見出し画像

秋草2024年12月号を読む

秋草2024年12月号を読んでいきます。


印象に残った15句選

蓑虫に告解室の扉かな 山口昭男
予感とは秋薔薇つたふ雫かな 高橋真美
草の花地図を小さく折り畳む 森有沙
虫の声離るるやうに寄るやうに 三輪修平
風抜けて秋の昼寝をしたき部屋 木村定生
かなかなやいつ終はるともなく終はる 小泉和貴子
あんのぢやう屁糞蔓の蔓伸びて 対中いずみ
恐縮の顔の案山子も立てにけり 水上ゆめ
細胞はシャーレに育つ雲の峰 竹中健人
いちぢくの少しも角のなきかたち 橋本小たか
まつすぐに立ちて新米届きけり 小濱准子
這ひ這ひの子に鶏頭は赤過ぎる 中村遥
ばりばりとひらくアルバム鳳仙花 野名紅里
鳴く虫を探すに別の虫に会ふ 東野礼豊
恋いつも糸瓜の頃に了りたる 犬星星人

印象に残った特集

今年の秋草十句

句座をともにしている藤井万里さん、栗原和子さんによる十句選。あれだけの句がある中から、選ぶのは本当に大変だっただろうと思う。万里さん、和子さんそれぞれの読み、そしてこれからの展望を読んで、自分は、じゃあどういう方向性に進むのだろうかと思いを新たにしました。ただただ作り続けるしか道はないわけですが。本当にシンプルに、素のままに、おりてきたことを読む、それを心がけていきたいと思います。

掲載句

いくたびも土俵を掃けば蜻蛉かな
秋のはへ一肢は円を画きたる
蚯蚓鳴く御所に三角コーンかな

12月は三句掲載でした。句会でとられた句が落ちていたり、逆そうじゃなかったり。今回は「動物」の句で七句揃えてみましたが、なかなか五句の壁が難しいですね。2025年はまずは五句選に残るくらいの句を選べるようになろうと思います。(そのためには多作多捨するしかないですね)

この号の秋草の小径にて、山口昭男先生が

ひとつひとつの句が際立っていること、そしてたおやかな流れがあること。この流れが整ってくるとさっと七句が浮かび上がってきます。

と書いていらっしゃっいました。こんな七句を選んでいきたいと思いました。

いいなと思ったら応援しよう!