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無償導入◆医師-看護師230人の電話連絡を3週間でチャットへ!(回生病院 397床)

当社が展開する医療DXチャット“Link”は、全国200医療機関、企業100社に利用されています。このたび、Linkを進化させ、ガバナンス強化&コスト最適化に効く国産オールインワンツール“HITOTSU”の開発に着手しました。「開発協力」という形でモデル病院様の声を基に進めます(プレスリリースはこちら)。
モデル病院第1号である回生病院では、医師‐看護師間の電話連絡を医療DXチャットLinkに置き換えました。本記事では、キックオフから初期運用開始までを紹介します。

【この記事のポイント】

  1. 医師‐看護師間の電話連絡をLinkチャットに置き換え!

  2. プロジェクト推進をHITOTSUがサポートし、短期間で運用開始できた!

  3. 看護師は1人1台スマホがなくても運用でき、負担軽減と質向上を体感!


回生病院との出会い

香川県坂出市にある総合病院 回生病院(397床)は、地域医療支援病院の認定のほか、回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟、精神科病床も有しており、まさに“総合病院”として地域の医療を支えています。特に整形外科領域では年間1200例以上の手術を行い、人工関節置換術において先進ロボット支援手術も導入するなど専門性の高い医療を提供しています。

回生病院の開設者である社会医療法人財団大樹会の理事長・松浦一平先生は、2024年12月の「病院DXドラフト会議2024」のパネリストのお一人でした。当社のプレゼンに対し、医師‐看護師間のコミュニケーションに関する課題感とLinkの有用性についてコメントいただき、そこから回生病院と当社とのご縁が始まりました。

1.プロジェクト体制を構築し、キックオフ!

回生病院プロジェクトメンバーとHITOTSU(Web参加)との定例会議の様子

HITOTSUの開発協力は、「病院横断のDX推進プロジェクト」にほかなりません。プロジェクトを強力に推進していくために、松浦理事長のご協力の下、プロジェクトリーダー、事務局を含むプロジェクトメンバーを選定・任命し、2025年1月8日の新年早々にキックオフ会議を実施しました。以来、2週間に一度の頻度でプロジェクトメンバーとHITOTSUが一堂に会する定例会議を行っています。

HITOTSUが「プロジェクト推進室」として伴走

新しいプロジェクトの立上げ・推進においては、課題・要望の洗い出し、運用の具体化、マイルストーン(段階的な到達)の設定、スケジュール管理…等々、大きな手間がかかります。さらに「多部署・多数の職員が使用するチャットツールの導入」となれば、部署間の調整や職員への周知も必要です。実際、他の病院から、「支給スマホやITツールを導入したものの、うまく運用に乗せることができず、“宝の持ち腐れ・無駄な出費”になっていることがある」という声をうかがうこともしばしば。

そこで開発協力モデル病院には、Linkの導入・運用に関するコンサルティングを提供しています。HITOTSUには、ヘルスケア領域での経営コンサルティング経験が豊富なCEOをはじめ、急性期病院での経営企画・医療従事者、医療系メディアなど、多様な分野における経験を持つメンバーが在籍しています。それらの知見を基に、HITOTSUが「プロジェクト推進室」として病院メンバーの方々と密に連携しながら支援・伴走することは、この開発協力の大きな特長です。(注:導入支援は、開発協力モデル病院以外には有償オプション[支援期間2カ月・50万円]として提供予定です)

プロジェクトメンバーである看護部長の南原愛子さん(右)、副看護部長の三谷尚子さん(左)

各病棟とのアンカー役を務めた三谷尚子副看護部長は、初期運用が開始した後、この導入支援に関して次のように振り返っています。

新しい仕組みを取り入れる際、つい日常業務を優先してしまったり、うまくいかないのではという不安で足踏みしたりしがちです。そんな中で、HITOTSUさんはLink導入に関してぐいぐい引っ張ってくださり、本当に助かりました

2.ヒアリングで課題と利用シーンを具体化

3診療科と10病棟でスタート

「医師-看護師間のコミュニケーション改善」という大テーマに沿って、看護師や脳神経外科医師の方々のご協力の下、計3回のヒアリングを実施。医師‐看護師間のやり取りが多い、外来診療や手術・処置などで医師と電話連絡がつきにくいという課題のある3診療科(整形外科、脳神経外科、糖尿病センター)の医師14名と、10部署(8病棟・手術室・救急)の看護師約220名でLinkの初期運用を開始することとしました。

「指示受け」「確認」「報告」など、タイミングを気にせず発信

さらに、ヒアリングを基にHITOTSUからLink活用の目的を分かりやすく言語化したり、利用シーンややり取りのイメージなどを具体化したりし、提案しました。「注射・内服のオーダー切れに伴う処方依頼をはじめとする各種依頼」「転棟や退院、インフォームドコンセントの日程に関する相談」「各種書類の作成依頼」――といった具合です。

病院プロジェクトメンバーで確認し、意見やギモンを受け、HITOTSUから再提案…と繰り返していくことで、初期運用に向けてすり合わせました。

3.1病棟2台の共用タブレットで運用?!

中でも念入りにすり合わせたのが、端末の運用でした。医師に関しては、スマートフォンを段階的に個人支給する方針が固まっていたのですが、看護師に関しては、10部署(8病棟+手術室+救急)220名と人数が多く、1人1台スマホを支給することは経営的にも時間的にも現実的ではありません

一方で、Linkの利用シーンを明確化し、「緊急・至急の案件は迷わず電話を」というルールにしたことから、端末が1人1台なくとも、1部署2台ずつタブレットがあればまずは十分だろうと判断しました。
※ご利用端末は医療機関様にて用意いただきます。(HITOTSU社では手配・費用負担いたしません)

看護師(10部署)の共有タブレット端末の運用方法について図示

端末の運用方法が固まると同時に、いよいよ運用開始に向けた準備が本格化。情報管理センターのご協力のもと、ユーザー登録やアプリインストールなどの初期設定を進めました。病院を直接訪問しなくとも、フロー図などをLinkで示しながら的確な支援ができるのは、クラウドによるDXを推進するHITOTSU社ならではといえます。

なお、プロジェクトメンバー・HITOTSU間の本プロジェクトに関するやり取りはLinkで行っており、Linkの「ルーム」を活用し、プロジェクトマネジメント・タスク管理を効率的に行っています

いつ・誰が・何をするのかを明確にし、病院に則した資料やマニュアルできめ細かくサポート。

ルーム構成はメリット・デメリットを比較しながら決定

並行して、「ルーム構成」について相談しました。当社からは3つの案を提示しつつ、「①診療科ごと×病棟ごと」をお勧めしました(下図)。

病院の看護師メンバーからは、「医師ごと×病棟ごと」ではどうかというご意見が挙がりました。医師にとっては自分宛てのメッセージだけ届いた方が望ましいのでは?というお考えの下です。ただ、医師ごとにすると総ルーム数が膨大に増え管理が煩雑になる懸念がありました。ヒアリングで医師の意向も確認し、最終的に当初提案の「①診療科ごと×病棟ごと」でスタートすることとしました。

4.医師・看護師への説明会もお任せ

初期運用が固まったところで、10部署の看護課長と、3診療科の医師を対象に、各30分で運用オリエンテーションを行いました。操作方法やセキュリティに関する質問のほか、「クリティカルパスの運用にも活用したい」「診療科を超えた医師同士の連携にも使えるのでは」など、Linkのさらなる活用案や期待の声も挙がりました。いただいた現場の声はHITOTSU社内に持ち帰って早速開発メンバーに共有、Linkの進化に向けて日々議論しています。

5.スタートは好調。全診療科・企業に拡大へ

こうして2月17日から、回生病院での医師‐看護師総勢230名でのLink利用が開始しました。開始初週から、1日で50~70投稿が交わされています。

回生病院で医師/看護師がLinkを利用している様子(画像の一部を加工しています)

南原看護部長によると各病棟看護師長から次のような声が上がっています。

『口頭では“ちょっと言いにくいな”と感じるような内容も、Linkチャットだと伝えやすく感じます
『忙しい時に電話連絡したとき、医師に冷たい態度を取られてしまうことがあったが、Linkの導入で、電話の頻度が減り、心理的負担も減りました
『電話と異なり、文字で残るので、後から確認できて便利

加えて、三谷副看護部長は、次のように話します。

「看護師が普段、医師に対してどのように依頼・確認しているかがよくわかりました。例えば、“指示のもらい方”ひとつとっても、看護師によってまちまちです。それを型化・標準化していくことで、看護業務のさらなる効率化と質向上が図れると期待しています」

忙しい日常業務の中で”伴走”があったからこそここまで来られた

運用開始までのHITOTSUの伴走に関しても高く評価されています。実は1月8日のキックオフ後、回生病院では病院機能評価の受審もあり、看護師・医師へのヒアリング開始は1月末でした。

正直なところ、間に合わないのではと不安になりましたが、わずか3週間あまりでスタートにこぎ着けたのはHITOTSUさんのおかげです
「当初、“医師と看護師のチャット”と聞いて、私たちの頭には、個人対個人でチャットするイメージしかありませんでした。それが、ヒアリングで私たちが現状をお伝えすると、HITOTSUさんの方で整理して体系化してくれて。“ルーム構成”を提案いただいたときは目からウロコでした」

回生病院プロジェクトメンバーとHITOTSU会長・田村(後列右)。前列中央が松浦理事長。

全診療科へ運用を拡大、企業とのやり取りにも活用

3診療科での運用をしばらく続けながら、5月の大型連休明けをめどに、全診療科へ利用拡大する方針です。当社で用意した「Link院内運用規定」のひな形を基に、病院プロジェクトメンバーや個人情報に関する委員会を中心に運用ルールの精査を進めた上で、医師に関しては個人所有スマートフォンの利用も認める方針で検討しています。

さらに、Linkによる企業とのコミュニケーションの一元化・効率化・ガバナンスの強化も進めます。まずは外科医師や手術室看護師、臨床工学技士を皮切りに、企業とのやり取りに活用できるよう当社にてサポートします。

なお、当社では院内スマホの提供にかかわる複数の事業者からタイアップの相談もいただいており、検討を進めています。

HITOTSU社では、回生病院における開発協力ストーリーを今後もお届けしていく予定です。次回記事では、医師・看護師のPHS連絡をチャットに置き換えた効果について、定量と定性両面から深掘りしてお伝えします。
ぜひ応援お願いします!


6.開発協力のご相談・お問い合わせ

開発協力に関するリーフレットはこちら、お問い合わせはこちらから

※開発協力モデル病院は原則100~400床程度の病院が対象です。
※将来構想につき、内容は今後予告なく変更される場合があります。
※開発協力には本記事中で示した内容を含め要件がございます。フェーズごとに想定しているモデル病院数に達した場合等、ご希望いただいてもお断りする場合がございますのでご了承ください。
※医療DXチャット“Link”のみのご利用は、2026年4月以降も無償です(50名まで)。開発協力以外のLink利用申し込み(50名まで無償)はこちらからいただけます。

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