寝台車の室内灯 TOMIX 583系きたぐに
前回と比べると、今回はかなりの大ネタ(両数的な意味で)。
幼い頃から憧れだった583系。
小学生の時分、念願叶って急行「きたぐに」に乗車できたこと、お世辞にも居住性が良いとは言えないB寝台上段で長岡まで過ごしたこと、良くも悪くも忘れがたい思い出である。
本題に入るが、2023年に発売(リニューアル?)された模型の方も、色々と手を加えた。
その中でも苦心した室内灯の事を今回は書き留めておく。
室内灯の個人的な使い分け
Nゲージの室内灯については、筆者はなるべく自作している。
予算が少なかった頃の慣習であると同時に、
純正品よりも細かいカスタマイズができる、という利点がある。
筆者が作製している室内灯は、2種類に分けられる。
夕庵式
テープLED式
いずれも既存の技術の模倣に過ぎないので、詳細は各自調べてもらうとして、筆者がこれらをどう使い分けているのかを記す。
先ずは夕庵式の長短を列挙する。
夕庵式の長所
光り方が均一
光源数が少ない=消費電力が小さい
長さを自在に調整できる
車内の床だけでなく、横(側面)方向も照らすことができる
=方向幕のバックライトにもなる
夕庵式の短所
作製が比較的面倒
整流ユニットが車内に露出する
スプリングによる集電が不可(?)
一方のテープLED式の長短だが、夕庵式と全くの逆である。
テープLED式の長所
作製が比較的容易
整流ユニットを幕板部分に隠せる&小型化が可能
集電方法が自在
テープLED式の短所
光源の位置に光が偏る
光源数が増える=消費電力が大きい
テープを切る位置=長さに制約がある
横方向は照らせない
以上を踏まえ、
光のムラの影響が出易いクロスシート&整流ユニットを隠す場所(便所)がある特急型
→夕庵式光のムラの影響が小さいロングシート&整流ユニットを隠す場所が無い通勤・近郊型
→テープLED式
という使い分けをしている。
特急形である583系は照明ユニットを隠す場所=便所が片側2箇所もあるので、夕庵式を選択した。
夕庵式室内灯のカスタマイズ&実装
急行きたぐに号は、座席車と寝台車が混在する列車であった。
車内の照明については、実車の走行映像や自身の記憶に拠ると、深夜時間帯は寝台車が消灯(?)、グリーン車が減光、自由席が減光せず、だったようだ。
よって、座席車にはプレーンな夕庵式室内灯を組み込んだ。
寝台車の方は車内の加工が面倒くさいので実車に倣い、エヌ小屋カーテンでカーテン全閉を再現し、導光材の一部を遮光した室内灯ユニットを組み込んだ。
異端児
さて、先に夕庵式を採用したと書いたが、1両だけ例外がある。
新潟側先頭車であり、B寝台車のクハネ583-27である。
乗降扉=デッキが運転室と近接しているこの車両は、夕庵式の導光材がライトユニットと干渉してしまい、導光材をデッキまで伸ばすことが不可能だったのである。
よってこの車両のみ、特製の室内灯を作製した。
要するに、便所部分にはテープLED式を用い、デッキ部分はテープから伸ばしたチップLEDで照らしている。
光源のLEDは、ゴム系接着材でボディに固定している。
テープLEDについても、プラ板に貼り付けた上でそうしてある。
終わりに
以上、自身初めての寝台車加工であった。
座席車に比べて留意点が増えるのは確かだが、その分加工に個性が出て面白味があると感じた。
まぁ、これ以上夜行列車の模型が増えることはないはず…だが。
以上、次はテープLED式の話でも書こうかな。