【R6.10.13】秋華賞の予想

【はじめに】

 今週は
秋華賞を考える
秋華賞の追切メモ
 この2つの評価をまとめると次のとおり。


 まあ、この時点だと1位ミアネーロ2位チルカーノ3位タガノエルピーダという感じで、本命も3択ですね。
 ここから土曜日の傾向と枠並びを踏まえて考えていくわけですが……

【予想印】

◎4タガノエルピーダ
〇2ミアネーロ
▲5チェルヴィニア
△7チルカーノ
 これで行きたいと思います。

【タガノエルピーダ>ミアネーロ>チルカーノとした理由】

 まずクッション値ですよクッション値。土曜の朝発表の数値が10.9!!高すぎ!!!!
 今年の春開催もクッション値は終始高めでしたがここまで高いのはあまり無いですね。ここまで高いとやっぱり成績にも差や偏りが出てくるわけですよ。血統的な面で言えばハイクッション値の京都のキーワードは「ディープインパクト」「欧州系の溜めが効く」「キングマンボ」ですよ。
 その点で言えば今回本命にする3択で悩んでいた馬はどれも良くて、ミアネーロは父ドゥラメンテでキングマンボ系、ドゥラメンテはキンカメ×アドマイヤグルーヴということでエアグルーヴの血、つまりはトニービンが入っていることが大きく、ディープ産駒が良く走るようなコーナーで溜めて直線で末脚を炸裂させるようなレースが得意。血統を見るとディープ系ではないんだけれどその要素も備えている素晴らしい種牡馬。(キンカメとディープの良いところ取りみたいな能力を伝えているせいで色んな条件でG1を勝利するような産駒が生まれているわけです)むしろドゥラメンテに母系が米国系ということでスピード能力が高まり、足を溜められる追走スピードの許容値が上がっており、だからこそ前走のような極端な高速馬場でも溜めが効いて終い上がり最速にまとめられている。今回のハイクッション値京都もベストと言っていい条件。
 タガノエルピーダも問題ないどころか最高。父はキズナでディープ系、母父はキンカメで高速馬場適性◎、そしてなんと母父父にはトニービン!!トニービンは特に東京で頼りになる血なので、4Fのタフな持続力勝負に対応しつつも直線になれば更にはじけるような溜めを聞かせることが出来る。
 チルカーノは父ハービンジャー、母父はキンカメということで人気のチェルヴィニアと同じ。ハービンジャー産駒は溜めて溜めての爆発力が強く、それこそ今年のオークスのチェルヴィニアのように直線までじっくり我慢して上がり最速で外から差し切りだったり、昨年のマイルCSナミュールのように最後方でじっくり溜めて末脚大爆発みたいな伸びを見せることが出来るわけです。母父キンカメは何度も言うとおり高速馬場適性◎、もう3頭そろっていずれも問題ないわけです。
 そこで何でチルカーノが一番下になったのかというと、実績としてクッション値10超の京都で負けているのが大きいですね。6月15日の稲荷特別、これがクッション値10.6でしたが8着と大敗。6月のこの時期は斤量の恩恵よりも競走馬としての完成度が違うせいでそこまで3歳馬が条件戦で無双する時期ではないので、もちろんそこも要因としてあったとは思いますが実際負けているというのは何とも気になる。
 そして更に大きいのが、改修後京都でクッション値が高い京都芝2000m、ハービンジャー産駒未勝利です。ハービンジャー産駒というくくりで見て2着はあるものの勝ち切れていない。これは大きな不安要素ですね、チェルヴィニアもですが。この2点が気になってチルカーノは本命3択の中では3番手。
 じゃあタガノエルピーダ>ミアネーロの理由は何かというと、これも大きく2点。
 まず一点目が枠並び。ミアネーロはこれまでも内枠から好走してきているので、内を引けたのは嬉しいだろ!と思う人も多いとは思いますが、問題は他の馬です。逃げそうだったセキトバイーストが大外、合わせて前に行きそうだったクリスマスパレードやラヴァンダあたりも外となったせいで、内の前に行きたい馬はとりあえず何かを目標にポジションを取ることが出来ず、外から変に被せられないように、少し勢いをつけてスタートから出していかなければならない。ここでミアネーロとタガノエルピーダの違いはこれまでしてきた競馬とクイーンズウォークの内か外か。この並びでクイーンズウォークが内のこの枠になったということは馬郡で極端に揉まれるのを避ける&ある程度のポジションを確保するために結構出していくのが濃厚。最内のホーエリートも出足は良くないので内3頭でラチ沿いの一番前を取るのはクイーンズウォーク。タガノエルピーダはその外なのでクイーンズウォークをマークすること=内から2列目の好位のポジション取りとなるので非常に競馬を組み立てやすい。外から被せてくる馬も、オークスや前走のポジション取りを考えると押して出るクイーンズウォークより前に行きそうなのは11.12.13.15くらいなもので、厳しく見積もってもタガノエルピーダは無理することなく前から3.4列目を追走することが出来る。その一方でミアネーロは取れてクイーンズウォークの後ろとなればインの中団やや後方と言った位置取り、直線でゴチャついて進路の確保にもたつく可能性、リスクは上がる。
 展開面や能力・状態比較から考えてもイン前にいそうな馬はしぶとく伸びるけれど最後一伸び欠きそうという面々が多く、最内から上手く捌き切るのは少し難しそうに見える。前走のような感じで最後何とか捌いて伸びてくるも若干遅刻みたな感じになりそうな気がするんですよねぇ…
 というのがまず一点、もう一点が前走内容。私としてはまず第一にやはり前走とのギャップを重視したいわけですよ。ミアネーロは前走1.56.6のスパーレコードで走っている=超高速馬場&最後追い風だったんですよ。それを中団から比較的無理のない追走でこなしながらの上がり最速で、コーナーで一瞬逆手前になる負荷はあったものの、かなり走りやすい条件、終いも伸ばしやすい条件で走れていた。今回同様の高速馬場になるとは言え馬が「あれ?最後終いを伸ばすのが前走より苦しいな」となる可能性は結構ありそうで、ちょっと疑わしい。昨年同じような条件から2着に好走したマスクトディーヴァは捲り気味にポジション上げた&上がり2位&秋華賞が瞬発力勝負のスロー戦になったという3つが噛み合ってのものでもあるので、今年の秋華賞が例年通りの前半やや流れて消耗戦になれば噛み合わない可能性も上がってくる。
 それに比べてタガノエルピーダのローズSは結構苦しい内容。本来であればもっと好位から運びたかったはずが、逃げ損ねたレディーヴァリューに蓋をされる形でセキトバイーストから離れた馬郡の2番手、3.4コーナーが荒れ果てて、そこで動くとスタミナの消耗が大きかった中を直線までに射程圏にいれるため押し上げる不本意な仕掛け、そして直線も内を通さざるを得ない進路どりで伸びきれず0.3差。ここまで不利な要素があって完璧に近い競馬をしたクイーンズウォークと0.3差な訳です。今回確実に足元は前走比較で改善、前走で荒れた最内を4Fロンスパさせられて後半1000m58秒台でまとめられているのはかなり評価できる内容。今回内の好位で溜めがつくれればかなりのパフォーマンス上昇に期待できる。
 ということで以上よりタガノエルピーダ>ミアネーロ>チルカーノとさせていただきました。

【上位人気3頭の扱い】

 チェルヴィニアは▲を打っている時点で高評価。ステレンボッシュは広くいくならば抑え、クイーンズウォークは切りです。
 クイーンズウォークはそもそも週頭時点から怪しいなぁと思っていたところに調教からも良く見えなかったのでここは自分の目を信じる形で切り。
 ステレンボッシュは内で無理せずポジションを取りながら我慢できる枠ならばこの調教でも抑えざるを得ないかなと思っていたが8枠。週頭の記事でも懸念点として挙げていた、桜花賞の時に出負けて促したときにかかりながらの競馬になっていたというのが外枠だと課題として大きくなる。馬なりに出していくだけでは枠なりに後方の外々を回す羽目になるのでいくらステレンボッシュと言えど厳しい立ち回り。かといって外から先行する各馬と一緒に促しながら前に行けば休み明けも相まってスイッチが入り、そこからかかって折り合いをつけるまでに体力を消耗するリスクが上がる。外というだけでもマイナスとして大きいのに、ミアネーロに抵抗できなかったあの最終追切。ちょっと評価を落とさざるを得ないというか、これならば飛ぶまで期待して馬券を組みたい。ここまで評価を落としながら切り切れなかったのは父欧州型、母父ルーラーシップすなわちトニービン&キングマンボ持ちということで血統がかなりかみ合っているというのもある。
 チェルヴィニアは大きなマイナス点無く、内で溜められそうな枠が取れた。栗東滞在せずに美浦で仕上げたのも個人的には好感で、木村厩舎が自分のペースを崩さずにしっかりいつも通りの仕上げに徹してくれたのは大きい。遠征競馬が大敗の桜花賞しかないだけにチェルヴィニアが輸送自体にトラウマを持っていないかが心配ではあるが、調整過程は加点。右回りに不安があるとは言え実戦で負けた桜花賞はコーナリング云々よりもエスコートに問題あり、2週前追切でコーナリングが~~という意見も見かけたが別に直線を向いての切れには翳りなく動けているだけに、直線までどうせ我慢するであろう今回そんなに気にする必要はないんじゃないかと思う。素質は間違いなく世代トップレベルの馬で、今回調整面でも大きな不安なしと来ればここは順当に高く評価すべきかなと。シンプルな確率論で行っても人気馬総崩れってそうそう無いですし、3頭ともバッサリというのは3連系を買うことまで考えるとリスクが勝つという判断での▲。チルカーノとの比較では単純に経験値と実績の差でこちらの方を上に取るべきかなと。後述しますが馬券の扱いとしては正直そう差はありません。

【あと抑えるのは】

 ホーエリート、クリスマスパレード、セキトバイーストの3頭です。
 ホーエリートはいつも外々を回しているだけに最内から新味があってもいいというのと、これまでのレース内容、調教含めてまずまず。そして血統が父ルーラーシップでステレンボッシュのところでも書いたとおりキングマンボ&トニービンを持ち、母父はステイゴールドだが、平坦コースでスタミナを要する展開になった時に助けてくれる。ディープ的な切れは物足りないが、長く足を使わせたら悪くない。
 クリスマスパレードは前走で見せたハイクッション値で時計が出るがスタミナを要する馬場への適性が非常にグッド。今回は後ろから来る馬のレベルが上がるだけに、前走よりも残すハードルは高くなると思うが、馬券内粘り込みという点で考えればチャンスはある。
 セキトバイーストは調教が抜群に見えたのと枠並びですね。大外で近い位置にクリスマスパレードというのは中々面白い。元々が逃げなければ競馬ができないわけでは無いですからね。今回は恐らくクリスマスパレード逃げ番手セキトバイーストになるでしょう。ミドルからやや早めの59.5くらいで1000を通過して下りからセキトバイーストきっかけで4F持続力戦。直線先頭に立って見せ場を作るも差し勢に屈して……という展開を予想。前走厳しい馬場で4F地点から11秒台のラップを刻んで3着粘り。より走りやすい条件に変わる今回はパフォーマンスの上昇に期待できる。

【まとめ】

 散々書いてきたので上位評価馬の細かい理由は書きませんが、ここはタガノエルピーダでしょう!
 そもそもが2歳の冬に牡馬に交じってキャリア2戦で朝日杯3着、先着した馬の中にも重賞勝ち馬が複数おり、この馬がまだ重賞を勝っていないのはなんというか噛み合ってこなかった部分が大きい。
 桜花賞の出走権を賭けて一発勝負で臨んだチューリップ賞では無念の大外枠から4着、その後忘れな草賞ではハイペースにきっちり回答してオークスの切符をつかむも、そのハードな前走と初輸送が響いたか力出せずの敗退。
 前走もとにかく損な役回りと不利な進路どりに泣いて4着、そんな中とうとうつかんだ好枠と好条件。調教内容もしっかり溜めて差しに行くぞという気概が感じられる好内容。私が週頭時点でA☆にしたのは「ここ2走のようにシンプルに先行押切ならばAだけど、溜めて差しに行くことを視野に入れて競馬をしてくれるならばそれ以上」という意味合いだったので、調教を見た時点で週頭のA☆はSに近いA+ぐらいまで上昇していました。
 そして、とうとう団野騎手とのコンビ復活。無念のチューリップ賞以来ではあるが団野騎手は斉藤厩舎所属ですから常に調教では騎乗してきてこの馬のことはしっかり手の内に入れている。是非ここは師弟での初G1をゲットして欲しいです。

 馬券としては
〇単勝 タガノエルピーダ
〇ワイド 4-2.5.7 (資金配分 4:2:1)
〇3連複 4-2.5.7-2.5.7.13.14(1.14) ()内薄め
 という感じですかね。

 単勝が20倍以上つきそうな気配ですのでここは単勝から大きく狙いたい。ワイドでも結構つきそうなので、印順に厚めに張って勝負。3連複は引っかかればラッキー程度に考えたいです。人気が完全に不発でタガノエルピーダ-チルカーノ-セキトバイーストとかで決まった時に30万くらいつくのでそこは狙っておきたいですね。

 実績重視な人からすれば固くおさまりそうに見える秋華賞ですが、かなり穴党としては心が躍るレースになりました。どんな穴馬からでも馬券内ならばあり得そうな難解な条件。小回り、超がつくハイクッション値がどんなドラマを生んでくれるのか、今から楽しみです。


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