【R6.12.15】朝日杯FSの予想
【先週の反省を踏まえて】
先週の阪神JFと同じく京都1600で行われる今年の朝日杯。
先週の予想では
・京都1600外回りは息を入れたいタイミングである4F目で登り坂があり、仕掛けるにはまだ早い5F目で下り坂がある非常にスタミナの消費が激しいコース。
・まだまだ完成度の低い2歳牝馬では、ハイレベルなスピード馬が揃ったレースではここに気を使ったペースにしなければ前はあっけなく潰れるだけ
・ならば前に行った馬が残すために極端にペースを落として中だるみの瞬発力戦に、つまりは前有利になるのでは?
という発想で二の足が早く安定して前を取りに行けそうなミストレスを狙ったわけですが的中できず。
結果的に阪神JFのラップは
12.1-10.6-11.5-12.3(46.5)
12.0-12.0-11.5-11.4(46.9)
4F目で12.3に緩むのは予想通りだったが、意外だったのが5F目が12.0と早くなったところ、ここをそ~~っと下って残り3F勝負になってくれることを期待しての本命ミストレスだったので、ここが早くなってしまった時点でかなり厳しかった。
この結果を踏まえてかなり可能性として高いのは”早い時期”×”ハイレベル戦”×”多頭数”の条件が揃った場合”下りでのスピードアップを我慢するのは不可能”ということ。
「ペースは逃げ馬じゃなくて番手の馬が決める」なんて言葉もありますが、前がペースを落とそうとしても番手の馬が押し上げて来ればそれに対応しなければならない。それは3番手と2番手の関係も同様で、番手の馬が逃げ馬の後ろというポジションを守りたい時間帯に後ろが押し上げて来れば連鎖して押し上げざるを得ない。つまりは、この京都外回りの5F目にある下り坂をそ~~っと下るためには、先行馬郡に居る全頭がそ~~っと下ってくれないと実現しない。気性面でもまだ幼く、しかもスプリント質の馬も交じってのレースになるこの時期の1600G1ではそんなこと起こりえない。ほぼ100%の確率で早仕掛けの消耗戦、先行勢にはかなり厳しい展開になる。
先週の阪神JFの上位は
・アルマヴェローチェ:渋った札幌1800で牡馬に交じって上がり最速&短縮ローテ
・ビップデイジー:前走は京都1800で外回り経験あり、前走上がり最速からの短縮ローテ
・テリオスララ:前走は京都1800で外回り経験あり、前走逃げて上がり最速からの短縮ローテ、内で前に馬を置く形で脚も溜められた
と馬券内に好走した3頭は坂をこなしながらのスタミナを要する展開に強いローテを歩むことが出来ていた。
先週の反省を活かすのであれば
・コースの形態上どうしてもかなりスタミナを要する展開になってしまう。
・特に先行馬はスピードを落としたいタイミングで後ろから掛かり気味に仕掛けてくるので苦しくなりやすい
→距離延長ローテや同距離の先行馬にはかなり厳しいレースになる
→翻って短縮馬にかなり有利なレースになりやすい
っつーことですね。
【改めて朝日杯のメンバーを見渡す】
絶対阪神JFより早くなるでしょうこれは。
距離延長馬が内から
・ランスオブカオス
・コスモストーム
・クラスペディア
・ニタモノドウシ※(札幌1500ではあるが一応延長カウント)
・パンジャタワー
・エイシンワンド
と6頭、しかもクラスペディア、エイシンワンドはスプリント重賞で前目からワンツーしているくらいのスピード能力を有しており、前走の京王杯2歳でも掛かり気味にペースを上げてしまっている。
更にマイルの逃げ先行馬として
・ダイシンラー
・アドマイヤズーム
・アルレッキーノ
・トータルクラリティ
・ドラゴンブースト
・タイセイカレント(前走は出遅れただけで可能であればポジションは取りたいはず)
とメンバー的にかなり先行力というか先行意識が高そうな馬が多い。
特に展開を考える上で、アルレッキーノができれば揉まれない競馬を選択したいこと、内にポジション意識の高い川田騎手が入ったことで被せられて不本意に後ろのポジションにならないようにある程度張り出してくる可能性が高い、アルレッキーノが多少飛ばし気味に先行しようとしたところでクラスペディア、パンジャタワー、エイシンワンドあたりのスプリント組が競りかけてくる可能性がある。とどう考えてもペースが落ちるとは思えない。下手すると上りでも緩まない可能性までありそうな上に、下りでは間違いなく早めにペースアップする、先週の阪神JF以上に強烈な消耗戦になると想定される。
じゃあ狙うべきは距離短縮ローテの馬ですよ!今回の距離短縮馬は……
・ミュージアムマイル
・エルムラント
・テイクイットオール
の3頭ですか……なるほどね。
【予想印】
◎9エルムラント
〇4ミュージアムマイル
▲14テイクイットオール
△8アルテヴェローチェ、15ドラゴンブースト
で行きます…………ごめんなさいふざけてる訳じゃないんです、当てる気で印打ってます、本気です許してください!!
【まずは本命の理由を詳しく】
エルムラント……前日オッズでは殿人気ですか……
まあ人気を落としている理由としては実績的に未勝利を勝っただけの馬であり、前走は葉牡丹賞に挑戦して殿負け、そこから中1週でのG1挑戦、しかも関東馬なので遠征もありとそんなところですか?そりゃ人気するわけないですね。
まず前走、前走の葉牡丹賞は大外枠から枠なりに外を回すのを避けて、押して出していった結果が前半3F34.3とマイル並みのハイペース。2歳時の中山2000でこれは明らかなオーバーペースであり、そのまま1000通過が59.4。しかもそこから息を入れさせてもらえずにラスト5Fが11.9-12.2-12.0-11.7-11.6と早めに11秒台が挟まるかなり厳しいラップ。インでじっと我慢していたヴィンセンシオが勝利、後方待機で追い込んだ2頭が2.3着とかなり極端なレースとなった。それを逃げちゃあね…そりゃ負けますわいと。
でも逆にですよ、前走でマイル並みの前半スピードを求められながら2000の中でも特にタフな中山2000を逃げ潰れ。今回出走の全馬を見渡してもこんなに苦しいレースを経由してきている馬はおらず、短縮組の中でも特に早いペースを経験しているというのはプラスにもとれるポイントと言っていい。
更に中1週ローテで気になるのは状態面、前走でそれだけ厳しい競馬をしておきながらまともな状態で出走できるのかというのが気になるところですが……これが調教の動き良いんですよ。
映像があるのは前走の最終追切と今回の最終追いだけですが、むしろ前走を使って体のハリ艶は増しており、時計は地味ではあるもののかなり足取り軽快、直線を向いての推進力が高く少なくとも調教の動きからは前走以上を期待できる。しかも最終追切の後に金曜にも軽めの坂路を入れるなど、余裕を感じさせる負荷のかけ方。前走の疲労は気にしなくていいのではないかなと思う。調教後馬体重も減ってなかったですし。
更に推せる要素として、未勝利勝ちがタフな馬場になっていた新潟芝で外目先行ポジションから早め抜け出し、0.7差千切る圧勝とかなりスタミナを示す内容。元々スタミナを有しておりながら今回2Fの短縮で臨めるのはかなり良い。
そしてその短縮がどうなんだという点ですが、母父がExceedAndExcel、これは大きい。今年のクラシックではジャスティンミラノ、ライトバックが母父ExceedAndExcelで好走、前走比でのペースアップローテへの対応力を見せており、流れに対応しながら足を溜められた時の破壊力は凄まじかった。
その2頭と同じ父ディープ系×母父ExceedAndExcelというのも良く、ハイペースになりそうなレースに短縮ローテで臨めるというのはいかにも噛み合いそう。
単距離質な馬が果敢に先行するのを見る位置、中団前目あたりに構えながら競馬ができれば勝ち負けできる可能性はかなりあると思うので、ここは強気に本命から勝負してみようと思います。
【対抗以下】
〇ミュージアムマイル
前走の内容がとにかく強烈なのは散々いろんなところでいわれていると思うのであえてここで深掘りはしませんが、まあ一言で言ってしまえば凄まじい後半の持続力を見せたわけです。
後半1000mが12.5-11.7-11.2-11.3-11.6で58.3、前半がスローだったとは言えこのラップは古馬の準OPでも通用しそうなハイレベルラップ。それを外回しでコーナーで一気に捉えて上がり33.7でまとめ、自身は57秒台後半で1000mを走破と凄まじいの一言。
この馬を本命にするというのもかなり考えましたが、どうしても信用しきれなかったというか、これはあくまで来年のダービーまでの道のりを見据えてのレース選択に見えてしまい、スタート後の早いペースの対応に苦慮しながら最後は良い伸びを見せて2.3着まで…というイメージがどうしてもぬぐえなかった。
調教の動きも悪くはないものの併せ遅れで覇気にはやや欠ける印象否めず、強いことは認めつつもこの人気であえて本命で頭から勝負するか……と考えると手が出ず対抗まで。
▲テイクイットオール
まずは距離短縮ローテの馬を好評価したいというのもあるが、スタミナを要する展開になった場合前走の内容はプラスに働きそう。
京都2歳Sはインがタフな状態で行われており馬券内3頭は控え気味のポジションから外を回して進出した馬。そんなレースでテイクイットオールは最内枠を引いてしまい終始内の荒れたところを走らされてしまった。
勝負どころでも中々外に持ち出すことが出来ず6着でフィニッシュではあるが着差は0.6。展開的に不利がありながらエリキングの0.6差だったら大きく評価を下げる内容ではなく、スタミナを要するレースになることが想定される今回はその経験が活きてくる。
新馬戦ではスローの展開でしっかり足を溜めて上がり33.2の切れも見せており、距離短縮で後方待機となりそうな今回は同様に鋭い上がりを直線で見せてくれるかも。
調教も抜群とまでは行かないが前走比較で時計を詰めながら動きも上々、ハマればミュージアムマイルの後ろをついて行くような感じで馬券内に滑り込んでくる可能性も十分あると見て▲に。
△アルテヴェローチェ
前走は稍重の東京1600を1.33.0と破格の時計で走破しており、このメンバーに入っても上位評価が必要な実績。
気性がかなり前向きで、前走もペースがかなり流れてくれたおかげで何とか折り合いも付き、上がりを求められない展開を馬場の良いところまで一頭持ち出して持続力で差し切ったという形。
かなり気性面や適性面でハマったレースにも見えるので、かなり人気をする今回中々強くは買いづらいが、ハイペースの消耗戦になればこの馬としては前走のように競馬がしやすくなるかも。
中団で溜めながら余力を残して直線を向ければ前走のように突き抜ける可能性も十分と思うが、むしろ下りで掛かり気味に進出してしまいそうな気性面の課題を考えるとこの人気では強気に買いづらい感もある。
調教も悪くは無いが前走比較だと変に大人しくお利口な走りになっており……
△ドラゴンブースト
今回調教が最もよく見えたのでというその1点で。
前走は小頭数でスローからの切れ味勝負になってしまったのが合わなかっただけで、同舞台で2着は十分評価できる。
今回は外枠になった分これまでのように無理にポジションを取らずに中団で脚を溜めるような形になれば、消耗戦でしぶとく伸びるような新味にも期待できる。
【無印の取捨】
(延長馬は消し)
今回の予想コンセプト的にもとにかくスタミナ要する消耗戦になって延長馬には苦しい展開になると予想しているのでバッサリ行きます。
・ランスオブカオス
・コスモストーム
・クラスペディア
・ニタモノドウシ
・パンジャタワー
・エイシンワンド
前走までのパフォーマンス的には買いたい馬も居るんですが……ここは割り切っていきます。
(パドック次第で抑えておきたいのは)
・アドマイヤズーム
調教はかなり良い。
前走は京都内回りではあるが1.33.9の好時計で勝利、1000通過58.5とかなり流れた展開を前目でこなしており早いテンかいが想定される今回にもつながりそうな好内容。ただかなり内枠になってしまったのと切れ味はあまりなさそうなタイプなだけに、ポジションが取れなかったときにあっさり凡走というのもありそうと見て抑えまで。
(あとは軽視)
・ダイシンラー
厳しいローテで調教や前走内容等の面から協調材料もなくここは軽視
・アルレッキーノ
控えて良さが出そうな気性や脚質ではないだけに、前に行ったときに展開不利が大きそう。初遠征での入れ込みも懸念。
・トータルクラリティ
新潟2歳では本命を打ったが、その時との調教の比較で今回はどこかトモのハマりが悪く見えるというか、休んだなりの成長というのがあまり見えてこなかった。極端なペースアップもあまり歓迎できなさそうな上に、状態面でも強く推しづらいならば、今回は来られたら仕方ないで割り切ってもいいかなと。
・タイセイカレント
大外は流石に……内枠なら買いたかったんですが……
【まとめ】
今回はとにかく短縮ローテである程度ポジションを取れそうな馬を狙いたかったんです。
大荒れ決着になる時というのは、レース展開や舞台設定により生まれるバイアスが能力よりも重要になるタイミングで発生するんです。
今年のVMでも、単距離実績がないメンバーが揃ったレースでハイペースになった時に、1400質のスピードに対する経験値の有無が他の要素よりも極端に重要な要素となった結果発生した波乱。
今回のレースは何よりも”距離短縮ローテである”ということが好走に必要な条件になると見て、大穴から振り切ってみようと思います。
馬券としては
〇単複 エルムラント
〇ワイド 4.9.14BOX
9-8.15
〇3連複 9-4.8.14.15(2)
オッズを見ながらですが、基本はエルムラントの単複、というか複勝をメインに組み立てたいと思います。
いややっぱりね、2歳戦で使うにはこのコースはタフ過ぎますよ。ペース次第で古馬戦でもポジションで有利不利が発生するコースですからね、短縮ローテの一点のみで突破できることに賭けてみたい。
一応参考にできる重賞として、デイリー杯2歳とシンザン記念がありますが、多頭数になることが珍しい重賞ですので気づきにくいですが、シンザン記念では多頭数になった時は掛かり気味の展開で波乱が起きています。
多頭数になった時のシンザン記念以上にスピード質なメンバーが集まるG1の京都1600m、たまにしかない条件での朝日杯ですからね、大穴に賭けてみましょうよ!!