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2017年観た新作映画全部感想書きました【ドラマ編】

どうも、映画館でポップコーンを一度も買ったことがない側の映画好き、キャサリンです。



あれ、なんであんなにアメリカンサイズなんですかね。

できればカップヌードルくらいのサイズ感でお願いしたい。

さて、やっと今回でラスト!

今年観た新作映画全部感想書きます最終章【ドラマ編】です。
(過去回はこちらにまとめてます)
今までで一番多い17本の感想載せてます(多すぎ笑)


来年からは観た後、その都度ちゃんと書こうと思いました!笑

ということで、長いんでさっさと本題入ります!



1. ライフ・ゴーズ・オン

牧場の彼女はドキュメンタリーかと見紛うリアルさ

後程紹介する「パターソン」がアメリカに住むとある男性の日常で
こちらはアメリカに住むとある女性たちの日常を描いた作品。
元はマイリー・ロメイという人の短編小説だそうで。

アメリカ北西部モンタナの田舎町に住む4人の女性たちの日常を
詩的に抒情的に描いています。
冬の凍える寒さと鼻にツンと来る空気、
あったかいコーヒーを飲む時にホッとする空気、
語らう時に相手とリズム一緒に奏でるように流れる穏やかな空気

色んな日常の空気を感じれそうなくらいの日常群像映画です。

それぞれに想いを抱え生きていく等身大の女性の姿が印象的。
特に、4人の中でも、
「トワイライト」のクリスティン・スチュワート、 アカデミー賞常連のミシェル・ウィリアムズ、
今年エミー賞を受賞しているローラ・ダーンと実力派女優を抑えて
完全に喰う勢いで凄かったのが
牧場で働く女性役リリー・グラッドストーン。

地元の人を起用したのかと思わんばかりの映像に溶け込むような演技。
あまりに自然な女性像が、映画に深みを持たせていました。
地味な役どころでありながら静かな存在感に感動しましたね~



2. 私はダニエル・ブレイク

果たして自己責任なのか

2016年第69回カンヌ映画祭最高賞パルムドール受賞作品。

現在のイギリスの貧困層を描いた作品です。
イギリス北東部のニューカッスルで大工のダニエル・ブレイクは
心臓疾患のためドクターストップががかり働けない状況。
国からの補助を受けようとするも、
複雑な制度のため満足な補助を受け取ることができないんですね。
観ているこちらもイライラするくらい、
役所をたらい回しにされるんです。
そんな時役所でシングルマザーのケイティとその2人の子どもと出会い
手助けをしたことから交流が始まっていきます。
ダニエルにもケイティにも突き付けられた厳しい現実。

愛と絆ももちろん必要だけれども、それだけではどうにもならないくらい
社会の仕組みが大きく立ちはだかってしまいます。

映画の後半、本作のタイトルの意味がわかるんですが もう私はボロ泣きでした。

でもその涙は単なる同情だったのか
自分で鑑賞後にすごく考えさせられた作品でもあったんですよね。

よく日本でも「自己責任論」が色んなところで言われますよね。
この映画を観ていても、じゃあ、ダニエルもケイティも
彼らが何かしらの対策を講じなかったから、時代に取り残されたから
辛い現実になってしまっているだけなのか、という議論になりそうではあります。

そういった面もあるのかもしれません。
ただ、本当にそれだけではないもっと深いところで
絡みに絡まってしまった社会の仕組みにも考えることがあるのではないかな~と思い
ました。


3. ライオン 25年目のただいま

圧倒的子役オブザイヤー

こちらも凄く良くて。
泣きまくりました。
詳しくはこちらに書いてます。


4. マンチェスター・バイ・ザ・シー

それでも日常は続いてく

こちらもかなり良くて、
観た後すぐにこちらに書き記しました。
よければ。



5. 雨の日は会えない、晴れた日は君を想う

あるエリート金融マンのちょっと変わった心の再生物語

妻を交通事故で失った主人公だけれど
どうにも泣くことが出来ず、自分の周りにあるものを壊しつくすことで
再スタートしようとします。

ある悲しい出来事に対して
誰がどんなレベルでどのように心に傷を負うのかは千差万別。

何故彼が泣くことができないのか、というところに
サスペンス映画を観るように注目しても良いのですが この映画のポイントは「再生」にあるような気がします。
一度壊して無にすることでスタートに立つというか。


この映画の主人公は

その場面場面で時を重ねつつ
選択を重ねながら、前を向くというより
自分の存在を噛みしめていくんですよね。
何だか詩集を見ている様な映画でした。





6. 20センチュリー・ウーマン

★年間ベスト 第2位★

はい。これ、ホント好きなんです。
詳しい感想はこちら


7. ハーフネルソン

★年間ベスト 第5位★

これ、2006年の映画なんです。
今年11年の時を経てやっと日本公開となりまして。

2006年当時、その繊細な演技が絶賛され主演のライアン・ゴズリングは
第79回アカデミー賞主演男優賞にされています。


ほんと、これ、ベスト・オブ・ゴズリングだと思います。



ラ・ラ・ランドでもノミネートされていましたけれども
(私の好みでもありますが)
ラ・ラ・ランドのジェイコブ役の時の切ない表情を



100倍くらい濃縮したくらいの素晴らしい切なさと繊細な演技。


ニューヨークはブルックリンの中学校で歴史を教えている主人公は
生徒からも信頼も厚いナイスガイ。
でもその一方で、私生活ではドラッグ漬けの毎日から足を洗えないでいるんですよね。

で、ある時、顧問のバスケ部の練習後
我慢できず、ついつい学校のトイレでドラッグをちょっとキメちゃうんですが
それをバスケ部の教え子の少女に見つかってしまうんです。
そこから始まる、主人公と少女の不思議な友情のお話。

主人公にも少女にもそれぞれ周りには言えない心の弱さがあって。
それを、次第にお互いシェアしていくんです。

そこには彼らの背景に存在する社会問題があり
綺麗さっぱりになんてできないんです。
傷を癒すというよりも、傷があることを片意地張らずまずは認め合う
そんなストーリーが切なく辛くもあります。



8. ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ

ギラついた野心家中高年の快進撃

【SF・アクション編】でも
マイケル・“ギラつき”・キートンについて触れましたけども


こちらはマイケル・“10倍ギラつき”・キートンですね。


52歳のミルクシェーキマシンの営業マンだった
マクドナルド創業者レイ・クロックが
マクドナルドを如何にして巨大企業へと成長させたかを軽快なテンポで描いています。

マイケール・キートンはハマリ役ですほんとこれ。

もう、ギラッギラしてます。

決して満足することのない野心が凄い。
こういうキートンもっと見たいですね~。

それと、私、元とあるフランチャイズ企業の本部社員でしたので その経験から言わせて頂くと

なかなかに、よく、フランチャイズあるある描いてる!!


ということなんですよ、この映画に関しては。
レイ・クロックのやることちょっとひどすぎないか? という感想も聞こえてきそうなくらい、
腹黒いやり方でもある内容なんですが、

そうなんだよね~。ほんと。
フランチャイズ店舗はまず土地なんだよ~

とか、ウンウン唸りながら見てました。

フランチャイズビジネスとは何か?って
ちょこっとカジってみると、より、
レイ・クロック還暦近いのにすごいなってなると思います。


9. パターソン

寝起きオブザイヤー

冒頭の「ライフ・ゴーズ・オン」でも少し触れましたが
こちらがその、ある男性の日常を描いた作品です。

パターソンという町に住む、
町と全く同じ名前のパス運転手パターソン。
平凡な彼の唯一没頭できる趣味、それが詩を書くこと。

空いている時間にそっとノートに詩を書きとめる。 書いては消し、書いては消し。
彼にとっての一番の幸せな時間と
それを取り巻く日常を静かに描いた作品です。

朝起きるところから始まり夜寝るまで。
彼の人生のある一部を切り取ってお裾分けしてくれたような物語でした。

何と言っても、
パターソン演じるアダム・ドライバーがとても良くて。

この映画を観た後、彼が同じように文系男子を演じた 「ヤング・アダルト・ニューヨーク」も見たんですが キャラクターはかなり違えど

文系男子を演じるアダム・ドライバーは尊いです。

ガタイが良くて、海軍経験もある彼は
パッ見肉体派な感じなんですが
ちょっとインテリな文系男子がむちゃくちゃ似合います。

とくに、文系男子の寝起き顔は最高でした。
こんな表情出来るんだ・・・

ご馳走様です!!!!!!

と映画館で心の中で一人ガッツポーズしたのでした。



10. ドリーム

★年間ベスト 第7位★

1962年にアメリカ人として初めて地球周回軌道を飛行した
宇宙飛行士ジョン・グレンの功績を影で支えた NASAの3人の黒人系女性の知られざる実話。
まだまだ黒人差別が根強い時代において
天才的な数学の才能を持つ主人公が
宇宙特別研究本部の計算係に抜擢されるものの
白人男性ばかりの職場環境は彼女にとって多くの試練を与えてくるんです。

それがもう、理不尽な試練ばかり。

黒人であること、女性であることでの差別と偏見は百も承知、
それでも自分たちの夢、というより野心を実現する
ひたむきな姿に何度も涙しました。

どんなに頑張っても、どんなに結果を出しても
環境がそれを許さない時のむなしさと歯がゆさ。
性別とか人種とか、そんなの関係なく
仕事の結果で見てもらえる世の中に果たして今はなれているのだろうか・・・
まだまだ遠い気がしてなりません。

でも、こういった作品が世に出て評価をされることで 世の中の目線が変わっていけばいいなと思います。 もちろんそのためには、自分自身も高めて行かなきゃなって
身が引き締まる思いでもあります。

また、重たい題材ながら、時に明るく爽快に
見ている側に心地よさと安心も合せて届けてくれたのは
素晴らしい挿入曲の数々を生み出した
ミュージシャンのファレル・ウィリアムズ。


当時の60年代にベストマッチしていて、
且つ今っぽさも忘れない名曲の数々でした。
サントラ極上なのでみんな聞いて欲しいです。
映画のサントラというより、ファレルのニューアルバムとしても聞いて欲しいですね。


11. 心のカルテ

周りには理解されにくい中にあるもの

摂食障害の若者を描いたNetflixオリジナル作品コメディドラマ映画。

コメディ要素もあるものの、題材は摂食障害なので 見ていて痛々しくもあり、
人によっては行動が理解できないシーンも多々あると思います。

私は摂食障害ではありませんでしたが
心の病から食事がとれなくなったことがあります。 なので、近しい経験が有るからこその共感がそこにはありました。

主演のリリー・コリンズも自身が摂食障害を経験。 身を持って体験したことを演じることは
容易ではなかったと思います。

辛い経験がフラッシュバックしたんじゃないだろうかと
見ていて心配になるものの、素晴らしい演技でした。

食べればいいじゃん!じゃダメなんですよね。
この病気の向き合い方に付いて真摯に描いている作品だなと感じました。


12. マッドバウンド 哀しき友情

★年間ベスト 次点★

第2次世界大戦後のまだまだ人種差別が色濃く根付く アメリカ南部の田舎町を舞台に
若者2人の哀しく、切ない友情を描く意欲作。

これ、本年度アカデミー賞有力候補納得の作品でした・・・。

さっき述べたあらすじ以外は知らずに見て頂きたいです。
その日、その時代、その土地に生きた人々の
それぞれの声とそれぞれの想い。
1度見ただけでは全て掴みきれないくらいの
細かな演出と、細かなキャラクター描写から感じる心の声たち。

俳優さんたちが等しくみんな素晴らしく全員が熱演し 当時の時代を生々しく痛烈に描いています。

この作品が大手のスタジオではなく
配信系のNetflix映画として公開されたことに
これからの映画の道が少し垣間見える気がしました。 これだけのためにNetflix始めても良いのではないかと思うくらい
これ、推したいです。


13. ジョイ

ジェニファー・ローレンスのオラつき

昨年主演のジェニファー・ローレンスがゴールデングローブ賞を受賞していた
注目作ではあったものの日本公開はなく
今年DVDスルーされた映画です。

アメリカでは有名な女性起業家ジョイ・マンガーノ。 シングルマザーの彼女がある商品を発明し、
通販番組を通して成り上がっていく半生が描かれています。

題材としてはめっちゃいいんですけど、
少し予告負けしていたのが勿体なくて。
試練はたくさんあったものの予告程のワクワク感がないまま、
比較的単調に進んで行ってしまったのが残念ではありました。

とは言え、さすがのジェニファー・ローレンス。
バイタリティ溢れる強い女性像はホント凄かった。




14. イーグル・ジャンプ

痛快負け犬下剋上物語(実話)

笑って泣いて笑って胸熱!

スカッとするとっても爽快な映画でしたね~これは!


イギリス史上初のスーキージャンプ五輪代表選手となった
実在の人物、マイケル・エディ・エドワーズの半生を映画化。

このマイケルさん、マジで


超絶ポジティブ!!!!!!


小さい頃からオリンピック選手になるのが夢。
それなのに運動音痴で極度の近視。
周りからはオリンピック選手なんて無理だと
ずっと言われ続けても諦めず、
なんとかオリンピック選手になろうと試行錯誤。
そんな時たまたまテレビでみた
スキージャンプ競技に興味を持ち
ど素人のまま、いきなりドイツの雪山へ修行に出ちゃう!!


そこで元オリンピック代表のピアリーに出会いコーチを依頼。
最初はエディのことを相手にもしなかったピアリーでしたが、
どんなに酷い怪我をしても諦めずひたむきに前を向くエディの姿を見てコーチになることを決意。
そこから2人のオリンピックまでの二人三脚が始まります。


こちらが本人と演じたタロン。

なかなかいい感じに似てるし、
ピュア過ぎるエディを好演してます。


なかでもメガネ芸にぜひ注目して欲しいのです!!

もはや芸ですあれは(笑)



15. ムーンライト

★年間ベスト 第8位★

とっても美しく切ない文学作品のような映画でした。
詳しくはこちら

16.この世に私の居場所なんてない

本当はサスペンスかコメディなんですけど
敢えてドラマ編に入れました。

おとなしい地味な看護助手をしてる主人公の家が空き巣に入られてしまう。
警察に相談しても犯人探しには非協力的。
他にも自分だけがこんなに不幸なんじゃないかと思うくらい
些細な嫌なことが重なってもうイライラが爆発寸前に。
そんな時、ひょんなことがきっかけで
隣人のオタク野郎が一緒に犯人探しをしてくれることになったはいいものの...

空き巣犯人探しと同時並行で進むのは
本作のタイトルにもある
この世の私の居場所について。
彼女の発言と行動、周りの対応と変化
それが次第にグラデーションして
斜め上の方向にストーリーが進んでいきます。

居場所なんてない!って
半ば自暴自棄になってた主人公がどのような結果を辿るのか。
確かにサスペンス要素もすごく面白いんですが、
人と人との関わりで生きることについて
コメディ要素入れつつ、深い意味を探るシナリオは秀逸。

NetflixオリジナルなのでNetflixのみでしか見れませんが、
さっきの『マッドバウンド哀しき友情』も観れるし
もうみんなNetflix入ればいいじゃないって思いますね。
入っちゃいなよー

すご過ぎて抜けれなくなるんで(笑)


17.フェンス

どうしても妻目線で観てしまい心ぐちゃぐちゃになりました。

デンゼル・ワシントンが主演しトニー賞を受賞した舞台を、

監督:デンゼル・ワシントン

主演:デンゼル・ワシントン

で映画化。


デンゼル・ワシントンの才能な。


で、元々はピューリッツァー賞を受賞している名作戯曲。
1950年代のアメリカ、ピッツバーグで
元野球選手の夫とその妻、そして息子たちの
それぞれの思い、人生を語りで魅せるのは
さすが元々舞台だったからこそだなーと。
舞台版でも共演した妻役のヴィオラ・デイヴィスの演技が凄まじいものがありました。
1人の妻として、母として、
彼女の信念のもと人生を歩むものの
1人の女性として、人間として
どう扱われているのか....
見ていて辛かったです私は。
ヴィオラと一緒に笑い泣き辛い思いをした映画でしたし、
男性がどう感じるか気になる映画でもありました。


海の向こうの国の話ではなく
今の日本にも通じるなーと感じる作品。




おし!!!書いた!!
だいぶ自己満ですがこれでおしまい!!
次は海外ドラマの感想書くかも!!


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キャサリン
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