小泉和貴子句集「あやとり」を読む 7 南方日午/みなかたひうま 2024年10月2日 18:00 小泉和貴子(こいずみ・わきこ)さんは、1990年に「青」に入会、1991年「青」終刊の後、ブランクを経て、2020年「秋草」に入会、現在に至っています。序文と帯は山口明男主宰によって書かれています。この句集には、パートナーの鍬田和見さんによる挿絵が多く差し込まれていて、普段の句集とは違う、ハートウォーミングな一冊となっています。心に残った20句選つつかけで出て台風の来る準備これがまた明日の朝には煮凝りてどこを見るでもなき人の嚔かな男物上着はおりて夜の長き葱坊主堂々空へ立つてゐる背表紙の色とりどりに五月雨来年もこの独楽打つと言うて去り八重桜空で毬つきできさうな欲も無く争ひもなく心太星月夜ト音記号を先づ書き草の花震へる文字で来る葉書芍薬に顔半分を埋めをり秋の蜂首すつぽりと蕊の中短日や猫はいつもの塀を行く縄跳のもはや縄とはいへぬ音天牛のややさびついてゐるやうなどの角を曲がれどそこの虫時雨いちはつを子規の目で見る日の来たる一口のゼリーほのほの溶けてゆく出会ひより五十年レモンソーダ水小泉和貴子「あやとり」この度は、沢山の思いのつまった句集を、まだ結社に入会してから、日の浅い私にもご恵贈いただきまして、本当にありがとうございます。 あやとり - 青磁社 seijisya seijisya.com ダウンロード copy いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #俳句 #句集 #秋草 #小泉和貴子 7