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\業界ウオッチ/保守点検だけじゃない、病院マネジメントにおける機器管理の意義とは?

昨今、環境変化の著しい医療業界。臨床工学技士として知っておくべき、医療業界や医療行政の最新情報をお届けします。

近年、医療の高度化や少子高齢化をはじめとする社会構造の変化に伴い、臨床工学技士には幅広い場面で活躍が求められています。例として、日本臨床工学技士会のウェブサイトには、“臨床工学技士の社会的使命”として次の5つが掲げられています。

臨床工学技士の社会的使命
 ・医療機器の安全性・有効性の確保
 ・適正医療の普及
 ・医療技術の発展
 ・機器管理体制の確立
 ・医療費の抑制

出典:日本臨床工学技士会ウェブサイト

良質かつ適切な医療を効率的に提供する方策として、医師のタスクシフト・タスクシェアに注目が集まっていますが、それとともに、保守点検をはじめとする機器管理業務や、機器の適正管理・適正使用を通じた医療費の抑制も重要な役割といえます。

実際、病院の組織・機能とマネジメントに関してまとめた書籍『「病院」の教科書 第2版』(医学書院、2023年)では、臨床工学部門の大切な業務として、「医療機器の導入から廃棄までのすべてに関わり、病院運営に直結する役割も求められている」と記載されています。

「病院」の教科書 第2版
今中雄一・編、医学書院、2023年 ISBN 978-4-260-05106-4
(書影は医学書院ウェブサイトより引用)

臨床工学部門の項の執筆者は、三菱京都病院(京都市西京区)事務部 部長で臨床工学科 前科長の仲田昌司氏。病院運営という広いフィールドにおける臨床工学技士の専門性と役割に関して、分かりやすくまとめています。

仲田氏は、医療機器のマネジメントにおける課題の1つとして、事務部門と臨床工学部門の連携不足による諸問題を挙げています。例えば、「事務部門の資産管理台帳と臨床工学部門の医療機器管理台帳の整合が取れていない」「倉庫にある未使用機器の存在を知らずに再リースを行っている」――など。現場の臨床工学技士の皆さまにとっては「ある、ある!」と共感するような事例ではないでしょうか。

臨床工学部門が臨床現場と事務部門との調整役となり、臨床工学部門が事前に調査し、計画的な医療機器の購入ができれば、その病院機能にあった医療機器の選定、適切な導入や廃棄のタイミングなどマネジメントが可能になる。

出典:『「病院」の教科書 第2版』(今中雄一・編、医学書院、2023年)p.178

仲田氏は、検討のポイントなどにも言及しています。ご興味のある方は、ぜひご一読をおススメします。

HITOTSUでは、保守点検や修理、中央管理といった医療機器管理の基本機能はもちろん、貸出率の推移や故障率、コストなどのデータの”見える化”を通じて、病院経営に資する機能を今後実装してまいります。また、年内をめどに、臨床検査機器や放射線装置、診療・福祉備品や事務用品などあらゆる資産を管理する機能を強化し、減価償却計算も行えるようにする予定です。

臨床工学技士は病院において、臨床使用と病院経営の両面から機器管理に携わり、存在価値を発揮できる唯一無二の存在です。HITOTSUはそんな臨床工学技士の皆さんをサポートすべく邁進してまいりますので、ぜひご活用ください。

機器管理を通じた医療費抑制も臨床工学技士の社会的使命(写真はイメージ)



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