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俳句ネプリ「メグルク Vol.1 冬隣」「風のネプリ 2024夏」「句具ネプリ Vol.16 2024秋分」を読む

先週より、俳句ネプリが多数発行されたので、それぞれ読んでいこうと思います。

メグルク Vol.1 冬隣 (コンビニ発行期間:9/30まで)

「メグルク」は、内野義悠さん、牧野冴さん、後藤麻衣子さんの3人による俳句ネプリ。コピーライターの後藤麻衣子さんが中心となって、誌面をデザインされていて、読み終わっても、そのままカレンダーとして掲示できるようになっています。藤田翔牧野さんによるイラストも素敵。牧野さんによるクロスワードパズルの企画も、とてもおもしろく、小一時間格闘してしまいました(笑)
カラーで出力すると、よりネプリ「メグルク」の雰囲気がつたわるので、オススメです。

以下、印象に残った句を挙げます。

地図に嘘ひとつ勤労感謝の日
今朝の秋指は切手を切り離す (後藤麻衣子)

耳抜きのあとの広さを鷹渡る 
狐火漏るる高さうな紙袋 (内野義悠)

海老剥いてくれる男と文化の日 
数え日のセルフレジ見守る係 (牧野冴)

風のネプリ 2024夏(コンビニ発行期間:9/27まで)

「風のネプリ」は、2019-20年から俳句を始めた、藤田ゆきまちさん、藤 雪陽さん、磐田小さん、詠頃さん、いかちゃんさん、はんばぁぐさん(誌面構成順)による「風の2019年組」による俳句ネプリ。俳句以外に、各人のエッセイなどもあり、こちらも興味深く拝読させていただきました。

以下、印象に残った句を挙げます。

恋人の変なバンダナ夏の山 (藤田ゆきまち)

夏鍋や輪切り檸檬を銀の泡 
霹靂神私立高校裏サイト (藤雪陽)

椋鳥や船より運び出すピアノ
爽やかに透いてハープの弦微動 (磐田小)

夏果やGORE-TEXの腕捲り
まだ踊る朝焼もまた鳴つてゐる (詠頃)

民宿を風のかよへる蓴かな (いかちゃん)

月澄めり足湯の底の青き石 (はんばぁぐ)

句具ネプリ Vol.16 2024秋分(コンビニ発行期間:9/29)

「句具ネプリ」は、後藤麻衣子さんとノグチダイスケさんによる俳句のための文房具ブランド「句具」主催による俳句ネプリ。このネプリもついに5年目に突入。毎回いろんな句が読めて、同じ秋でもこういう詠み方があるのかと、勉強になります。

以下、印象に残った句を挙げます。

出しすぎのフリスク戻す九月かな (げばげば)
露草の接吻を待つかたちかな (高木小都)
虫鳴くやශ්‍රී ජයවර්ධනපුර කෝට්ටේスリジャヤワルダナプラコッテ (たろりずむ)
おさがりの臓器なじんで涼新た(斎藤よひら) 
スライス檸檬沈め一線越えにけり(内野義悠) 
芋虫の曲がらむとして縮みけり (千野千佳)
鳩吹のもうすぐ音となるぬくみ(板垣せっか) 
新涼の戸に立てかける松葉杖 (となりの天然水)

なお、「句具ネプリ」は、句具公式ウェブサイトにて、会員登録をすると、次の冬至まで、無料でダウンロードできます。

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