句集「礫」は、私が所属している俳句結社「秋草」山口昭男主宰の第四句集です。2017年から2023年の句、338句が収められています。
印象に残った20句選
「秋草」は取り合わせの飛ばし方がすごいと言われることが多いのですが、個人的には、取り合わせよりも、そのものを見たときの印象の句に、より心を惹かれました。
これらの句は、季語そのものというよりは、季語から想起されるイメージが強くあるなと。単純な写生を越えた、複眼的な写生のようなもの。
あとは、ちょこちょことでてくる恋の句。
ふらんす堂で昨年連載されていた「山口昭男の俳句日記」では、恋の句の連作を読みたいといったことをおっしゃられていて、これらもその一端なのかなと思って読んでいました。
ふらんす堂のホームページにある自選十五句を改めてみると、主宰がどのような視点でもって、この句集を編んだのかがわかり興味深いです。
ここ最近の句会では、主宰の句が、句集にある句からさらに発展しているようにも感じていて、次の句集がどのような展開になっているのか、個人的に楽しみにしています。