「生き返ったとき」 昌谷 直

泣きながら生まれる子供のように
も一度生きるため泣いてきたのね

塞いでいた心が開いた実感
とめどなく、とめどなく、涙があふれた

僕が患ったのは心の病
大好きな音楽にも心が震えなくなる
我が子にさえ、愛しさを感じなくなる
心の機能が壊れた自分に絶望する

泣きながら生まれる子供のように
も一度生きるため泣いてきたのね

今、頬をつたう熱い涙に
生きている自分を感じ
生き返った実感を噛み締めた

物心ついた時から、音楽はそばにいた
嬉しい時も悲しい時もムカついた時も

ある曲は、眠りを誘ってくれる
ある曲は、懐かしい顔を思い出す
ある曲は、やる気を湧き出させる
ある曲は、あの人との苦い思い出

Remember
生まれた時 だれでも言われた筈
耳をすまして思い出して
最初に聞いた Welcome
Remember
けれどもしも思い出せないなら
わたし いつでもあなたに言う
生まれてくれて Welcome

音楽は、香りに似ている

（誕生／中島みゆき より引用）

タクシーの運転手をしています。相方さんは無類の本好きです。
いろんな街にお客様をお送りします。いろんな人たちの人生をお送りしています。