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袋回しナイトに行ってきた
去る5月某日、荻窪にある「屋根裏バル 鱗 kokera」さんにて、開催された袋回しナイトに参加してきました。
「屋根裏バル 鱗 kokera」さんは、「俳句を中心に短歌・詩・本・映画・絵画・音楽など気楽に文化交流できるバル」ということで、ほぼ毎日なにかしらの短詩のイベントがある居酒屋(でいいのかな?)となっています。貸し切りでなければ、ふらっと立ち寄ってご飯を食べたり、お茶を飲んだりすることもできます。店内には俳句や短歌の本が併設されていて、読むことも可能です。
今回、袋回しナイトさんに参加したのは、今年にはいって、自分の句にマンネリさを感じてきたこと。普段とは違う人達と句座をともにすることで、脳をリフレッシュできたらと思い、直前になって「まだ席、大丈夫ですか~?」と連絡して、参加させて頂きました。(店主の茶鳥さん、主催の久實さん、荒川力也さん、ありがとうございます。)
袋回しについて
題詠の一種で、一つの題で一句ずつ即吟を行い、題を書いた封筒などの袋を順にまわして句を書いた短冊を入れて行き、最後に清記して一般の句会のように選句をする。
熟考出来ない分、肩肘張らずに気楽に、といいつつも、一種切羽詰まった状況の中での句会となります。ただ、そうした状況だからこそ思いもよらない面白い句が出来ることがある。これが「袋回し」の醍醐味ともいえます。
今回の袋回しナイトでは、12名が参加。上記のような袋回しを2回実施しました。
袋回しの結果
今回の袋回し、自分は計60句投句していました。我ながら本当に多くの句を投句したなと思いました(笑)今回の投句を通して、投句内容にある傾向があることに気が付きました。
季語の位置
![](https://assets.st-note.com/img/1719475940480-NCjjbN2i4i.png?width=1200)
句具ネプリvol.15「夏至」の句群のデータと比較してみると、
![](https://assets.st-note.com/img/1719540028030-Am2b55OYXM.png?width=1200)
上五と下五の割合がほぼ逆転しています。
上五のあり方
![](https://assets.st-note.com/img/1719561866251-hYRj4E9tg7.png?width=1200)
上五4音+助詞が最も多い結果に。名詞以外で始まっている句は、1割程度でした。
切れ字の使い方
![](https://assets.st-note.com/img/1719475935302-4wOV67JYQz.png?width=1200)
こちらも句具ネプリvol.15のデータと比較してみると、
![](https://assets.st-note.com/img/1719540237591-fhObUtAXB4.png?width=1200)
今回の袋回しでは、切れ字の使用率が比較的高いという結果に。や・かな・けりの割合だけで考えると、ネプリの句群と比較的近い結果になりました。
季語の重複
20句 / 60句中 比率 約33%
内訳:
4句にあった季語 1 (計4句)
3句にあった季語 4 (計12句)
2句にあった季語 2 ·(計4句)
限られた時間だと、同じ季語を使いがちになるなと感じました。3分の1の句に重複が見られました。
袋回しの句群から見えてきた傾向と今後への対策
今回の袋回しは、事前用意を特にしていなくて、当日に思い立って参加したこともあり、その分、自分の句の発想の傾向がよくわかったと思いました。
袋回しの場合、自分は対象そのものから景をふくらませることが多いので、上五はやはり名詞で始まる事が多いなと感じました。
時間のない中で句をつくるので、どうしても同じ季語を使いがちになることも課題かなと。5音の季語だとこれ、4音の季語だとこれ、のような感じになりがちなので、このあたりも季語のバラエティを増やせるとまた、句群として豊かなものになるなと感じました。
句具ネプリの句群と比較して、下五の比率が高いのは、おそらくとりあえず十二音の中身をつくってきて、あと5音の季語をくっつける、という思考プロセスが、その比率にさせているのではないかなと思いました。
切れ字については、ネプリの句群よりも使用頻度が高くなりました。以前、現代俳句協会が主催する俳句OJTという講座を受講していたことがあり、その時に藤田湘子が提唱する「俳句の型」を叩き込まれました。(汗)そんなこともあり、切れ字を使うことに余り抵抗がなく、その影響がもしかしたらありそうです。ただ、今回の袋回しでは、「けり」の切れ字は0句となりました。
これらの結果から、次に袋回しに参加するときは、なにかテーマをもって、参加するのもよいのかもと感じました。今日は「けり」の句をつくるとか、季語の種類を増やすとか。
今回の袋回し、夏ではない季語の句もあったし、自由律の句もありました。 なんなら季重なりでも二重切れでもよいわけで、自分がいかに普段から制限に縛られているかということがよく分かりました。こういうときだからこそ、制限の箍を外して、自由に発想できるようになりたいなあと感じました。
また、今回は走り書きすぎたために、自分で書いた句が読めないという事態に…句座をともにする人がいる以上、少なくとも自分が読めるくらいの文字で書いて投句しようと思いました(汗)
今回の参加で、自分の苦手なところが見えてきたので、定期的に参加することで、どのように投句内容が変わっていくのか、ということも今後分析していけたらと思います。
#屋根裏バル鱗kokera
#袋回しナイト