見出し画像

真っ直ぐな道と平らな街

 僕が生まれたのは、昭和も残すところ十年くらいという頃だった。
 どこまでも人間の活動場所として建物で埋め尽くされた関東平野を、それでもまだ土地が足りないと拡張を重ねた末の街で育った。
 出自の全く異なる人間が集まった新興住宅地。いや新興住宅地としてもまだ完成していない、空き地だらけの街。
 懐かしく変わらない風景、そんなものは全く知らない子供の話を書こう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?