
仙人掌の咲いて分母を均しけり 常原拓
石段の石の凸凹夕立晴 竹中佑斗
貝柱きれいに取れて桐の花 東野礼豊

印象に残った特集

第五回秋草春秋祭記

春秋祭は、二日間かけて行われれる俳句の鍛錬合宿のようなものらしい。春チーム、秋チーム、主宰チーム(主宰のみ)にわかれて、朝から晩までずっと合計10の句会をして、その合計点を競うという、凄まじい企画。
たとえば、1日目は、当日各人が選んだ席題をくじ引きにて、選んだ4つの席題について、4句出しで合計16句投句する。(時間は2時間)
普段の句会は、席題5句を30分で作って、投句をするので、それのロングバージョンという感じかもしれない。投句も大変だけど、おそらく選句も大変だろうなと思った。(汗)
個人的に、「席題」の句会は、その場で考えて投句をする分、措辞に良い意味でのゆるみがでて、面白い句ができることが多いので嫌いではないのですが、脳にどのくらい栄養を届けられるのか、そういうペース配分のようなものを気にしてしまいます。あとはちょっとした気分転換なんかも肝になりそうだなと読んでいて感じていました。でも、これを一通り終えたら達成感はすごそう。

この企画に似た鍛錬句会が、9月に行われる予定で私も参加を表明していたのですが、残念ながら、台風の接近に伴い中止に。また機会があると思うので、そのときは参加したいなと思いました。

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