話を聞いてほしいだけ

昔から誰かに話す前に、会話の流れをシュミレーションする癖がある。
こうやって話して、たぶんこういう返しが来て…
緊張緩和のためだと思っていたけど、
いや、たぶんそれもあるけど、
根っこのところでは、
きっと誰も話を聞いてくれないからとか、
ちゃんと話を聞いてくれるかわからないから
とにかく脳内で会話してしゃべった気になりたかった。
そしたら聞いてくれなくても大丈夫だから。

そうやって期待値をマイナスまで下げて
どうせこうだから、こうしよう。
みたいな発想をしていた。
だからそれが歪んで自分の話をしなくなった。
話さなければ絶望も味わわない。
いつしか自己開示しないのが普通になって、
心の扉は頑丈になって、錆びついてしまった。

気づけば手放せるって言うけれど、
どうなんだろうか。

その気づきの数時間後、親からのLINE。
いつもなら相手の話に対しての返答を心がけるけれど、
内容が今わたしの一番心配していることだったのもあって、
自分の気持ちを優先した。
まったく無意識に。
こんなことってなかったんじゃないのかな。
(と、気づきにまた愕然とする)

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