【R6.3.2】オーシャンSの予想

【ハイペース必至か!?】

 メンバー構成的に逃げ候補は内から
4グレイトゲイナー
10ビッグシーザー
16シナモンスティック
 の3頭かなと、そしてそれの後ろにつけたいのが前走好スタートから押切を決めたヨシノイースター、外枠に入ってしまったのでロスを抑えるためにもある程度前に行きたいトウシンマカオ。かなりポジションを取りたい馬が内外に散らばったなという印象。
 コースレイアウト的にスタートからの2Fが下り坂になっている中山1200なので、こういった前に行きたい馬が内外で散らばったような枠並びだと、押して押して取りたいポジションに入ろうとするため、かなり勢いがついてしまう。ラップとしては遅くとも12.0-10.5-11.0みたいに2F目が極端に早く、ある程度隊列に決着がついた3F目でコーナーにも入るので勢いが落ち着くけど結果的には33秒台前半で折り返すようなハイペースになりやすい。今回はカーバンクルSで内に固まったにもかかわらず33.1のペースを作ったグレイトゲイナーとシナモンスティックが内外に分かれてしまったので、遅くとも33秒前半、下手したら勢いがついて32秒台というのもあり得るのではないかなと思う。

【馬場を読む】

 中山は金曜の明け方に結構な量の雨が降ったことで、金曜昼の発表では重でクッション値7.5、午後からは晴れたことで夜時点で稍重まで回復しているとは思うが、土曜日は稍重スタートから開催中に乾いてレース実施時には良馬場でできるかなと想定。
 気になるのはクッション値、ここのところ開催の度にベースのクッション値がコロコロ変わる中山、先週も雨の影響だったので今回のベースがどのあたりに設定されているのかは判断しづらいが、先週の日曜朝時点が良でも8.8にとどまっていたことを考えると9の前半くらい、やや低めが基準になっているような予感。中山らしい10前後のカチカチ高速前有利馬場にはならなさそう。
 そんなややソフト目な馬場な上に、先週かなり馬場が渋った状態でレースが行われたことで2週目にしてやや内側には痛みも出てきているとなると、想定しているようなハイペースでも構わず前が止まらないような状況ではないのかなと思う。

【狙いたいのは……?】

 馬場と枠並びから想定するのは”過度のハイペースからの中団差決着”です。そこから狙いたいのは”①ハイペースにの失速戦に対応できるだけのスピードは最低限持っている””②流れに対応した上で最後の急坂をこなせる馬格・パワーを持っている(中山実績があると良し)””③ハイペースのスプリントで力を発揮するサンデー系を父か母父に持っている”このあたりの条件を満たしている馬。
①は直近1年間で1200の持ち時計が1.08.0以下を条件とした場合に満たしているのは
・バースクライ
・ショウナンハクラク
・グレイトゲイナー
・ボンボヤージ
・ジュビリーヘッド
・シュバルツカイザー
・ビッグシーザー
・オタルエバー
・トウシンマカオ
※カイザーメランジェ(千直不良馬場で57.3)
②前走時点で馬体重480㎏以上&中山で3勝C以上勝ち
・バースクライ
・ヨシノイースター
・ジュビリーヘッド
・シュバルツカイザー
・カイザーメランジェ
・オタルエバー
③父か母父にサンデー系
 これは今回満たしていない馬の方が少ないので
・シュバルツカイザー
・ビッグシーザー
・オタルエバー
 の3頭以外。

 よって3つの条件を全て満たしているのは
◎バースクライ
〇ジュビリーヘッド
※カイザーメランジェ
 文句なしで満たしているのがバースクライ。馬体重、タイム共にギリギリで満たしたのがジュビリーヘッド。1000直のスピードに対応して勝利した分で許容するならばカイザーメランジェもという感じ。
 他にも②だけ満たせていない馬の中でも、実はこのメンバーで1200持ち時計最速のダディーズビビッドや前走が1200m初だったので時計や舞台実績が無いだけのバルサムノートあたりは面白いかなと思う。

【予想印】

 ということで予想印としては
◎1バースクライ
〇7ジュビリーヘッド
▲8バルサムノート
△12カイザーメランジェ
 これで行きたいと思います。

【各馬の評価】

◎バースクライ
 今回メンバー内で最も条件が揃った感が強いので逆らわずにここから。
 前走はスプリント重賞初挑戦だったが流石に枠が厳しく勝負にならなかった。結果的にある程度前目のポジションや内を活かして上手く立ち回った馬が上位に行くようなレースだったので、ロスを抑えるために引いて足を溜めることを選択したこの馬には向かなかった。大きく評価を下げる内容ではないかと思う。
 今回最内なのでスタートで全てが終了する恐れはあるものの、出遅れのリスクは究極どの馬を選んでも存在するのでそこは割り切って無視。
 2走前の南総Sがまさに今回想定しているような展開。前半のレースラップが33.0のハイペースになったところを内の3列目くらいで溜めながら、直線では馬郡を割って強い差し切り。今回も最内を活かして似たような走りができれば十分チャンスはある。
 重賞の望来騎手を狙えるのかという点についても、自分の印象では”スタートから決め打ちでポジションを取りに行かない””道中は馬のリズムを重視で足を溜める””最後は足を溜めた分しっかり追い込んでくれる”という騎乗が多いイメージなので騎乗している馬がこの乗り方で来られるかどうかを判断するのがポイントかと思う。
 今回のレースであれば、最内だからと焦ってポジションを取りに行かずハイペースに巻き込まれないことがむしろプラスに働きそうで、ロスの少ないコース取りから末脚を伸ばすのは展開的にもハマりそうなので全く問題ないかなと。
 ハイペース戦になった時に牝馬の55㎏も優位に働きそうで、調教の動きも特に文句の無い好内容だったので、ここはこの馬から。

〇ジュビリーヘッド
 今回は過度なハイペースで前が苦しくなるような展開を想定しているが、レース質的にそういった展開になりやすい重賞がこの馬の得意とする函館SS。昨年の函館SSなんかは前半33.0で前が早々に崩れる厳しいレースだったが、それをある程度前目からしぶとく伸びて勝ち馬に0.1差のかなり強い内容。ハイペースで他の馬が苦しくなる中でもしぶとく足を伸ばすことが出来るのがこの馬の魅力。
 中山でも何度も馬券になっており、昨年の同レースでも1人気に推されて馬券は逃したものの掲示板は確保。
 昨年のスプリンターズSはスタートから行き脚つかず何もできず、前走はスローからの瞬発力勝負が全くこの馬の適性に合わずと崩れてはいるが、自分の形にハマっていないだけで衰えがあるような感じはしない。
 今回休み明け一発目だが、調教からも前進気勢の強さが感じられ、好時計でまとめられた良い内容。前走馬体重増でふっくらと見せていたところから、安田調教師ラストウィークで仕上げられていればここは人気薄からでも一発あっておかしくない。
 オーシャンS自体、コース形態的にも時期的にもスピードだけで押しきれるレースにはなりづらく、過去の結果を見ても高齢馬の活躍が目立っている。久々に自分の得意な展開になりそうな今回、積極的に抑えていきたい。

▲バルサムノート
 前走初のスプリント戦で不利な8枠から不利な展開でも能力を示した形の4着。小倉でそこまでペースは速くなかったものの、特に促さずに流れについて行くことはできており、スプリントのペースへの対応という点では特に課題は感じなかった。むしろ2走前の1400m戦を前半3F33.5のハイペースを番手から押し切っているように、ハイペースの単距離戦自体は合いそう。
 馬体重も今回のメンバーでは数少ない500㎏近い大型馬、これまでの戦績からも急坂は特に苦にしていないので、中山は適性がマッチする可能性あり。
 今回、スタートが上手くポジション取りの意識も高いキング騎手への乗り変わりはプラス要素として強く、4枠8番と動きやすい位置から好スタートを決めることが出来れば中団のベストポジションに納まることが出来る可能性は結構高いんじゃないかと思う。
 調教もこの馬としてはいつも通りの時計の出し方でゆったりとした全体時計から終い11.7と切れのある伸び。今回で急上昇という感じではないもののいい意味で平行線の好調キープ。
 条件合いそうだが、実績不足で人気をしないこのタイミングでこそ積極的に狙っていきたい。

△カイザーメランジェ

 超大穴で気になるのがカイザーメランジェ。
 前走シルクロードSで殿負けとなっているが、どう考えても荒れた内を先行したのが敗因。年明けでソフトな馬場になっていた京都でテイエムスパーダが33.4の流れで引っ張るのに続くように前半33.9で最内から先行。勝負どころでは既に足が上がっていたが、この前走で先行したことが大きな収穫になる可能性はある。
 前述のとおり京都はスタートから2F目が上り坂になっており、後半は下りで勢いがついたところから平坦が続くので、後傾ラップになりやすいが、時計がかかる馬場状態だった京都のしかも最内から押して押して先行しての33.9はかなり負荷が高かったと思う。
 この馬も今年で9歳になるので、正直好走はかんり厳しいとは思うものの、前走内容を考えると今回は少し夢のあるタイミング。
 キャリアを見ても、少しタフな条件で先行した次走控えた時に上位の上りを使えている。昨年も重馬場の春雷Sで先行→函館SSで控えて上がり3位の4着、稍重の青函Sで先行→次走控えて上がり2位の33.1。
 じゃあ前走シルクロードSで荒れたインを先行→今回はどうなるのと考えるとひょっとしたら?と思ってしまう。
 昨年も8歳だから…と侮られながら、スプリントの中でも最もスピードが求められる1000直で不良馬場だったとはいえ57.3でルミエールADを勝利。この年になっても大きくスピードに衰えがあるようには見えない。
 そして、好調をアピールするかのように一週前に坂路で53.7から12.8-12.3の加速ラップで好時計、日曜にも坂路57.0から終い12.9の加速ラップと、好時計を出しながら調整が進められている。中野英治厩舎ラスト重賞で渾身の仕上げになっている可能性は大いにある。
 出走してくるメンバーの多くが前走で緩い流れを走ってきているので、厳しい競馬をしてきたカイザーメランジェが高配の使者になる可能性もゼロではない?

 週頭の考察でも超穴で気になる馬として挙げたカイザーメランジェ。
 最終追切でも抜群の動きを披露しており、本当に状態が良さそう。ジュビリーヘッドのところでも触れたが、今回求められる適性と近いものが求められそうなレースが函館SSだが、カイザーメランジェは勝利実績あり、昨年も4着に追い込んできており相性はいい。
 高齢馬が活躍しやすいレースとは言っても流石に9歳馬の成績はふるっていないが、近走から比較しても抜群の状態であればもしやがあってもいいのかなと。殿人気になりそうなのに狙いたい要素満載なので、ここはしっかり馬券に含めて、高めを狙いたい。

【無印の各馬】

(紐で抑える)
・ショウナンハクラク
 好枠から如何に上手く競馬ができるか。
 ポジション取りが安定しない馬だがスタートが決まった時はある程度前目に行けるテンの速さはある。
 血統的にはスプリントというよりは1400がベストだが1200も守備範囲内という感じで今回のような中距離質な適性も求められるのは合いそう。
 調教でも好時計で活気ある動きが出来ており、中山の内枠での捌きはかなり上手い戸崎騎手への乗り替わりもプラス。

・シュバルツカイザー
 サンデー系が無い分、過度なハイペースになってしまうと合わないかなと思って印は回さなかったが、能力は足りている。
 DarkAngel産駒自体、こういったハイペースからの失速戦にはある程度の耐性があるので、ペースや位置取り次第ではこなせる。前走から斤量減も面白いが、前走比較でクッション値が下がるのはあまり嬉しくない。

・キミワクイーン
 馬格不足で時計負けしそうな感が否めないが、調教映像からは成長を感じられる。デムーロ騎手への乗り替わりとハイペースが上手くハマればチャンスはあるか。

・ダディーズビビッド
 外枠じゃなかったら印を回していたかもしれないが、この枠からだとちょっと位置取りが悪くなりそうで、よほど時計が掛からない限り、終いのキレも不足。浜中騎手がどれだけ積極的にポジション争いに参加してくれるか次第。

(軽視)
・グレイトゲイナー
 近走は森厩舎好成績パターンの時計が多く、結果も出ていたが今回久々に終い大きく減速してしまっておりパターンからずれる。展開的にも恵まれなさそうで、外からプレッシャーをうける窮屈な逃げが想定される

・ヨシノイースター、マテンロウオリオン、ボンボヤージ
 内目の枠を取れたのは面白いが早い時計への対応が求められる今回、どうしても時計負けしそう。

・ビッグシーザー
 こちらも人気しそうだが、本質的に前走の京都のような時計のかかるタフなコンディションでの前残りがベストであり、今回のようなハイペースでの力比べではまだ力不足。

・トウシンマカオ
 前走があまりにもスローであり今回一気の高速化で力発揮できるかかなり疑問。外から勢いをつけて前に行くも外々回されそうだし、後方に構えて終いを活かすにはコースレイアウト的に厳しい。
 菅原騎手が盲腸で騎乗できないので武史騎手への乗り替わりもマイナスで、賞金的にも次につながる競馬ができれば問題ないタイミングでもあることから、ここへの勝負気配もいまいち。

・オタルエバー、シナモンスティック
 外枠厳しい。

【まとめ】

 本命は上位人気からバースクライを信用して、相手を穴目から狙いに行く方向で今回は勝負したい。
 馬券的には
・単勝 バースクライ
・ワイド ◎-〇▲△
・枠連 1-4枠
・3連複フォーメーション 1-7.8-3.7.8.9.11.12.13
 で行きたいと思います!
 展開決め打ちがハマるかどうかの予想になりましたが、上手くハマることを祈りたいですね。馬の適性ももちろんですが、こういった条件こそが岩田望来騎手の狙いどころだと思っているので、どういった騎乗をしてくれるかにも注目したいです。

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