愛するものを長く大切にするココロは日本の美学
お気に入りだったものが壊れてしまったとき皆さんはどうしていますか?
捨てて新しいものを買う、そんな方も多いかもしれません。
でも、捨ててしまったらもう出会えないかもしれない。そんなものもありますよね。
日本には陶器や磁器をお直しする「金継ぎ」という技術があります。
器が割れたり、欠けたりしてしまった際に漆で接着し、継いだ部分を金でお化粧して修復するという方法です。この技法は縄文時代から続いていると言われています。
私が初めて金継ぎと出会ったときとても驚いたと共にとても後悔をしました。
以前買ったばかりの器をウキウキしながら使っていたら落として割ってしまい、泣く泣く捨てたことがあったからです。買おうと思えばもう一度買えるものでしたが、見つけたときの感動やワクワクした気持ちは初めて買ったとき以上にはならないと思いあれから購入していません。ただただ捨てたことに後悔していました。
最近取材などで漆を扱う職人さんとお会いする機会が多くありました。そこで漆の面白さや他の塗料には出せないような魅力を知り、今回初めて金継ぎに挑戦してみることにしました。
今回使ったのは金継ぎ初心者向けの金継ぎセット「TSUGIKIT」。
新うるしが使われることも多い初心者セットですがこちらは生漆が使われていました。
自分で用意するものは水や小麦粉などでほとんどこのセットの中に入っています。
そして説明書もわかりやすい!
生漆ってこんな色をしてるんだなあ。。
職人さんを見て漆製品は時間がかかるっていうのは知っていたけどいざ説明書を読んでみると。。。意外と時間がかかる。。。
私は途中でサボってしまったので1カ月ほどかかってしまいましたが、まじめにやると1週間くらいかかるかと思います。
そして1回の作業工程が地味!漆を混ぜて修復部に塗って丸1日乾かすなんてことも。今回は小さな欠けだったので大きく割れた場合はもっと大変かもしれませんが。
だけどその小さな積み重ねを少しずつ続けていく。大切な器を大事に大事に育てているような感覚になりました。
そして仕上げの金粉蒔き!一気に金で覆われ美しい表情を見せてくれました。
自分の手によって壊れたものを美しく直す。壊れる前とはまた違った素晴らしい顔をくれる。そんなところにさらに愛着が持てるようになりました。
器を直している時間、そして直した器を使う時間。豊かな時間が流れ私たちを楽しませてくれます。
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