サービス管理責任者とは
今回は、サービス管理責任者について記していきます。
サービス管理責任者とは
サービス管理責任者とは、障害福祉サービスの事業所で、
適切なサービスを提供するように事業所を管理する者のことです。
略して、サビ管と呼ばれます。
サービスの質の向上を図る観点から、
サービス管理責任者の配置は、
障害者総合支援法で配置が義務付けされています。
職務内容
サービス管理責任者の仕事の内容としては、
以下のものがあります。
・個別支援計画の作成
・個別支援計画に基づいた支援が行われているかの確認
・支援員への助言指導
・関係機関との連絡調整 など
個別支援計画は、利用者が目指す目標の達成に向けて、
事業所がどのように支援していくかの計画です。
この個別支援計画に沿って支援が行われているか、
利用者の状況の変化を見ながら、適切に判断していきます。
取得要件
サービス管理責任者になるには、
実務要件、研修修了、実践研修の3つの要件を満たす必要があります。
1.実務経験(障害者の保健・医療・福祉・就労・教育の分野における直接支援・相談支援などの業務における実務経験(5年以上))
2.研修修了
・相談支援従事者初任者研修(講義(一部))(11.5時間)
・サービス管理責任者等基礎研修(講義および演習)(15時間)
3.実践研修
・サービス管理責任者等実践研修(14.5時間)
また、基礎研修を受講するための要件は以下の通りです。
1.相談支援業務ルート
・身体上もしくは精神上の障害がある者の相談に応じる、助言を行う、指導を行うなどの業務経験が5年以上
2.直接支援業務ルート
・身体上もしくは精神上の障害がある者の介護、生活能力向上訓練、職業訓練、介護者に対する指導などの業務経験が8年以上
3.国家資格による業務経験が3年以上かつ身体上もしくは精神上の障害がある者の相談支援業務または直接支援業務の経験が3年以上
実践研修を受講するための要件は以下の通りです。
・過去5年間に2年以上の相談支援または直接支援の実務経験
実務経験の要件
取得要件の実務経験とは、以下の通りです。
・相談支援業務の経験が5年以上
・直接支援業務の経験が8年以上
・特定の資格保有者としての相談支援・直接支援業務の経験が3年以上
・現場職員への指導や助言
相談支援業務の経験
下記のa~dでの経験が5年以上必要となります。
a.施設等における相談支援業務
・障害児相談支援事業
・身体(知的)障害者相談支援事業
・地域生活支援事業
・児童相談所
・身体(知的)障害者更生相談所
・発達障害者支援センター
・福祉事務所
・保健所
・市町村役場
・障害児入所施設
・障害者支援施設
・老人福祉施設
・精神保健福祉センター
・救護及び更生施設
・介護老人保健施設
・地域包括支援センター
b.以下に該当する者で保健医療機関での相談支援業務
・社会福祉主事任用資格保有者
・介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)相当の研修修了者
・国家資格保有者
・a・c・dのいずれかに従事した経験が1年以上の者
c.以下における就労支援に関する相談支援業務
・障害者職業センター
・障害者雇用支援センター
・障害者就業・生活支援センター
d.以下の学校における進路相談・教育相談業務
・盲学校
・聾学校
・特別支援学校
なお、ここでいう国家資格とは以下の通りです。
・医師
・歯科医師
・薬剤師
・保健師
・助産師
・看護師
・准看護師
・理学療法士
・作業療法士
・社会福祉士
・介護福祉士
・視能訓練士
・義肢装具士
・歯科衛生士
・言語聴覚士
・あん摩マッサージ指圧師
・はり師
・きゅう師
・柔道整復師
・栄養士(管理栄養士含む)
・精神保健福祉士
直接支援業務の経験
下記のa~cでの経験が8年以上必要となります。
a.施設および医療機関等における介護業務
・障害児入所施設
・障害者支援施設
・老人福祉施設
・介護老人保健施設
・医療法に規定する療養病床
・障害児通所支援事業
・障害福祉サービス事業
・老人居宅介護等事業
・保健医療機関
・保険薬局
・訪問看護事業所
b.以下における就業支援業務
・特例子会社
・重度障害者多数雇用事業所
c.以下の学校における職業教育業務
・盲学校
・聾学校
・特別支援学校
なお、以下の資格を保有している場合は、
直接支援業務の経験が5年以上となります。
・社会福祉主事任用
・介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)相当
・児童指導員任用
・保育士
・精神障害者社会復帰施設指導員任用
資格更新
5年に1度、サービス管理責任者等更新研修の受講が必要となります。
まとめ
サービス管理責任者になるまでの最短期間は、以下の通りです。
・相談支援業務5年+基礎研修+OJT期間2年+実践研修=7年
・直接支援業務8年+基礎研修+OJT期間2年+実践研修=10年
※資格保有者の場合は直接支援業務が5年となり7年
・国家資格業務3年+基礎研修+OJT期間2年+実践研修=5年
2023年2月27日に、厚生労働省の第135回社会保障審議会障害者部会が、
『サービス管理責任者等研修制度について』を発表しました。
これによると、サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者の質の確保を図ることと人員確保のための実務経験の緩和を求める声が上がったことを踏まえ、研修体系を見直すとのことです。
内容は、基礎研修受講開始時点で既に相談支援業務または直接支援業務に3~8年従事している者が個別支援計画作成の原案作成等に従事する場合のみ、基礎研修修了後に必要なOJT期間を「2年以上」から「6ヶ月以上」とするというものです。
この要件を満たすことにより、
国家資格未所持であっても
最短5年半でサービス管理責任者になることができます。
サービス管理責任者になるための要件は複雑なので、
都道府県の情報を確認することをお勧めします。
河野羊