【R5.1.6】中山金杯の予想

【予想の方向性】

　新年初日に中山2000mで行われるハンデ重賞ということで当然難解。人気サイドで固く決まることはそこまで多くない。
　中々どこから考え始めればいいかが難しいレースではあるが、過去の中山金杯を見直していて見えてきたのは”基本的にはロングスパートの失速戦。タイトなペースに対応しながらも最後まで止まらない馬力とスタミナが重要なレース”ということ。
　ここを好んで出てくるような馬は基本的には末脚がキレるタイプの馬は少なく、早めの仕掛けから長くいい脚を使って最後まで伸びるような馬が多い。それに加えてハンデ戦ということで更に仕掛けのタイミングが早くなりやすく、ラストは皆苦しくなる中で先行からしぶとく粘り切る、若しくは中団から差してくる馬が好走につながりやすい。
　あまり後方から差しに構えて馬券になるレースではなく、過去10年で見た時に上がり1位の馬が3頭しか馬券になっていないというのはかなり少なく勝ち馬は1頭のみ。更に10年拡張して過去20年で見ても勝ち馬は1頭、馬券内が6頭とある程度ポジションが取れる馬から選びたい。
　このレース質を踏まえて馬を選ぶときに重視したいのは次の3つ。
・ある程度前目の位置で競馬ができる
・スタミナが求められる失速戦、上がりのかかるタフなレースでの実績がある
・血統的にも上記の展開への適性を高める欧州系のタフな血統を持っている
　これに加えて、中山はCコース替わり初週で外枠の馬はロスが大きくなりやすく不利であることから、勝ち馬候補を考える場合は、ある程度内目の枠に入れた馬（目安としては5枠より内）から選んでいきたい。

【各条件の該当馬をチェック】

〇ある程度前目の位置で競馬ができる
　ロングスパートで逃げ馬に負荷がかかりやすいレース質ということもあり、逃げ馬は馬券内に粘り込んでも中々勝ち切ることは難しいので番手～出走頭数の半分より前のポジションで競馬が得意な馬を重視。
　今回の出走メンバーだと
・エピファニー
・ボーンディスウェイ
・ククナ
・アラタ
・サクラトゥジュール
・クリノプレミアム
・マテンロウレオ
　あたりが実績としては悪くない。

〇スタミナが求められる失速戦、上がりのかかるタフなレースでの実績がある
　これについては正直今回のメンバーだとここに出てくるだけあって、どの馬も上がり35秒台が最速になるようなタフなレースでの実績を持っている。これまでのキャリアでは比べ辛いので前走のレース内容から注目したいのは次の3頭。
・エピファニー
　前走のチャレンジカップはレースラップが12.5-11.3-12.5-12.1-11.5-11.9-11.9-11.7-11.6-11.8と中盤で落ち着くタイミングが無く11秒台が続くレースだったが、これを外から早めに動いての仕掛けで3コーナー10番手から4コーナーでは5番手までポジションをあげる競馬。それでも止まらずに上がり2位の34.7でまとめており、ロンスパ適性を見せた。
・ボーンディスウェイ
　前走の常総Sではレースラップ12.8-11.9-12.3-11.7-11.6-11.7-11.5-11.5-11.9と11秒台の中盤が続く展開で、時計が出やすかったとはいえ中山1800としては中々タイトなレース。これを逃げ馬を見る前目のポジションから58㎏を背負って勝ち切ったのは今回のレースにつながる内容であり、ゴール前デコラシオンに躱されそうなところから差し返す勝負根性を見せられたのも評価できる。
・サトノエルドール
　前走の中日新聞杯では6着、前2頭がやり合う形で差決着となったレースで後方からの競馬ではあったが上がり3位の34.1で17番人気単勝256.3倍ながら掲示板まであと一歩のところまで差し込んできた。
　実績から見ても前が止まるようなタフなレースに強く、今年で8歳になるが前走は直線での進路どりがスムーズならば馬券内もあり得た伸びだったので能力的には展開がかみ合えば馬券内はあり得ても良い。

　これに加えて、2走前の内容にはなるがレースラップが12.6-11.2-11.4-11.6-11.6-11.9-11.3-11.4-11.7と、ハイレベルだったメイＳを好位から上がり最速で差し切り勝利、今回1人気想定のエピファニーに勝利しているサクラトゥジュールにも注目したい。

〇血統的にも上記の展開への適性を高める欧州系のタフな血統を持っている
　傾向から見ても母系に欧州系、特にドイツ系のタフな血統やロベルト系を持っている馬の好走が目立っており、今回のメンバーで血統の適性が合いそうなのは
・エピファニー
・リカンカブール
・マイネルファンロン
・クリノプレミアム
・ボーンディスウェイ
・サクラトゥジュール
・マテンロウレオ
・ゴールデンハインド
・サトノエルドール
　あたりかと思う。

　これを踏まえて予想印に入っていきたいと思う。

【予想印】

◎8ボーンディスウェイ
〇6クリノプレミアム
▲4エピファニー
△9サクラトゥジュール
　これで行きたいと思います。

【各馬の評価】

◎ボーンディスウェイ
　注目ポイントには全て該当。クッション値の高低を問わずに中山コースでは走れており3-2-1-4と上々。馬券外となった4走はホープフル5着、皐月賞14着、セントライト記念6着とハイレベル戦が3戦と大外枠からポジション取れず、そのまま前目の馬での決着となった3勝クラスのレインボーSと評価を落とす敗戦ではない。
　前走内容が非常に良く、距離延長ローテで斤量－3㎏というのも悪くない。枠も4枠8番と動きやすい内目の偶数枠を引くことが出来た上に、内目にポジションを取りたい馬が少ないので取りたいポジションに無理せず納まることが出来そうというのも良い。
　追切での動きも非常によく、時計の出し方を見てもかなりの勝負気配を感じるところであり、年末の開催から中山中距離で活躍の目立つハーツクライ産駒、弥生賞ではアスクビクターモア、ドウデュースに次ぐ3着となったこの舞台で飛躍に期待したい。

〇クリノプレミアム
　中山、福島の中距離戦に強い適性あり、キャリア5勝の内2勝が今回と同じ2Fの距離延長ローテというのも不気味であり、前走ターコイズSを使ってきているのも金杯を見据えてのものに見える。
　前走は坦々としたペースで前目からある程度の切れ味を求められるレース展開だったので、中団後方から進めたこの馬には出番が無く、そもそも外枠だった時点で好走は絶望的だったので評価を落とす内容ではない。
　今回3枠6番という絶好枠を引くことが出来たので、前走マイルという臨戦過程を活かして、スタートからイン前のラチ沿いを確保することが出来ればかなりのアドバンテージであり、得意舞台で巻き返しに期待ができるタイミング。
　もう7歳ということもあり、好条件で走れる今回に向けて追切の動き、仕上がりも良い。金曜日時点ではクッション値10.1と高めに出ている中山だが、オルフェーヴル産駒はハイクッション値とも相性が良く、人気落ちになるこのタイミングで強気に狙ってみたい。

▲エピファニー
　人気にはなるが実績的にも、血統的にも割り引く要素が無く、あとは内枠をどう捌くか次第。上手く揉まれない位置につけて自分の競馬ができれば大きく崩れることは考えづらく、前走から引き続きの57㎏で出走できるのは大きい。
　追切の動きも好調キープという印象であり、順当に評価して3番手評価。

△サクラトゥジュール
　2走目の内容の評価が非常に高い。メイSの出走馬からはかなり活躍馬が多く出ており、それを勝利したのはかなり価値がある。
　前走の関屋記念では6着だったが、追切の時計的にもあまり状態よさそうに見えず、レース内容としてもポジション取れずの最後方から上がり最速で差し切れずと評価を落とすものではない。
　中距離戦に戻ることでこの馬本来のポジション取りから競馬ができれば十分に好走の可能性あるかと思う。
　追切の動きも今回は悪くなく映るところであり、枠としても5枠とギリギリ内目のところに納まることが出来た。能力はある馬と思うのでここは期待したい。

【無印の各馬】

（紐で抑えたい）
・リカンカブール
　追切の動き悪くなく、前走も後方からの競馬となった分の7着でありエピファニーとは0.3差。今回エピファニーが57㎏だがこちらは56㎏で出走できるのは大きいが、近走のような追い込みの競馬だと展開の助けが必要であり、あまり後方の馬が恵まれるレース質でもないので抑えまで。

・マイネルファンロン、サトノエルドール
　中日新聞杯では2頭ともに似たような内容であり、今回のレースへの適性は悪くない。2頭ともに追切の動き上々で人気もなさそうなので抑えておきたい。

・ゴールデンハインド
　隣のホウオウアマゾンとの兼ね合い次第ではあるが逃げて自分の競馬があれば馬券内に粘り込む可能性は十分ある。3連系を買うのであれば抑えておいた方がいい。フローラSの内容優秀でありロンスパ適性、中山適性も高い。

　他の馬については馬券の構成的にも、今回は割り切って軽視したい。

【まとめ】

　中山金杯はボーンディスウェイと木幡巧也に託してみたいと思います。大好きなマテンロウレオも出ていますが関西圏以外での成績の悪さと58.5㎏では流石に手が出ず……
　マイネルクリソーラも面白そうには見えますが、タイトな展開というよりは洋芝、重馬場など物理的に時計のかかる馬場への適性が高そうに見えるので、8枠となった今回は思い切って軽視で行きます。
　馬券としては
〇単勝　ボーンディスウェイ
〇ワイド　◎-〇▲△　の3点
　をメインに
〇3連複フォーメーション　8-4.6.9-3.4.5.6.9.11.16
　を当たったらラッキーぐらいな感じで軽く押さえておこうかと思います。
　今年は無理に3連系を狙いすぎずに本命の単勝を中心に勝負していきたいと考えています。
　幸先のいいスタートが切れますように……！！