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影別のウタゲβテスト振り返り ~渡部秀人はいかにして日本民主主義共和国人になったか~

この記事は、定期更新型ネットゲーム Advent Calendar 2022 12/21の記事です。1日遅刻しているけど気にしない。

主に影別のウタゲ開催期間がちょっと寂しいです。遅刻OK、複数投稿OKなので、お気軽にご参加ください。


こんにちは。ひとしろです。

影別のウタゲβテストに参加しました。結論から言うと、とってもとっても楽しかったです。終わってみれば2週間程度の出来事でしたが、ヤサイマシニンニクマシマシアブラマシマシカラメマシでした。ぜんぶマシだよ。すごいよ。

名誉全チャットラスト投稿のコミュ障嫉妬クソさん。
ここにマシマシ成分が濃縮されている

楽しかったこと全部盛りすると、記事がとっ散らかります。今回は渡部のキャラクター設定の変遷と、そのきっかけになった交流を中心にお話します。

また、特に断りない限り、複数レスポンスは下記ツールの逆ログで取得しています。本サイトとは異なり、上から順に読んでください

キャラクター設定の変遷

キャラクターの後付設定の量は、私の楽しさとおおむね比例する傾向にあります。当初、ChatGPTのAssistantさんから出力された設定は、以下のとおりでした。

名前:渡部 秀人
ふりがな:わたなべ ひでと
性別:男
身長:180cm
外見:清楚でスタイルの良い、真面目そうな男性。髪型は短めの横長で、おしゃれなスタイル。メガネをかけている。
性格:冷静で細かな計算ができる、理知的な性格。しかし、過度な自信と無双意識があり、周りを傷つけることもある。
経歴:大学院生で、心理学を専攻している。以前からデスゲームについての博士論文を書いていたため、影別島に呼び寄せられた。
願い事:願いを一つだけ叶えるとしたら、父親の死から家族を救いたい。
デスゲームへの意気込み:「このデスゲームを通して、自分の意思がどの程度実現可能か試したい。」

外見や性格に多少トンチキな日本語があったので、最低限修正はしていましたが、これをほぼそのまま放り込みました。渡部だけど「ワタナベ」もネタにしました。でもホントはワタナベ読みのほうが多いらしいよ。

では最終的なキャラクター設定を見てみましょう。

名前:渡部 秀人(わたなべ ひでと)
性別:男
年齢:25歳
身長:180cm

外見:
スタイルの良い、軽薄そうな男性。
コーカソイド系とモンゴロイド系の混血。色白。近づくと血管が透けて見える。
ウェーブがかった、短めの茶髪。ヴァイオレットの虹彩。
丸眼鏡、白いTシャツ、モスグリーンのモッズコート、黒いスキニーパンツ、ミリタリーブーツ。

性格:
他者への共感性が低く、恐怖心が薄い。
微妙な心情を読み取るのが極めて苦手で、理屈で他者を理解するタイプ。
冷静で細かな計算をし、理性的に判断する。というかそれしかできない。

殺人など、反社会的行為に躊躇はないが、好きではない。
恐怖心はなくとも、嫌悪感はある。
一人でも平気だが、寂しさを感じないわけではない。
恋をしたことはないが、愛着と執着はある。
その実、平穏な生活を望む、ただの青年。

経歴:
日本民主主義共和国、東京大学大学院人文社会系研究科文学部心理学研究室在籍。

第二次世界大戦の敗戦処理がうまくいかず、
第三次世界大戦中に天皇制が崩壊し、大統領制になった日本出身。
新国家労働民主党(通称:新労党)主体の、実質的な独裁国家かつ全体主義国家だが、世界で見ればそこそこうまくいっている方の国。

樺太出身。
ソ連(2022年現在でも健在)のルーマニア系カトリック教徒を父に持つ。
父はソ連から日本への亡命者、母は亡命支援団体員だった。

しかし、渡部が12歳のころ、
キリスト教系過激派団体が元大統領を暗殺したことをきっかけに、
世俗化した仏教と神道以外の宗教をカルトとみなす法律が成立。
また、ソ連内でルーマニアの立場が悪化したため、
スパイ容疑で父は逮捕、最終的には獄死という名の実質的処刑を受けた。
密かにカトリックに改宗していた母も、後に行方をくらます。

日本では、革命や反乱分子への対抗策として、
表向きにはランダムと言いつつも、政治犯や思想犯の子息を中心に15歳程度の子どもたちを2~30人程度集め、
青少年軍事演習協力法に基づいた、軍事演習という名の殺し合い(俗称デスゲーム)が定期的に行われていた。
渡部も15歳で参加を余儀なくされ、30人を殺害して優勝。
国の補償を一生涯受ける身分になる。

一年遅れで中高を卒業し、東京大学文学部に進学。
心理学を専攻し、デスゲームについての博士論文を書いていた。

幼児洗礼を受けており、洗礼名はペトロ。
影別島での願いは、国の仕組みを変えることだった。

しかし青年は諦めが早く、生還にリソースを割くことになる。

http://tyaunen.moo.jp/shadow/view/chara_profile.php?n=218

多い…………

1. モンゴロイドとコーカソイドの混血設定

最初はNo Imageで参加していました。

動かすうちにボヤッとしたイメージを掴めたので、せっかくならとお絵かきしました。

丸メガネ、表情のない眼、そこそこ端正な顔

私は手癖で描くと、ややコーカソイドっぽい顔立ちにしがちです。また、瞳孔が見える眼にしたかったので、虹彩の色を薄めにしようとしました。なので、素直にコーカソイドとモンゴロイドの混血に設定しました。

モッズコートやミリタリーブーツは、ちょっとファッションに凝ってる風を出したくて入れました。

なお、バディはちかげさんです。

http://tyaunen.moo.jp/shadow/view/chara_profile.php?n=4

おとなしくて利用しやすそうで、いざとなったら殺せそうだからという理由で組んでいました。ほんとゴメン。

2. カトリック教徒設定

次に作ったのは、カトリック教徒設定でした。

シスター・セルヴィスという方が、序盤に非戦を呼びかけ、たいへん目立っていらっしゃいました。

盲目のシスター。
http://tyaunen.moo.jp/shadow/view/chara_profile.php?n=164

私ははじめてのデスゲームでしたので、「よし、今回は真面目にデスゲームをしよう」と考えました。そして「よし、シスター・セルヴィスを騙さずに、シスター・セルヴィスのルビーをちょろまかそう」と考えました。

作戦はこうです。

  1. シスター・セルヴィスと仲良くなる

  2. ルビー0個の者は狙われないので、ルビーを全3個預かろうと提案する

  3. ゲームが始まったら、シスター・セルヴィスのルビーを3個もらう

  4. 自分のルビーを全部割る

  5. 表面上は0キルなのに、ルビー3個分のなんらかのバフを獲得!

いざとなったらシスター・セルヴィスのルビーは返せる。
それに、シスターは盲目なので、万が一別のルビーになってもバレないはず。

「シスター・セルヴィスと仲良くなる」ために、渡部をキリスト教徒、ひいては修道士・修道女の制度のあるカトリックにしました。

※シスター・セルヴィス自身は、「キリスト教とよく似た架空の宗教の修道女」です。念のため。

ちなみに、この作戦は、

  • バディ同士でしかルビーを渡せなかった

  • ルビーを割っても恒久的なバフが得られなかった

    • 例外は武器増殖。終盤では強かったものの、当時はイマイチ

  • シスター・セルヴィスが「いま他に介助をせねばならない方がいます」ということでバディ申請を断った

となり、完全に失敗しました。事前に仕様がよくわかってなかったので、しかたないね。

また、最初はキリスト教徒設定自体、渡部のウソってことにしてもいいかな、と思っていました。しかし、のちのちこの設定が話を転がすのに役立ちます。

3. パラレルワールド設定

全体通信でポケモン新作の話題になりました。

まだ本戦開始前の会話。平和すぎてびっくりする

ここで私は、「同じ日本に見えても、微妙にズレていたら面白いな」と思いつきました。

ちょうどこういう話が出たので、
こう。

チャットに出しただけでも、

  • ニャオハは立たない

  • アーマードコアの新作がある

  • F-ZEROの新作がある

  • カービィのエアライドのリメイクがある

  • HUNTER×HUNTERが完結済み

  • ガラスの仮面も完結済み

という、あるあるネタ全部盛りです。

まあ、チャットの翌日に、ホントにアーマードコア新作が発表されたんですけどね…………。

そんなことある????

4. デスゲーム勝者設定

バトル・ロワイアルという有名な小説があります。

北野武が教師を演じる、映画版のほうが有名かもしれません。

Wikipediaからあらすじを引用しましょう。

極東の全体主義国家「大東亜共和国」では、全国の中学3年生のクラスから毎年50クラスを無作為に選び出し、「プログラム」と称する殺人ゲームを実施していた。プログラムに選ばれた生徒たちはゲームのために確保されたエリアに集団で送り込まれ、生き残りが一人になるまで殺し合いを続けることを強要されるのだった。

https://ja.wikipedia.org/wiki/バトル・ロワイアル

日本における"デスゲームもの"の元祖、金字塔といって差し支えない作品でしょう。パラレルワールド設定と決めたとき、思い出したのはこの小説です。

Q. なぜ渡部秀人は、以前からデスゲームの博士論文を書いているのか。
A. デスゲームが国家的に行われているから。

Q. 渡部秀人はなぜ、いち学生のはずなのに、妙に慣れた立ち回りなのか。
A. デスゲームに勝利したことがあるから。

Q. 渡部秀人はなぜ影別のウタゲに参加したのか。
A. デスゲーム制度をなくしたいから。

渡部秀人の根幹設定が決まった瞬間でした。

5. 共感性が低く、反社会的行為に躊躇がなく、恐怖心が薄く、しかし平穏を望む青年

もともと渡部には、めったに恐怖、興奮しないという設定がありました。

本戦開始後最序盤、シスター・クレイドルとのやり取り

また、他者と喜怒哀楽を共有しない、いわゆる共感性が低いということにもしていました。

これは最終日に若者たちの間に割り込んだときの反応

もちろん、他人の殺害を冷静に試みる以上、反社会的行為に躊躇がない、ということにもしました。

これは本戦中に渡河 幻さん(通称トカゲさん)引きずり出し作戦を考えていたときの発想
そうかもしれない……

で、このうえで、平穏な生活を望んでいる、という設定が加えられました。デスゲームをなくすために来ていますからね。反社会的行為に躊躇はなくても、嫌悪感はあるというわけです。

このあたりの設定が固まったぐらいで、渡部(そして私)はシスター・セルヴィスの声明をはじめて全文読みました。そして愕然としました。

シスター・セルヴィス、宣言したこと貫徹してるっぽいな……。

実際、シスター・セルヴィスは当時、

  • 誰も殺さず

  • 誰にも殺されず

  • ルビーを誰かに預けて0個

という状況でした。

それに比べて自分はどうでしょう。食パンに返り討ちにされ、ルビーをすべてなくし、影引きになるありさまです。

全然ダメじゃん…………。

ちょうどその頃くらいには、ゲームの見通しが立っていました。

  • ルビーが0個の生者を殺しても、ルビーは奪えない

  • 影引きを殺しても、ルビーは奪えない

  • 霧が晴れず、新機能が開放される見通しがない

いわゆる影引き金庫の誕生ですね。以前から薄々30人殺すのキツくない? と感じていた渡部(とPL)は、ここで結論を出します。

影引き金庫中の渡部

そしてちかげさんが、おそらく平和な"日本"出身であることから、どうしようもない自分の国を変えるより、ここまで自分を信じてくれたちかげさんを家に帰すほうが重要では、と考えるようになりました。

ここで渡部はゲームを完全に降り、ちかげさんの生還にリソースをつぎ込むことになります。

シスター・セルヴィスに全部懺悔したところ
それへの返事。本当にこのシスターには勝てない。
翌日にシスター・セルヴィス殺害事件が起きてめちゃくちゃ動揺する

6. 日本民主主義共和国設定

しばらく、「デスゲームで30人殺して勝ったことのある、なんとなくバトロワっぽいパラレル日本出身の人間」程度のフワっとした考えでした。

が、ついにちゃんと設定を固めるときが来ます。

バディ・ちかげさんに並び、重めの感情を渡部が向けることになった人。故人。

ジョンさんと非戦協定を交わした後、ストレートに聞かれました。

おっそれはもう決めてる
ウンウン
詳しいことなにも決めてないな……

天皇制が崩壊してそうなのと、既存の有名作品と被っていなさそうなので、まずは国名を日本民主主義共和国に決めました。また、キリスト教徒の設定をひろい、世俗化された仏教と神道以外はカルト宗教として弾圧されている、という設定にしました。

話が転がりだしてきました

このあと、WILLが崩壊したりして、あちこち奔走するハメになるのですが、それはまた別の機会がありましたら。

ヒスイさんにブチ切れる渡部。
この辺りから、合理的な理由のある範囲でなら、妙に面倒見がよくなってきた。

このころ、森の民(#HFN)の人々にもカミングアウトしました。

彼女歴の話になり
彼女5人いたけど、こんな出自だよ? となり
沖野君に怖がられた

情報交換仲間のクロエさんにもカミングアウトしましたが、まさかのデスゲーム経験者でした。

びっくりだよ

7. 最終的な設定

無事に戦いを終えたあと、バディのちかげさんから告白されました。ギリギリまでいたいけな恋心に気づかない激ニブPL&PCでごめんね。

かわいい。いたいけ。

実はここまできて、ちかげさんには自分の出自も、ましてや序盤は都合悪くなったら殺すつもりで組んだということも、言っていませんでした。

ということで、渡部はつらつらと説明を始めます。青少年軍事演習協力法という名前はここで初めて出しました。

なっっっっっっが

ちなみに、ちかげさんの返事はこうでした。

ワ!!!

8. ジメジメ男、爆誕

この瞬間まで恋愛成就をまったく想定していなかったのですが、恋愛感情はなくても執着するタイプだろうなとは思っていました。そのノリで脊髄反射で返事をしたら、想像を超えた高湿度男になりました。

ジメジメしている……

自分のことを好きと言ってくれるヒトに執着するのか、こいつ……。

かくしてちかげさんとめでたく成就。バディの世界には行けるということで、完璧な亡命をすることにしました。

なお、この高湿度は喫煙友だちのジョンさんにも向けられます。ジョンさんはバディのマッシュキスさんと、影別島から地獄へのハネムーンに行くとは承知していました。その見送りに使ったログをご覧ください。

なっっっっっっっっっっが

これを書きながら、渡部ってオスカー・ワイルド読むんだな……と考えていました。小説趣味は陰険なのかもしれない。たぶんPLと同じで、谷崎潤一郎とか江戸川乱歩とかボードレールとかも読んでる。

ちかげさん、主にお世話になった森こと#HFNのみなさん、渡部はこんな男です。湿度高まったらイジってやってください。

さいごに

終わってみればあっという間でしたが、たいへん楽しい時間を過ごさせていただきました。β版ならではのゴタゴタ感も、盛り上がれたなあと思います。本戦もご縁ががありましたら、よろしくお願いします。

また、影別のウタゲの運営、ちゃうねん氏にも、この場を借りてお礼申し上げます。楽しいゲームを提供していただき、ありがとうございました。おつかれさまでした。