シャボン玉

03 香りのシャボン玉を飛ばそう 2018

香りのアーティスト上田麻希さんとの出会いがなかったら、今回の「嗅覚」をテーマにしたワークショップは成り立っていなかったかもしれません。第3回目はみんなで花の香りを作って触ってみるような体験をしました。

上田麻希(香りのアーティスト)

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上田麻希さんは、アートと嗅覚の融合を試みる「香りのアーティスト」です。現在は石垣島の於茂登岳のふもとで「香りのアトリエPEPE」を主宰しています。そこでは日常の様々な素材から香りを抽出し、「香水化」しています。それは調理法や化学的手法から編み出した独自の方法でもあります。それを元に幼少の思い出の香り、アイデンティティの香り、感情の香り、歴史の香りなどを作り出し、インスタレーションやワークショップなどの形で作品を発表しています。目には見えない香りが、想像を膨らませたり、知覚の混乱を誘う役割を担っているのです。

バラの香りを作る

実際の薔薇の花の香りはいくつかの化学成分が合成されていることがわかっているようで、何種類かの基となる成分を上田さんが選び、それぞれの成分が含まれるシャボン玉液を最初に作りました。

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その後、子どもたちがそれぞれの成分の入ったシャボン玉液を手にして、みんなで一斉にシャボン玉を飛ばすと、空中でそれらが弾けるたびに成分が合成されて、そこに薔薇の花の香りが漂うのです。

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香りの視覚化

このワークショップで面白かったのは、香りという目に見えないものを、シャボン玉という媒体を利用して、目に見えるようにしたことです。大きなシャボン玉にはたくさんの香りが、それが風に乗って流れていき、いくつかのシャボン玉が同時に始める瞬間に薔薇の香りがするという香りの動きを時間と共に視覚化できたことです。香りの視覚化は、上田さんの研究の独創的なところで世界的に評価されています。その嗅覚体験ができたことは子どもたちにとっても忘れられない思い出となったことと思います。

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香りポスターv2


東京と石垣島との2拠点居住を始めて20年になります。それぞれの土地と情報との中で人生を豊かにする暮らし方「スマートライフ」を実現しようと試行錯誤しています。それぞれの場所で日常の中に見つけた「暮らし」を発信しようと思います。