【R6.9.28】スプリンターズSの予想
【一変した馬場傾向とその理由】
雨が降るかと思っていたら肩透かしで土曜日は朝から良馬場。
少し雨が降った程度の良馬場であれば、先週までの高速馬場が継続するかと思いきやかなり時計のかかるというか、上がりのかかる馬場コンディションに。
その理由には大きく2つあると思っていて、一つは単純に最終週の馬場ということで、良いコンディションを保ってきたとはいえ最もロスなく進められる最内が使ったなりに傷んでタフな状態になってきている。かなりパワーとスタミナを求められる馬場になってきており、2歳戦ではその影響がかなり顕著に表れて2歳未勝利の勝ち時計が1.09.4で上がり最速が34.8とかなり時計がかかった。
もう一つが風向き。今開催で極端に出ていた時の風向きは最後の直線で強い追い風。風の影響を受けて終いが極端に早くなるレースが多く、前に行った馬が追い風の影響で止まらない。差馬が普段以上に強烈な上がりを使って全体時計を縮めるなどと言った形で早い走破時計が出ていた。
それが28日土曜日は逆で向こう正面で追い風、直線では向かい風。スタミナ的にも苦しくなった最後の直線、急坂の上りで向かい風を受けるわけなので、当然上りはかかる。
この”馬場コンディション”と”風向き”の2つの要素で一気に時計がかかるタフな舞台設定へ一変。馬場コンディションは当然明日も変わらず、風向きも予報では引き続きそこまで強くは無いが向かい風。明日も土曜と同じ傾向の馬場になるでしょう。
【これは昨年とは微妙に違い、一昨年と同じ】
今年の馬場の状況は昨年とは微妙に違う。
昨年のスプリンターズSの日も向かい風ではあったが、何が違うかというとクッション値。昨年の秋中山は終始クッション値が低く8.5前後がベースラインで少し上がったり下がったりで推移しており、通常の中山とはかなり違う設定となっていた。
今年は10.0あたりがベースで、雨の影響等で前後してもほぼほぼ10以上をキープしてきた。クッション値が違うということは時計の出方も違うし、足元が柔らかいわけですから馬場の荒れ方も違う。クッション値が高いほうが足元の反発が高く時計が出やすいので、追い風になるテンの3Fは早くなりやすいがクッション値が低かった昨年は前半33.3と33秒台に納まっており、G1レベルのスプリンターが揃ったにしては極端に早い流れにはならなかった。
今年とかなり状況が近い一昨年は、同様に向かい風でクッション値も中山らしく高めでキープ。追い風のハイクッション値だったせいもあって向こう正面では勢いがついて前半32.7とかなりのハイペース。直線はかなりスタミナとパワーが求められたレースになった。
スタミナとパワーが求められるレースになった結果……2022年のスプリンターズSでは好走と凡走に極端な偏りが発生しました。
前振りが長くなりましたが、この2022スプリンターズSで生じた強烈な偏り。ここに注目して今年のスプリンターズSを攻略していきたいと思います。
【2022年に生じた強烈な偏りとは…】
これすごくないですか?私はこの結果を見て「あー、血統ってこんな傾向が出るんだ。面白いなぁ」と思ったので強烈に記憶に残っているんですが。
2桁人気の穴馬が複数いながら”1着~7着までを父か母父にサンデー系を持っている馬が独占”しかも”掲示板内は内枠(1桁馬番)の該当馬が独占”という結果になったんですよ。脚質は先行、差し、追い込みと多岐にわたりますが、いずれにせよタフなインをこなしながらハイペースに対応しつつ全体時計をまとめるためにはとにかくスピード血統で固めるよりも、中距離質なスタミナや末脚の伸びなどを強化するサンデー系が求められたわけです。(唯一内枠かつサンデー系持ちで大きく敗れたメイショウミモザはOP以上のスプリント戦で馬券内経験が無かったので度外視)
これが再現されるのであれば今年もかなり面白そうだなぁ…と思いつつ土曜日の結果を見てみると2回あった1200戦はいずれも1~3着を1桁馬番のサンデー系持ちが独占(10Rの方はかなりサンデー系を持っている割合が多かったのもありますが…)。10Rでは血統的にパワーはあるが高速馬場でのスピード比べではちょっと厳しいという感じで馬券が続いていたハピネスアゲンが勝利したり、メンバー内唯一の短縮ローテだったベルウッドブラボーが2桁人気で掲示板に滑り込むなど、かなり露骨な傾向が出ている。
今年のメンバーは結構サンデー系持ちが少な目で
・1オオバンブルマイ ディスクリートキャット×ディープインパクト
・2トウシンマカオ ビッグアーサー×スペシャルウィーク
・3ウインマーベル アイルハヴアナザー×フジキセキ
・4エイシンスポッター エイシンヒカリ×Barathea
・5ナムラクレア ミッキーアイル×ストームキャット
・8モズメイメイ リアルインパクト×フランケル
・10ピューロマジック アジアエクスプレス×ディープインパクト
以上7頭です……どうですか?ワクワクしてきませんか?
該当馬がそもそもとして恵まれやすい最内に固まった上に、人気を背負うママコチャ、マッドクール、サトノレーヴの3頭が該当せず。一昨年のような傾向が顕著に出た場合はかなり配当を狙えそうです。
週頭にアップした「スプリンターズSを考える」と調教評価を踏まえて結論に向かいたいと思います。
【結論】
◎3ウインマーベル
〇2トウシンマカオ
▲4エイシンスポッター
△1オオバンブルマイ、5ナムラクレア
×8、10
これで行きます。己の積み上げた分析を信じて勝負していきましょう。
【各馬の評価】
◎ウインマーベル
正直週頭の時点から「内枠を取れたらなぁ……」と思っていたがあまりにもベストな枠をゲット。
週頭時点ではちょっと馬場が渋ったりするのかなと思っていたが、嬉しいことにクッション値の高いタフな良馬場とこの馬としてはベストのコンディションに。
スタミナが求められそうな条件において、メンバー唯一の距離短縮ローテというアドバンテージはかなり大きく、前走でこれまで不得意としていた瞬発力戦も克服した今このタイミングでG1取りに向けてこれ以上ない条件が揃った。
文句なしの本命。勝負させてください。
〇トウシンマカオ
こちらも元々本命候補として週頭の評価をSにしていた馬。
ビッグアーサー産駒自体、使い込まれハイレベル戦を経験するごとに完成度を増していくタイプが多いだけに、5歳秋、重賞でも結果を多く出し続け、前走でとうとうこれまで苦戦していた中京の大外枠を克服しての勝利とウインマーベルと同様に競走馬として完成の域に達したこのタイミングで絶好の枠、時計が早すぎない条件はベストと言っていい。
スタミナが求められそうな今回、これまで結果は出なかったとしても1400を複数使ってきたことが活きてきそうであり、内枠でじっと我慢した上で中団あたりから末脚を爆発させることが出来れば、今回悲願のG1タイトルに手が届いてもいい。
▲エイシンスポッター
条件該当馬で枠もいい。
前走のキーンランドCでスタートから最も恵まれるポジションにつけたサトノレーヴが勝ったものの、道中で動いてインの中団に押し上げて、終いもタフなインから馬郡を捌いて伸びて0.3差の2着というかなり優秀な内容。今回内の好枠をゲットしたにもかかわらずサトノレーヴが1番人気でこっちが15番人気は流石にオッズがおかしい。
4歳ごろからコンスタントにスプリント重賞を使ってきたおかげで追走スピードも上がってきており、当初のような最後方からの追い込みでお祈りするしかないという馬ではなくなってきた。重賞勝ちこそないけれど、複数のスプリント重賞で好走しつつ、1400のOPで勝利経験があるのはこのメンバー内でも条件次第では通用し得るストロングポイント。
前が苦しくなる展開になれば、中団後方から外を伸びて突っ込んでくる可能性は十分あり得る。調教からも好調キープと言った感じでここは期待したい。
△オオバンブルマイ
吉村厩舎2頭出しでどちらも好走条件に該当しつつ内枠をゲットしたというのはかなり面白い。
初の斤量58㎏というのが気になって△評価にはしたが前走の末脚は常軌を逸したキレであり、今回も最内からあそこまで極端な競馬になるかは分からないが、持ち味を発揮することが出来れば十分チャンスあり。
△ナムラクレア
前走は崩れたが久々に内からポジションを取る競馬。体力の完成度でマイナスがある3歳時にこの条件で僅差の5着までは来ており、ミッキーアイル牝馬的にかなり逆風の強い中山コースでも好走し得る条件はそろっている。
調教時計の出し方からもここに全力を賭けるという感じの気迫を感じる好時計。好枠もゲットした今回、抑えておきたい。
×モズメイメイ、ピューロマジック
正直条件に該当したからというだけで抑え。
顕著な傾向に基づいて馬券を組もうというときは、どんなに自分の中で逆らいたくとも、徹底しなかったせいで外した場合にとんでもない後悔を残すことになるのでここは抑える。
【まとめ】
今回はこれまで積んできたキャリア、枠、血統などにスポットを当てての予想なので展開には予想の中で触れなかったのでちょっとだけここで。
逃げはなんだかんだピューロマジックになるんじゃないかなと思っています。調教では前に馬を置いて我慢させていましたが、前走の内容も踏まえると前に馬を置くのが主目的ではなく、我慢しながら足を溜めるのが主目的なのかなと。流石に逃げて重賞を2走している上に、これだけ圧倒的な初速の速さという欲しくても手に入らない武器を持っているのに逃げという脚質を捨てるとは考えづらい。突っ走って恵まれることを祈る逃げ馬じゃなく、ポジション優位を活かして終いもまとめながら安定して好走できる逃げ馬を目指しているというのが自分の見解です。
枠並び的にビクターザウィナーの内にピューロが入ることが出来たので、いつものようにスタートを切って、追い風と二の足の速さを活かしてハナに、スピードがあるのでビクターが外から迫ってくる上に、大外に入ってしまって無抵抗に外を回しては正気が無いウイングレイテストがポジションを取りに来るでしょうし隊列があっさり決まってのスローは考えづらい。外からの主張に対してピューロがポジションは譲らずに勢いにのって、結果前半は32秒後半でしょう。カジュフェイスが単騎で逃げても32.7なのでこのメンバーで33秒を切らないのはちょっと考えづらい。そこまで早くなってしまうと前は苦しく、ビクターザウィナーも勝っているのは自分のペースで逃げられた時と考えると逃げ残りの線は薄い。ならば内の好位で脚を溜めた上で差足を伸ばせる馬。
そこで候補になってくる馬の内血統条件を満たし、枠もいいところをゲットできたのが印4頭ということです。好位差しのマーベルかマカオが勝ち切って、3着に吉村厩舎のどちらかが差し込んでくれれば完璧です。吉村厩舎の2頭が届かない場合はナムラクレアが3着に居るでしょう。
ということで馬券は
〇単勝 ウインマーベル
〇馬連・ワイド 2-3
〇3連複 2-3-1.4.5
3-1.2.4.5-1.2.4.5.8.10
〇3連単 3-2-1.4.5
もう本命対抗で鬼絞り、単勝と馬連ワイドが本線。
3連系は血統と枠の系統がもろに出たうえでハマった時に場合によってはとんでもない配当になり得るので、本線からの絞り馬券と広げて高配当狙い。3連単は折角なのでという感じで添えておきます。
いやぁ……今回は結構自信があるというか、自分の中でかなり納得感のある印の回し方ができたかなと思うのでレースが楽しみですね。
現地で観戦する予定なので、ゴール前でマーベルの名前を叫びたいと思います!!