見出し画像

「句具ネプリ 夏至 Vol.15 2024」を読む

俳句のためのブランド「句具」さんが発行する年四回のネプリ(ネットプリント)を印刷してきました。
ここ数年急速に広がり始めているネプリによる作品発表。日本国内には限られてしまうものの、自分の地域ではない、遠くにいる人にも、見ていただけるとあって、今の時代にあった出版スタイルだなあと思いました。
今回の句具ネプリでは、218人が参加、計218句掲載されていました。その中で、私が感銘を受けた句を紹介したいと思います。

初夏やエルフのやうに耳をだし / 鈴木トモオ
夏雲に屍の指の骨を掛け / 湯屋
喜んで何度でも死ぬ水鉄砲 / 生野薫
夏雲や人の墓みな直立す / きつネつき
どこまでもさるすべり立つ白昼夢 / 五月ふみ
紫陽花へ細雨少女へ象徴詩 / 加良太知
夏服や肩の触れ合ふ距離にゐて / 六文風鈴
さよならは出会えた証月の虹 / 水蜜桃
サングラス夫より借りてよく似合ふ / 千野千佳
かたつむりほどのかたさのこゝろかな / 月岡方円
次の世は土に還らむ水中花 / 由づる
星涼し二時のポストを開けにゆく / 留辺蘂子
国境の決め方牛の冷し方 / 桜井教人
アボカドの種に止まる刃沖縄忌 / 平良嘉列乙
夕焼のだんだんこはれゆく匂い / 颯萬
なつのぼうしがならべてきれい / のぐちごう

句具ネプリ Vol.15 2024より

今回の句具ネプリを通して、どういう句が多く読まれているのか少し気になってきました。次回ブログでは、今回の句具ネプリの句群にみられた傾向をちょっと分析してみようかなと思います。

まいにちの速さを焚べて夜の涼し / 南方日午

句具ネプリ Vol.15 2024より

いいなと思ったら応援しよう!