人の気持ちが動くシーンに寄り添ったお花とは【Interview vol.1-1】
こんにちは、HITOTOWAの宮本です。「人と和をつむぐ。」最初のインタビューは「装花TOKYO」の杉山香林さんです。わたしたちが企画した地域コミュニティ施設の装花などでお世話になっています。
花の命の個性と美しさを、真心で表現する
― 早速ですが、香林さんが主宰している「装花TOKYO」について、その特徴を教えてください!
「装花TOKYO」は、店舗がなくアトリエで制作をしています。
・開店祝いや移転祝いなどのお祝い花、催事のときのお花
・プロポーズやお誕生日などでお送りするお花
・撮影の美術としてのお花
などをオーダーメイドでつくっているお仕事です。そして、装花TOKYOの特徴は、スタイルをもってないところですかね。
― 作り手にスタイルは付きものだと思っていました。「スタイルはない」というのはどういうことでしょうか?
アーティストには、表現したいものが自分の中にあると思うんです。
だけど、私の場合は、オーダーいただいたお客様の目的を、お花で解決するお手伝いをしたいからです。フラワーデザイナーと言っています。そのためには、幅広く表現できることが大事。
それにお花ってすごく色んな表現の可能性がある。だから、あえて私はスタイルを固めないようにしてるんです。
― これまでもたくさんHITOTOWAから装花してもらいました。その中でも、社員から人気だったのが、この『しめ飾り「清白(注連飾り)」』。とてもスタイリッシュ。てっきり香林さんはかっこいいイメージを好んでいるのかなと思いました。
それはご依頼をいただいてデザインしたのではなく、先に自分でデザインしたものを販売したので自分の内面が出たのかもしれませんね。
清々しい新年の朝をイメージしたものです。
オーダー形式の場合は、オーダーいただいたお客様が「なぜお花を必要と思ったのか」ということを、一緒に考えていきたいんです。花の命の美しさを引き出したり、活かしたりすることができればと思っています。
― 香林さんはほんとうに丁寧に仕事をされると社内では評判です。装花TOKYOはかっこよさと優しさのバランスが高いと思っていましたが、それは香林さんの真心からきているのですね。
私はなにかお題を与えられて、考えて、解決する。
こういったプロセスがすごく好きで、自分の性格にも合っているんです。
それから、花の命の個性と美しさ。目的に応じて、私自身も花の可能性もどんどん広げていけたらと思っています。
人の気持ちが動く特別なシーンにはお花がある
― 以前は、ソーシャルビジネスのPR会社を経営されていたと聞きました。「装花TOKYO」を立ち上げたのはなぜですか?
環境問題とかにも触れる機会があって、植物というものが万物を象徴しているような、地球の在り方の象徴のような。そんな植物に私なりに関わってみたいと思ったことがきっかけです。
― 今年で5周年なんですね!おめでとうございます。
言われてみれば5周年ですね。
この1年は、撮影の美術としての「お花」にもっと挑戦したいと思っていました。広告のビジュアルや、映像で背景にお花を使っていただくなど、お手伝いできればと考えていたんです。
つくる人たちもクリエイティブにこだわりがあるので、一緒にできるって幸せですよね。一つの作品をみんなで一緒に創れるのはほんとうに幸せです。
特別なシーンのフラワースタイリングをすることも、変わらず大切にしたいです。プロポーズや誕生日など「人の気持ちが動く特別なシーンにはお花がある」と思うんです。そんなお手伝いをしつづけけたいです。
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人の気持ちが動く特別なシーンのお花と向き合ってきた香林さん。お客様の目的を、お花で解決する「フラワーデザイナー」という素敵なお仕事についてお話を聞かせていただきました。次の記事では、生花業界の現状についてさらにインタビューさせていただいてます。 ―(後半へつづく)