杉沢村を探してみた(鎌)


こんにちは、未田芽衣です🐏
今回は、杉沢村を探してみた時のお話をします。

時は遡り2014年、この年は御嶽山の噴火があった為
皆さんの記憶にも残る年だったのでないでしょうか?

この年の秋、私は本州を横断したい欲望に駆られ一人旅を決行しました!
まぁ、仕事辞めて暇だったんでしょうね。

その旅の道中、東北地方に「あの杉沢村がある」という情報を掴み
色々と調べた結果、ここではなかろうか?というポイントを見つけたので
ワクワクしながら現場に向かいました。時間帯はお昼過ぎくらいかな?

杉沢村の入り口には、目印として白木の鳥居、ドクロ岩、石碑があるとのことでしたが
その地域には結構似たようなものが所々あるんですよね。

普通の道路沿いに鳥居と石碑とドクロ石
また、車で少し進んだら鳥居と石碑とドクロ石

あれれ?目印めっちゃあるじゃん?と困惑した覚えがあります。

画像1

この謎は後ほど解けることになります。



そんなこんなで戸惑いながらも目的地に到着。
杉沢村の場所って色んな説があるのですが一番脈ありそうな場所は
〇〇ゴルフ場の近辺ではないだろうか?ということでしたので
その辺りを車で散策しました。

すると、少し見にくい場所に
白木の鳥居、ドクロ石、石碑が建っているではないですか!

しかも、奥には道があり、まさに入り口って感じ!

ここだぁ〜!と思い車を停めて鳥居や石碑の写真をパシャリしていると
(10分くらいかな?ちなみに写真のデータこわれてました😭)
シルバーのワゴンが私の車の横に停まりました。

この時は、地元の人かなぁ〜とか思いながらも心臓はバクバクでした。

ワゴンから出てきたのは、私の見た感じでは
六十歳は越えている感じの白髪混じりで帽子を被ったオジサンでした。
以下、オジサンとの会話。


オジサン
あんたここでなにしてるん?


未田 
あ、えーと私は旅の者なのですが、こんな所に鳥居があるの珍しいなと思って

オジサン
ここらじゃ見らんナンバーじゃな

未田 
はい、実は〇〇県から旅をしてまして

オジサン
ほぅ、随分と遠いとこから来なさったな

未田
そうなんですよね、なんかたまたまここに着いちゃって(嘘)

オジサン
そうか、ところでここは誰に聞いてきた?
オタクなにか調べたのか?


はい、この時はめっちゃ怖かったですね。
え、やっぱここタブーなん?私、やられちゃうの?と
杉沢村の都市伝説のこともあり余計なことを考えちゃって。。。

でも、今考えたらオジサンも警戒するよね
土地の者じゃない知らない奴がニヤけながら鳥居の写真撮ってんだもん。

ただの不審者だよw


未田
あ、いやぁ…、たまたまです…はい、すみません…

オジサン
ほう、そうかい…、まぁ謝らんでよろしい

未田 
いやー、なんかすみません

オジサン
いやな、ここは昔な、○落があったんじゃが…
この○落におったもんは最後までここを出て行かんでな
最後までちゅうのは、〇〇県で最後まで○落に残ったちゅうことじゃ

未田 
その人達は今でもここにいるんですか?

オジサン
いや、ここにはもう誰もおらんよ
というか、出て行かんかったのは一人だけじゃ

未田
そうですか…、ちなみに家とかはまだあるんです?

オジサン
なんじゃ、オタクそういうの好きなんか?

未田 
好きというかなんと言うか…ゴニョゴニョ

オジサン
好きならワシが案内してやってもええぞ!
たしかまだ一軒くらいは有るんじゃなかろうかの?

未田 
え!いんですか!ありがとうございます‼︎


ここで私はハイテンション!とはいかず(あくまでも たまたまだし)
少し目を見開いた程度で、え!いいの?みたいな感じで済ませました。

早速、そのオジサンと杉沢村を探索!しようと思ったのですが
車に貴重品置いていたのでカバンだけは持っていこうと思いオジサンに

「あ、すみません!カバンだけ持っていっていいですか?」と了承を取り
 車からカバンを持ってくると

オジサンは、「あ、あんたそんなん持っていくん?
ならワシもアレもって行こうかの…」と言い車でガサガサ。

何持ってくるんだろう?と見ていると
オジサンが手に持ってきたのはカマでした。はい、ありがとうございました。でした。


もうね、本気でおしっこちびるかと思ったよ。


未田は、恐る恐る聞いたのね。
「あ、あの…、なんで鎌なんですか?」

そしたらオジサンは
「鹿とか熊とか出たらこれで応戦するんじゃよ」と一言。

自分にそうなのか、うんそうだな!と言い聞かせ
目を丸くしているとオジサンがさらに追撃をかました。

オジサン「んじゃ、行こうかの!」(カマでちょいちょい)

なんか、私に先に行けと言う合図を送ってきたのね。

いやいやいや、流石に鎌持った知らない人の前は歩けませんよ
むりむりむり…と言う顔をしながら

「すみません、案内と言うことなので先に行ってもらえますか?」と
勇気を振り絞り言ってみると、「あぁ、そうじゃな!」とあっさり了承してもらえた。

このときマジで、こ○されるかと思ったw


それで、この杉沢村の入り口ってのは
なんて言うか、森の入り口みたいなとこなのね
木は多くないけど背の高い草が生い茂っている感じの藪?みたいなとこ

んでオジサンは、鎌を手にずんずん進むわけなのですよ

それで、少し進んだあたりでオジサンが急に止まったんで
どうしました?って声をかけたんだよね。

そしたらオジサン、なんか葉っぱ持ってて
こりゃサンショの葉じゃ」って言ってサンショの葉をお口に入れモグモグ
そして「おぉ、間違いない間違いない」と言いつつ私にもくれるわけなのよ
受け取らないのもなんか変だし、まぁ、それ受け取ったのね。

そしたらオジサンが、お前もやってみろ的な視線をこっちに向けるの
未田はなんか口に入れたくなかったから、サンショの葉を手の平にのせて
パンって叩いて匂いを嗅いだのよね。

これは、和食で料理に添える時
山椒の葉の匂いを出す方法?だったと思う。

そしたら、今度はオジサンが目を丸くしてさ
なんか恥ずかしいような、なんとも言えない取り繕った感じで
ぺぺぺってサンショの葉を吐き出して(ほっぺに葉の破片着いてた)

「じゃぁ進もうかの!」って歩き出したのね

少し(1分くらいかな?)歩いていくと、軽く地面がぬかるんできたの
そしたらオジサンが背の高いなんか付いた葉っぱを指差して

「あれなんか分かるか?」って聞くわけ
私は分かんなかったから分かりませんって正直に聞くと

「ありゃ、蒲(ガマ)って言って水辺にしかならん植物じゃ
 ○落の人間はこう言った足場の悪い土地にしか住めんかったんじゃ」

って教えてくれた。確かガマって言ってたと思うw

なんか、そんな話をほうほうと聞いているとオジサンが

「うーん、この辺りにあったはずじゃが…、ないのー、無くなったのかもしれんのー
 どうする?無いかもしれんがまだ奥に行ってみるか?」

って言い出したのね
正直、未田的には「えぇーないのー」って感じだった
でも、辺りも少し薄暗くなってきたから引き返すことを告げて
引き返したのね、勿論オジサンを先頭にして。熊とか出たら危ないしね。鎌だし。


それで、なんの手がかりもないまま
少し広い拓けた土地を見て入り口まで帰ってきたのね。


普通なら、ここで終わりだと思うでしょ?
でもねここからがある意味本編かもしれないw


そんなこんなで、車を停めていた場所まで
帰り着いた私とオジサン。

なんとなくオジサンと雑談してたら
オジサンがいきなり衝撃的な発言をしだしたの。。。


オジサン
いやぁ、実はワシ病院で余命宣告されてな

未田
えぇ、大変じゃないですか!ちなみにどれくらい?

オジサン
半年じゃ…

未田は思ったよ
このオジサン、車から鎌持ってくるちょい怖オジサンだけど
残された半年と言う貴重な時間を私なんかに使ってくれたんだって
なんだか申し訳ない気持ちもありつつ、感慨深い気持ちになった。

オジサンは続けた。


それでな、余命半年なら、今を精一杯生きてやろうと思ってな
仕事辞めてな、貯金を全部使い果たして贅沢してやったんじゃよ
車も新車にして、美味いもん食べて、美味い酒飲んで、遊んでやった
そして、ワシはそれ(余命宣告)から10年生きてしまったんじゃ


「ワシはそれ(余命宣告)から10年生きてしまったんじゃ」


はい?目が丸くなる未田さん。
じゅ、じゅうねん?オジサン長生きできて良かったね!
的なことを言ったと思うw

そしたらオジサンが真面目な顔で

「いやいや、ワシャ医者が余命半年なんか言うから
 全てを捨てて遊び尽くしてやったのによ…10年も生きちまったせいで
 金もないし仕事もない、残ったのはこの車だけじゃw

 おかげさんで今では、こんな所や山の中に入っては
山葡萄取って生活しておるよw  ほれw

オジサンはそう言うと車のドアを開け中を見せてくれた。
後部座席には大きな袋に入った山葡萄がたくさんあった。
そして、長い棒の先に鎌をつけたアイテム?武器?もあった。

私がオジサンにあれは?って聞くと
「ありゃ山葡萄を取るときに使うんじゃ」と教えてくれた。

ただの便利アイテムだった。よかった。


その後、オジサンから神社の木が伐採されない理由と
空港近くに廃墟があるから好きなら見ていきなって情報を教えてもらい
辺りも暗くなってきたのでオジサンとはサヨナラした。


私の杉沢村探索記はこれにて終了だけど

ちゃんとオチまで用意してくれた鎌オジサンには
本当に感謝しかない。楽しい思い出ありがとうございました。


ちなみに、白木の鳥居とドクロ石、石碑なんだけど
あれは道祖神を祀ったものだったらしい。
ドクロ石もたまたまそう見えるだけで、実際のところは
豊穣や子孫繁栄を願って置かれている窪みを持った石(岩)らしい
子孫繁栄を願って窪みのある石を置く理由はなんとなく察してくれ…

まぁ、早い話しこの3点セットってのは
ここからが私たちの村ですよーって言う目印だったのね
昔は今より村がたくさんあっただろうから
この3点セットをよく見かけたんだなって後から知って分かった。

でわでわ、記憶違いもあるだろうし
オジサンの方言も適当に書いてますが
起こったことは脚色なしのノンフィクションです。

拙い長文になりましたが
最後まで見ていただきましてありがとうございました!


画像2

※これは、オジサンに教えて貰った別の場所の写真です。

杉沢村と思われる場所も
イメージではここに似たような雰囲気でした。

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