【R6.2.25】中山記念の予想

【狙いたい要素はシンプル】

 今回の予想で狙いたいのは”イン前の延長馬”これです。
 土曜日の傾向としても、やはりイン前優勢。他の時期の開幕週とは違い、この時期の中山の開幕週は年末年始の開催ではDコースが使われていたところから、守られていた内を開放してのAコース替わりなので余計に内外の差が最初は強く表れて、かなりの内有利になりやすい。このバイアスには逆らわずに内を活かして競馬ができる馬を上位に評価したい。
 明日の天気予報は昼過ぎから弱めの雨が降り始めるということなので、レースが行われるタイミングでは、やや上がりを要する馬場コンディションにはなりそう。開幕週で内外にやや差がある状況で上がりを要する馬場になってしまうと後ろで控えて外回しはかなりロスが大きく、通常の良馬場以上に前が有利になりやすいことが想定されるので、内を立ち回れる馬の中でも前目のポジション取りをできる馬を評価したい。
 そして”延長馬”。週頭に投稿していた「中山記念・阪急杯の展望&注目馬」でも書いた通り、出走メンバーの半分が距離延長馬、マイル重賞を使ってきた馬が先行集団をつくることになりそうなので、求められる追走スピードはマイル質のものになりそう。「ドーブネかテーオーシリウスが逃げるなら流れることは無いんじゃない?」という意見も多いかと思いますが、流れを決めるのは逃げ馬だけでなく周りにいる馬の動きにもかなり影響される。外枠に入ったエエヤンが大人しくしている可能性はかなり低いと思っていて、前走映像を見てもらえれば分かるが1400のハイペースでも「エエヤンが行きたいならば抑えません」という感じでデムーロ騎手が行かせようとしていたので、今回阪急杯ではなくこちらに来たのは、もちろん中山が得意ということもあるかもしれないが、「変に控えても良さが出せていないので、楽にハナを取れそうな中距離に延長してみる」という意図もあるかもしれない。また、前に行きそうなマテンロウスカイも自分が逃げた場合はかなりタイトなラップを刻むタイプ、エルトンバローズやソーヴァリアントは前走でマイルG1の厳しい流れを経験した上で出てきているので、前がスローに落とそうとしたら、スローの流れで余裕ありと早めに仕掛けてくるかもしれない。ドーブネ自身も前走で58.5㎏を背負ってタイトな流れを経験してからの今回なのでスピードの基準が上がっている可能性もあり、昨年出走時とは違う。あまり極端に緩い流れは想定されず、スタミナ的には2000まで守備範囲な前走マイル馬に向きそう
 ここまで書いてきた内容から軸候補は7ドーブネ、8マテンロウスカイ、9エルトンバローズあたりになりますが……それは後程。

【調教から気になること】

 オッズ的にソールオリエンス、エルトンバローズ、ヒシイグアスの3強オッズになりそうで、それにソーヴァリアント、ジオグリフが続いて上位5人気までとなりそうですが、この内、ソールオリエンス、ヒシイグアス、ソーヴァリアントに気になる点がある。

 まずソールオリエンス
 ローテーション的にも前走が有馬記念ということで2か月ほどしかあいておらず、調教の動きからはそこまで大きな上積みを感じられない。
 G1を勝利しているので今回58㎏の斤量を背負うことになるが、それを考えるとやや馬格不足な感は否めない。この成長不足がまず第一に気になるところだが、加えて気になるのが余裕のある仕上げ方ではないという点。
 よくも悪くも、前走の有馬記念出走時とそう差の無い調整過程で来ている。一週前がCWで6F81.7から終いまで鋭く締まった時計を出してきたところからしっかり日曜にも坂路早めを挟んで、最終追切も全体時計は前走よりも早いくらいで出してきている。前日にも坂路で調整しながらと、能力上位馬がG1に向けての叩きとして使ってきているというよりは、古馬の重賞戦線でも58㎏を背負って戦えるか今回が試金石と考えているかのような、しっかりとした調整過程。陣営の仕上げ方と世間の評価に結構な差を感じる。

 次にヒシイグアス、これは馬場が渋った時への不安。
 もう8歳ということもあってか、例年以上にここに向けてバシバシと時計を出しながら仕上げられており、一週前時点で悪くない動きが出来ていたが、重のCWで行われた最終追切が気になる
 時計自体は良いものが出せていたが、一週前とは打って変わっての固めの走り。ストライドに伸びが無く、力みがちに見え、直線を向いても手前替わらず併せた馬に手ごたえ劣勢。追って追ってなんとか併入という感じであり、CWえも重と良で動きの差が激しい。
 実績的にも渋った馬場での経験がほとんどなく、昨年の札幌記念でもあまり渋った馬場は合っていなさそうに見えた。最終追切の感じだと渋った場合は追走でかなり足を使ってしまいそうであり、昨年のようなゴール前での伸びには期待しづらい。前走香港からの距離短縮ということもあり、内枠から前を取るのも難しそうで、得意の中山ではあるが、雨が早めに降り始める様であればかなり厳しいのかなと。

 最後にソーヴァリアント、これは時計は良いものの動きがコンパクトにまとまり過ぎているという点。
 元々、そんなにストライドが大きい走りをするタイプではないものの、今回は良い時に比べてやや小ぢんまりとした感じで、近走だと大きく負けた鳴尾記念に近い
 なぜ、ストライドがコンパクトになることが凡走につながるのかというと、追走にスタミナを要しやすくなってしまうから。
 昨年で大きく崩れた中山記念と鳴尾記念は11秒台が長く続く中距離としては締まった流れ。そのタイミングで馬としてもややストライドが硬めに仕上がってしまっていると、追走で足を使ってしまって勝負所でスタミナ残らず好走できない。
 逆に結果が出ているチャレンジCについては、初年度は6Fまで12秒台連発の緩い流れで追走に苦労しておらず、2年目はレースラップ自体はレッドベルオーブが大逃げしているのでタイトに見えるが、馬郡としてはスローよりの展開。当時の追切では状態も良くストライドもこの馬としては良く伸ばせていたので無理のない範囲で追走することが出来た。
 この延長線上で考えるならば、そもそも11秒台のラップが続きやすい中山コースは適性×であり、調教の動きとしても前走相当厳しいペースを前で走ったのが影響したのか固めに仕上がってしまっている今回は追走で足を使ってしまいそうであり相性×、ちょっと手を出しづらいタイミングかなと。

 全頭の追切メモについてはこちらに書いていますので、そちらも見ていただけると幸いです。

【予想印】

◎7ドーブネ
〇8マテンロウスカイ
▲9エルトンバローズ
△6イルーシヴパンサー
 これで行きたいと思います。

【各馬の評価】

◎ドーブネ
 条件に一番合うし、状態も良さそうということでこの馬から。
 前走は14着に大きく負けてしまいましたが、只でさえ58㎏以上を背負った時に苦戦傾向なディープ産駒なのに、これまで58㎏も背負ったことが無かったところからいきなり58.5を背負えばそれは流石に厳しい。正直それだけで度外視していいと思う。
 これまでテンの良さで主導権を握って、得意なスローよりの展開で結果を出してきたが、前走はタフな馬場で前半3F33.7とかなり厳しいラップを経験した。今回内からロスなく先手を主張することが出来れば前走からの比較で相当楽なペースと感じながら走れる。
 ここ3走マイルを使って経験をしてきたことと、前走から-1.5㎏の効果で昨年より多少タイトなペースになっても余裕をもってこなすことが出来そう。足が溜まった状態での瞬発力ならば横の比較でも全く引けを取らない馬なので、ここはイン前有利のバイアスを存分に活かしながら、2年連続での好走に期待したい。

〇マテンロウスカイ

・マテンロウスカイ
 前に行きそうな馬の中で今回のレース質にぴったりはまりそうなのはこの馬。
 前走の東京新聞杯は初めてマイル重賞に挑戦するも最後伸びきれずに5着まで。まあ伸びきれずと言っても上がりは33.7としっかり足は使えており、前に行って持続力を使った馬とインをついて差してきた馬が好走する中で6枠11番から外を回しての5着はかなり優秀。5歳になって能力的にも充実してきているなという内容だった。
 前走の内容で注目したいのはコーナーでの走り。前走のレースラップは12.0-11.0-11.4-11.7-11.7-11.4-11.3-11.6。東京マイルのコーナーは4F~5F地点ですから11.7-11.7とあまり緩んでいませんが、レース映像を見るとマテンロウスカイはこの2Fで抑え気味に足を溜めることが出来ている。
 マイルに距離を短縮する前から、かなりタイトなラップでの逃げを打つ馬であり、時計の出る馬場であれば11.5~11.8くらいのラップをよどみなく刻みながら最後まで止まらずに走れていたので、マテンロウスカイのスピードレンジとしては11秒台後半であれば楽に走れると考えていいかと思う。
 今回のメンバーで通常の中山記念よりやや早めのタイトなラップになって、前の馬が苦しくなる中、そのラップに対応しながら最後までしぶとく粘ることに期待できるスピードと持続力を持っている。
 馬体的にも筋肉量豊富でパワーあり、トモにもボリュームがある上に飛節も曲がり気味で最後の急坂も苦にしなさそう。中山はセントライト記念で大敗して以来の久々だが、2200は流石に長かったと度外視していいと思う。
 血統的にもモーリス×スペシャルウィーク。このモーリス×サンデー系の組み合わせは根幹距離の決め手比べだと苦戦しがちな傾向にあるが、持続力を求められる非根幹距離に適性を示す馬が多く、今回の1800という距離もベストか。

 と評価する理由は週頭の展望でも書いた通り。今回ドーブネの一つ外とかなりポジションも取りやすい枠に入ることが出来たのはかなり良く、調教も近走から更に一つ上積みに期待できそうな好仕上がり。
 馬場問わずこなせるタイプということもあり、雨でパフォーマンスを落とす心配もなく、こちらも前有利のバイアスを活かすことが出来そう。
 ドーブネとセットでの好走に期待できそうであり、ここまでオッズが付くならば、こちらも積極的に狙っていきたい。

▲エルトンバローズ
 昨年秋の躍進が著しく、ソールオリエンスとは違って既に古馬相手にも結果を出しているのは大きな魅力。
 このメンバーであれば多少ペースが流れたとしてもストライクゾーンから外れることは無く、展開面での不安が無い。
 ただ、ドーブネ、マテンロウスカイが枠なりにポジションを取った上で外からエエヤン、テーオーシリウスが進出してくることを考えると2列目の外3頭目か外回しを嫌って一列下げての競馬となる可能性が高く、元々終いのキレ味が鋭いタイプではないので、このポジションの差が響いて頭を取りこぼす可能性はそれなりに高いのではないのかなと思う。オッズを考えると3連系の軸向きではあっても頭での期待値が低く、それならば4枠2頭が頭にくることを狙いたいという意図での3番手評価まで。

△イルーシヴパンサー
 内の好枠を取れたので好ポジションが取れればと期待しての△評価。
 望来騎手とのコンビは今回で5回目になるが、これまでの乗り方を見ていると後方からの差一辺倒というイメージは無さそうで、脚質的には融通が利くが溜めて差した方が良さが出る、くらいの認識で考えていそう。
 前走は外枠だったので、無理にポジションを取りに行くと足を使うのでと抑えて後方から行ったが、2走前の富士Sはメンバーやトラックバイアスを考えて押して先行のポジションを確保。
 今回の条件と枠並びであれば、イン前有利と見てポジションを取りに行ってくれる可能性は高いのではないかなと思うし、ラチ沿いの3列目くらいにつけてくれれば、末脚上位なので十分馬券内に突っ込んでこれる力はある。


【無印の各馬】

・レッドモンレーヴ
 脚質的にそこまで前のポジションにならない可能性が高そうではあるが、スピード能力はここに入っても上位。最内で控えても仕方が無いことと、今後のことを考えて今回思い切って押してポジションを取る競馬を和生騎手が選択する可能性はあるので、抑えておきたい。

・タイムトゥヘヴン
 かなり追切が良く見えたのでその一点で。どんなペースでも最後は上がりを使うことが出来るので、展開がハマった時に一発大穴があり得るならばここかなと。

・ボーンディスウェイ
 前走は締まった流れの金杯で前目の競馬から終始外々を回し続ける負荷の強い内容。中山への適性が高く、乗り方次第では。

・エエヤン
 もうスピードの違いでまえを取り切った上で、バイアスをうまく活かして粘り込むことが出来ればワンチャンスある。今回の予想テーマからも単距離質なスピードを持って前に行ける馬は見逃せない。

 他の馬については今回はばっさり軽視します。
 ジオグリフはファンも多い馬だし、条件的に復活するならばこのタイミングと考える人が多いのは分かりますがここまで人気になってしまうと妙味無し。調教の動きからもここよりは、ここを使った次走で更に良くなりそうな印象。ここで走られたら仕方ないと割り切りたい。

【まとめ】

 結果としてはシンプルに開幕週の雨という分かりやすいトラックバイアスを意識した前狙いではあるんですが、オッズがかなり期待できそう。
 馬券としては
〇単勝 ドーブネ&マテンロウスカイ
〇ワイド・馬連 印4頭BOX
〇3連複フォーメーション 9-7.8-1.6.7.8.11.12.14
 をベースにオッズを見ながら考えていこうかなと思います。
 エルトンバローズ以外の人気上位馬を全部ばっさり行ってるんで3連複でも万馬券確定ですね。
 ドーブネとマテンロウスカイ、舐められすぎです。

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