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友人の娘さんがゆるい写真部に入ったのでなんかいい感じのカメラを選ぶ話 ⑧

画素数はカメラの戦闘力と直結していない編(CCD一眼レフ PENTAX k100d)

面白いレンズを搭載したCCD一眼レフがないものかとヤフオクを眺めていると(PENTAXと SONYでそういうのをたまに見かけた)

PENTAX K100D Super-Takumar F1.8 55mm デジタル一眼レフカメラセット■現状品

というのが目についた。
スタート価格は三千円台だった気がする。
これは、アリなのでは?
ボディもレンズも状態は最良ではないものの、通常レベルの動作は確認されている。
付いているレンズは55mm単焦点f1.8の明るいオールドレンズ。ほぼ理想。
しかも、このレンズをつける為にマウントアダプターを搭載している。ちなみにスーパータクマーというのは昔PENTAXがアサヒペンタックスと名乗っていたころのマウントでm42という規格。
つまり、このカメラは昔のアサヒペンタックス時代のレンズも、現行のPENTAXのKマウントのレンズも使えてしまうということだ。
それにk100dは単3乾電池4本で駆動するのでバッテリーの心配もない。その上記録メディアもSDカード。
これは入札するしかない。
ヤフオクは自動入札といって、現在の価格より高い金額を入力しても最小価格が表示される。
たとえば三千円の品に三千五百円で入札すると、現在の価格は三千円ですと表示される。誰かが三千百円で入札すると自動で三千二百円で再入札してくれる。これを三千五百円まで勝手にやってくれるということだ。
なので、ヤフオクに入札するときは自分の中で「この品は◯◯円」という明確な価値観を持っていないと、納得できる買い物にならない可能性がある。最初からいくらまで出すかを決めて入力してしまうのだ。それを上回った場合は諦めるのがコツだと思っている。
このカメラはざっくり考えて、ボディ二千円、レンズ二千円、マウントアダプター千円を送料一括で買えるモノと考え、五千円を入力。
多少の入札があったものの、最終的には4675円で落札となった。送料は924円。合計5599円で僕の手元へやってきた。

PENTAX k100d

おお、なかなかにカッコいい。
手持ちのエネループと、試しに32GBのサンディスクSDHCを入れて電源を入れてみた。
問題なく起動、ちゃんとカードも認識してくれた。32GBともなると撮影可能枚数がずっと999のまま。ほぼ無限に近い枚数がとれてしまう印象。(2024.12.17追記 ファームウェアが1.0だとSDHCカードを認識しない。ファームウェアを1.2にアップデートする為にはSDカードが必要になる)
何気に、薄明かりの汚い部屋の中を絞り開放で撮ってみた。
うおっ!
びっくりした。
背面液晶に表示された画像は、想像の斜め上をいっていた。残念ながらこの時撮った画像はなぜかRAW出力になっていたのでお見せできない。PENTAXの専用現像ソフトが必要なのだ。
このカメラは画素数が600万画素しかない…ハズなのだが、正直そんなことは全然気にならなかった。
CCDセンサーの賜物か、はたまたスーパータクマー55mmf1.8の素晴らしさなのか、何を撮っても良い感じで写る!
これだよ!これ!
写真を撮る楽しさというか、自分の目で見たものが、よりグッとくる画として出力され表現されるこの感じ!

どうこれ、すごくない?
特別な被写体はない。身の回りにあったものを撮っただけ。全部撮って出しのjpegの600万画素(伊勢丹の画像わかりやすいけどセンサーの汚れはちょっと気になる)画素数って問題じゃなかったんだなって思った。
逆に同じセンサーなら、画素数が低いほうが実は良いのだ。画素数はまやかしでしかないのだと思う。画素数というのはいわば人数みたいなものじゃない? たとえば戦闘力530000のセンサーがあるとする。フリーザ第1形態なら1人、ギニューなら4人、サイバイマンなら441人。フリーザ1人、もしくはギニュー4人のほうがサイバイマンが何人いたとしても絶対強い。そんなの一撃だ一撃。これが画素数の正体ではないのか?
数千万画素の最新カメラの画質はきっと素晴らしいのだと思う。フリーザが千人いるようなもの。けれど、少なくとも写真を撮るという行為、そこで得る感動は600万画素で充分だと確信した。
ほんとに撮るのが楽しい。キレイなものを探しに行きたくなる。
実際、一眼レフを使ったことのない友人(娘が写真部の友人とは別の友人)に貸してあげたらすごく感動していた。結局このカメラはその友人があまりに喜んでいたので原価で譲ってしまうことになったのだ(せっかく手に入れたのだけど、カメラの楽しさを語れるってプライスレスだから)
間違いなくPENTAX k100dは本気でオススメできるカメラだ。
ただし、注意すべき点もある。
今回紹介したセッティングはある程度の知識が必要だ。
オールドレンズでの撮影はフルマニュアルになる。最低でも露出に関して理解していないとまともに撮影はできない。
僕の友人は最初は僕が露出を設定し、フォーカスだけやってみて、そのあとで絞りとシャッタースピードについて少しレクチャーして、それを体験してみるって順序を踏んだ。
そういえば、最初彼は「ピントが合わない壊れてる?」と言っていた。僕が覗いてみると視度調整が大きくズレていただけだとわかったが、これがわからなければ本当に壊れたとガッカリするしかないかもしれない。
電池や記録メディアも僕が試して確実に大丈夫なものを勧めたし、本当に何もわからない初心者ではちょっと難しいかもしれない。
それに古いモノなので保証はない。安いとはいえいつ壊れるか、また、壊れたらなおせない可能性も大いにある。
ただ、オールドレンズではない現行レンズが付いていればオートでの撮影が可能だし、そういうのも含めて自分で調べるというのも貴重な体験となるかもしれないとも思う。
写真を撮るという感動体験にお金を払うのだとすれば、やはりPENTAX k100d は最高のコスパのカメラだ。

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