【R6.6.2】安田記念の予想

【買いたい馬が2頭います】

 香港から2頭レベルの高い馬が来たり、日本馬も絶対的な王者不在でなかなか混沌とした感じの安田記念ですが、買いたい馬が2頭います。
 馬券構築的にもなかなかかみ合いが良さそうなので、今回の安田記念はこの2頭から高配当を狙っていきたいと思います。

【◎パラレルヴィジョン】

 はい、本命パラレルヴィジョンです。
 実績としては6-1-3-3、重賞実績は前走のダービー卿CTだけで、相手関係的にもそこまで目立たないと、流石にルメール騎手騎乗でも中穴くらいに納まりそうなこのパラレルヴィジョンですが、ここから行きたいと思います。
 この馬を本命にしたい理由は、大きく3つ。
・前に行ける脚質の馬の中で最も末脚のキレが鋭い。
・若いころは右回りはかなり苦戦していたが、5歳になって馬体が完成してきたことで、本来苦手な右回りでも重賞を勝てるくらいの力をつけている中で満を持してベスト舞台である東京マイルに挑戦。
・ルメール騎手が騎乗する。
 この3つです。
 まず一つ目、今回明確に先行脚質なのは内からドーブネ、パラレルヴィジョン、ウインカーネリアン、ヴォイッジバブル、エルトンバローズ、あとはガイアフォース、ジオグリフ、フィアスプライドがどれくらい主張してくるかという感じかと思いますが、この中で前に行きながら終い33秒台の切れでまとめられそうなのはドーブネとパラレルヴィジョンくらいで、あとはガイアフォース、フィアスプライドがどれくらい溜めるか次第で可能性があるかというところ。
 ドーブネは逃げてマイペースのスロー展開に落としたときに33秒台半ばでまとめるという末脚の伸ばし方をする一方で、パラレルヴィジョンはこれまでの実績としても、まだ2000を使っていた時に先行の位置からロンスパ展開に対応して33秒前半を使うこともできており、使える瞬間のキレとしてはこちらの方がやや優勢。前目からキレる足が使えるというのはシンプルに馬券の軸にしやすく、恵まれやすい要素でもあるので高く評価したい。
 2つ目についても実績の通りだが、3勝Cで足踏みが続いた要因の一つが右回りが苦手だったこと。中山と阪神で計3回人気に推されながら3着に敗れており、右の小回りだとどうしてもコーナリングでの機動力に欠ける分、終いのキレだけでは勝ち切れないレースが続いた。そんな馬がダートを挟んだりしながら馬体に筋肉量を増し馬体が完成の域に達した今年、とうとう苦手を克服して中山のマイルで先行の位置から抜け出して押しきる競馬ができるようになり、重賞を制するところまで来た。
 こなせるようにはなったものの、あくまで得意とは見えず、前走のコーナリングを見てもやや外に膨らみ気味で、直線を向いてから何とか末脚を伸ばして抜け出していたエエヤンを捕まえての勝利。左回りの東京に舞台が変われば更なるパフォーマンスの上昇に期待することが出来る。
 3つ目はやはり頼りになる鞍上。実はメンバーの半分程度が先行脚質の馬である今回、スタートからのポジション取りは着順に直結する重要な要素。そんなレースで動きやすい5枠でルメール騎手というのはかなり大きなアドバンテージ。枠並び的にも外からウインカーネリアンを行かせつつその後ろをとるという立ち回りがしやすそうで、スムーズに2列目か3列目を確保することが出来ればかなり展開利を得られそう。
 これがパラレルヴィジョンを高めに評価したい主な理由。
 メンバー構成的にロマンチックウォリアー、ナミュール、ソウルラッシュ、セリフォスと人気どころが差し脚質で、逃げ先行は中穴どころ。ハナ自体はウインカーネリアンがあっさりとってしまえば、極力展開利を得るために緩いペースに落ち着きそうなので、基本的には前目から末脚を伸ばせる馬を高めに評価したいところ。ならば前段で言った通り最も展開利を得られるのはこのパラレルヴィジョン。
 調教としても、前走と比較して更に馬体はスカット見せ筋肉のメリハリ、馬体のハリ艶も目立ち、素質馬が勢いのままにここでG1まで取り切ってしまっても驚かないところまで来ていると思うので、今年の安田記念はパラレルヴィジョンから勝負したい。

【〇ドーブネ】

 パラレルヴィジョンを本命にして、高配当を狙うならば相手で評価したいのはドーブネ。
 まず高く評価したい理由としては、パラレルヴィジョンと同様に前に行った上で鋭い末脚を使うことが出来る点。
 そして何よりも前走が中山記念というローテ。
 前走の中山記念は稍重表記ではあるが重馬場レベルに時計がかかっていたタフ馬場でのレース、それを逃げて12.7-11.2-11.7-11.6-11.4-11.9-12.5-12.3-12.8と前半1000mを58.6で行くという下手なマイル戦に匹敵するハイペース。正直あっさり潰れて大敗でもおかしくないペースをしっかり粘り切って2着というのはかなり成長を感じる内容であり、十分ここに入っても展開次第では好走があり得る水準までは来ている。
 前走がかなりスタミナを要する展開だったところから、今回は雨が降ったとしても稍重くらいでレースを迎えられそうであり、前走比較で足元は条件上昇。更に距離短縮でかなりスタミナ面で余裕をもって立ち回ることが出来るローテとなった。枠も3枠6番とこれ以上ないところを引くことが出来たので、やることも明確。スタートと同時にラチ沿いを確保して一旦ハナを伺いながら外から主張してきたウインカーネリアンの後ろを確保、あとは追走しながら直線までどれだけ足を溜められるかの勝負。
 東京マイル自体はキャピタルSで実績もあり、このレースではスロー逃げから33.2の上りでまとめてプレサージュリフトを完封、やはり展開がハマれば侮れないだけの能力は見せており、その時のレース映像や調教の動きを見ても、しっかり後肢に体重を載せながら左右のバランスよい走りをするので、長い直線でも切れ味が衰えない、大箱競馬場向きの走り。
 前走からしっかり間隔をあけての調整で状態も良さそうに映り、正直頭まであり得ると思うのに単勝40倍近くついているのは舐められすぎだと思う。
 ◎パラレルヴィジョンがくる展開ならば当然ドーブネも恵まれるだろうとの想定で対抗評価。

【買いたい2頭とセットで買いたい馬を並べる】

 ということで、今回の安田記念は基本的に「ミドルペースからの直線末脚勝負」であり「前目からキレる足を使える馬に有利」という想定ですので、そういった展開と噛み合う馬を高めに評価していきます。

▲ジオグリフ
 これも舐められすぎでしょう。
 前走大阪杯では先行2列目、内から2頭目を追走。内枠から足を使って先行しようとしたところを内からタスティエーラに主張されて取りたいラチ沿いが取れなかったなりの競馬だったので、ローシャムパークの捲りの影響などをもろに受ける形でかなり厳しい立ち回りに。勝ったべラジオオペラには完敗だったが、最内をロスなく捌いて展開面でかなり恵まれたルージュエヴァイユと追い込みがハマったステラヴェローチェには展開負けであり、4歳を迷走して棒に振ってしまったジオグリフがとうとうG1でもいい勝負できる状態まで復調してきたというのが前走の内容。
 レースラップとしても12.4-10.9-12.5-12.6-11.8-11.5-11.5-11.4-11.4-12.2と相当の持続力が求められる前には厳しいレースだったので、これを先行してから今回距離短縮というのはローテ的にもかなりパフォーマンスを上げやすい上にジオグリフはドレフォン産駒。
 自分の予想の中では結構な回数触れてきていますが「前走逃げ先行」×「距離短縮」×「前走比較でポジションを落とす」が揃ったドレフォン産駒は激走しやすい。しかも、日曜は雨予報。ジオグリフと言えば喉に不安がある馬なので、湿気が高くなり呼吸がしやすくなるのは歓迎材料。スローで足が溜まれば33秒台も出せる馬ではあるが、末脚のキレについては横の比較で上位とは言いづらいので、求められるキレの絶対値が下がるのも追い風要素。
 枠並びも良く、理想はスタートを切ってガイアフォースに横づけ、インの中団前目で足を溜めながら競馬をすることが出来れば十分チャンスあり。
 調教の動きを見ても、前走との比較で更に素軽さが増したような印象で、距離短縮に向けてしっかりスピードが出せるような体作りがされているように見える。
 復活するならばここと見て、▲で高めに評価して勝負したい。

△ウインカーネリアン
 流石にこの展開想定、上位の印の打ち方で逃げ候補筆頭を軽視はあり得ない。
 馬としても、今年からブリンカーをつけ始めたことで、スタートにも安定感が増しており、7歳になった今も衰えは感じられず、むしろハイレベルなレースをこなしてきた分、スタミナや立ち回りに関しては成長が見られる。
 今回外目の枠にはなったが、絶対に逃げたいという馬は他にいないので、むしろ少し余裕をもって主張できることを考えると悪くない。
 前走キャリア初のスプリントを経験したというローテも良く、重馬場でもトップスプリンターたちに負けないスピードを見せて、4着というのは価値が高い。血統的にも実績的にも前走比較でペースが緩んだほうが能力を発揮しやすく。前走重だったことも含めて、距離延長のマイペースで進められればかなり力を発揮しやすい。
 調教もかなり動けており、一週前がCWで6F78.8から終いまでしっかりまとめる好時計、日曜に坂路で55.0から終い12.0の加速ラップを踏んで最終はCWで単走あっさりの仕上げ。
 得意コースでこれ以上ないローテ、三浦騎手とのコンビで人馬共に悲願のG1制覇が十分あり得るタイミングだと思うが逃げ馬なだけに、馬券的にはピンパー。軸にはしづらくこの評価まで。番手につけてきそうなヴォイッジバブルの動き次第では一発あり得る。

△15ヴォイッジバブル
 香港からの参戦で買いたいのはこっち。
 先行脚質であり、単距離のレベルが高い香港でもしっかり安定してポジションをとれるスタートの良さは魅力。
 前走の香港Cマイルでは3着までだったが、馬場状態的に前が止まらない展開で位置取りなりの3着であり評価を落とす内容ではない。むしろこれまでの実績や血統からも得意とは言えない短縮ローテでもしっかり好走、ゴールデンシックスティを凌いでの4着は評価できる内容であり、今回の同距離ローテならば更なるパフォーマンスの上昇に期待できる。
 ハナにこだわるタイプではないので、枠なりに前に行けば恐らくウインカーネリアンを斜め後ろから見る番手に納まりそう。そこまで来ればあとは日本のスピードが出る馬場に対応できるかどうか。
 調教からは対応できそうだが、状態面含めて信用しきれないので△まで。

(抑え)
・ガイアフォース
 リピーターが強いレースでもあるので昨年4着は魅力。
 だが内枠は歓迎できる要素ではなく、これまでの差しに回ったレースを見ても馬郡を捌いてスルスル上がってこられるタイプではなく、進路を探して外に持ち出して、前が空いてからやっと伸びてくるという感じなので、そこに手間取るとあっさり馬券外になり得る。
 また、長岡騎手継続騎乗自体は悪くないが、馬のリズムを重視するタイプの騎乗が目立つので、後の進路どりまで見据えて少し無理して前目に構えるということもしなさそうで、人気に対して安定感に欠けるので、馬券の扱いとしては抑えまでが今回妥当かと思う。

・フィアスプライド
 前走のヴィクトリアマイル2着でここまで人気を落とすのは理解に苦しむ。前走は前の2頭が競り合って33秒台の早い流れで流れた結果、1400の経験が豊富だったテンハッピーローズがハマっただけで、むしろ元々1800でも後方からの競馬がデフォだったフィアスプライドが前付して、2着にこなしたのはかなり評価できる内容。
 今回坂井騎手に乗り替わりだが、先行意識が高い騎手が継続騎乗してくれるのは歓迎で、調教的にも間隔がつまっても日曜の坂路が55.6とむしろ前走から更に詰めて来て、最終の動きからも出来落ち感じられない状態。
 流石に枠並び的に、前走よりはポジションを落として競馬をすると思うので、中団からの差が届く展開になれば、前走でスプリント質の前半ラップを経験したことも味方して、この馬らしい切れ味で突っ込んできてもおかしくない。

・セリフォス
 京都よりも東京のほうが向く。
 前走はソウルラッシュに先着されたが、舞台適性、斤量、仕上げ面で向こうに利があるレースだったので悲観する必要は無く、今回逆転の可能性は高い。
 ただ、昨年の3着は、内から上手く立ち回ってのものだったので、今回外枠になってしまったのはかなり痛い。ポジションと末脚のキレが直結するタイプなので、外からロスを嫌って前目に行くと好走の目は薄く、割り切って中団で足を溜めて直線勝負に行くしかなさそう。
 川田騎手がそういう消極的な競馬をする可能性がそもそも低そうというのと、スローに落としたい先行勢が多そうなメンバー構成で、控えた時に恵まれるのもそこまで期待できないとなれば抑えまでが妥当。切るのも一考。

【あとの馬は切ります】

 ここまでで名前を出さなかった馬は基本的にはバッサリ行きたいと思います。軽視の理由をざっくりと。
・ナミュール、ロマンチックウォリアー、ソウルラッシュ
 これ3頭とも人気馬ですが、3頭とも同じ理由で軽視します。
 それは「加速に時間がかかるタイプの差馬だから」これが軽視の理由。今回展開想定的にあまりペースを流したくない先行勢が半数のメンバー構成なので、馬郡は少し詰まった状態で直線を向く可能性が高い。枠並び的にナミュール、ロマンチックウォリアーは内目に入ったのでスムーズに加速できる進路を確保できるかが不安だし、ソウルラッシュも含めて、馬郡の外まで持ち出して末脚を伸ばすとなると、前目から切れを使える馬や、最初から割り切って外を回しながらでも末脚に賭けていた馬には劣る可能性が高い。
 一回詰まることが命取りになるこのタイプの差馬にはかなり逆風が強いレースになると思うので、今回は軽視します。

・レッドモンレーヴ、エルトンバローズ
 雨がどれくらいになるか次第ですが、中山記念の走りや馬体を見てもこの2頭は渋ったら買えませんね。

・ステラヴェローチェ、ダノンスコーピオン
 この2頭は面白そうではあるものの、脚質や調教の動き等、横の比較で上位に取れる要素が見つけられず、ここまで広げると点数が多くなってしまうなということで今回は軽視。

・カテドラル、エアロロノア、コレペティトール
 オッズが示すとおり、今回のメンバーに入るとちょっと横の比較で見劣り。エアロロノアは前走去勢明けでマイラーズC4着は魅力的には思うが、流石にこの相手強化で実績不足。

【まとめ】

 今回はいつもとは違うアプローチ、「買いたい馬が先に居た上で、その馬が恵まれる展開も十分期待できる。ならば、その展開で決め打ちして馬券を組み立てよう」という順番で考えてみました。
 展開決め打ちなので、馬券的にもバシッとハマるか、箸にも棒にも掛からない大外しかという感じになるとは思いますが、十分賭ける価値はある内容になっているんじゃないかなと。
 馬券としては
〇単勝 パラレルヴィジョン(ドーブネも少々)
〇ワイド 6.9-4.11.15
〇3連複 6.9-4.6.9.11.15-2.4.11.12.15.17
 穴からの勝負なので、ワイド、3連複で十分オッズ的には足りるかなと思うのでこれを基本線に考えていきたいと思います。
 本命のパラレルヴィジョンはデビューの頃から期待してみてきた馬で、条件戦で足踏みをしていた時も含めて応援してきました。もちろん好きな馬だから本命というわけでは無く、長く追ってきた馬だからこそ、右回りが得意じゃなかった馬が馬体の完成に伴い、それを克服できるほどに成長してきたという買い要素を見つけることが出来ているので、初のG1挑戦となる今回でしっかりその成長した能力を見せつけて、継続して競馬を見ることの醍醐味を味わわせてほしいです。


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