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Stayhomeの真ん中に、ボロ屋から愛を込めて。

あたしはボロ屋に住んでいた。

弟もそれがコンプレックスで、
3人兄弟の一番上のあたしは妹や弟がそのことを恥ずかしく感じないように、
「家はボロいけど家族は仲良く」
「家はボロいけど心は豊かだ」という理想に向かって頑張っていた。

妹や弟が父とのケンカで泣くことがあれば、
あたしはいつでも盾になって
「○○んとこに行くならあたしを倒してから行きなさい!」と父の前を塞いだ。

あたしは良いことをしていると思っていたけど、妹は「お姉がいつもケンカをでかくする」と困っていた。

今でも笑い話です。

だけどあたしはいつも必死でいつも本気だった。

妹にお姉とかヒーと呼ばれていたあたしは
「お姉はいつでも本気だよ」
「ヒーはいつでも本気だよ」

妹に向かって
「そこに愛はあるのか?」
「○○は愛がないよ!」と大声で叫び、迷惑がられていた。

これも今では笑い話、だけどいつも本気だった。

「親バカならぬ、おねバカ」で、妹と弟のことが自慢で大好きだった。

お父は破天荒であたしたちが小さい頃は毎日お酒と麻雀だった。
母さんはまじめでオタク、弱音を一切吐かない頑張り屋。

あたしたちが小さい頃、2人はよくケンカした。

お姉ちゃんのあたしは、とにかく兄弟を守りたかった。
ボロ屋を恥じないように、
そして親のケンカからも守りたかった。

実際は意地悪でヒステリーなねーちゃんでしたが、心の中はずっとそんな気持ちでした。

どうしてこの話を書いているかというと、
はた、と気付いて胸がキュンと苦しくなったあとに泣けてきたのです。

「与えないことで与えていた」
「与えられないことで与えられていた」と言ったハートのティーチャーの言葉が隙間に入り込んだのです。

あたしはボロ屋暮らしがみじめでならなかった。
外観だけでなく、
ホントにあちこちボロくて、
あたしはそれでも扉が取れた押入れに布を貼ったり、居心地良くする工夫をしたし、よく片付けた。

きれい好きな妹は掃除をしてた。

あたしは居心地の良い自分の場所を作ることに憧れ、心がけた。

家族が仲良くいる為に真剣だった。

あたしは家、居場所に憧れ憧れ憧れ続けていたけれど、結果アッタ。

「家はボロいけど家族は仲良く」「家はボロいけど心は豊か」というものが育ったじゃないか。

そして磨きあげられたその信条ですべてが今のあたしにある。

あたしはお家や暮らしの雑誌を見ながらコーヒーを飲むひとときが大好きで、それはささやかなあたしのハートの滋養なのだと。

Stayhomeが明けて
世界に安心な空気が戻ってきたら、
蔦屋書店でコーヒーを飲みたい。

そして今、Stayhomeで内側に返り、
ハートがちくちくしながらも、
ハートのど真ん中のキューってくるのを痛いほど感じながらも、
そこから涙がこみあげてくる源にあるアレもコレも全部愛しく、
そして更に奥ある、
あたしの光をちゃんと掘り当てた。

あたしはこんなにも、
大切に生活している自分が大好きで、
地味で地道な生命活動があたしの誇りです。

# Stayhome# 蔦屋書店# 心は豊か# 家族# 掘り当てた

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