クラシック音楽をTRPGで使おう! 3
この記事は、TRPGなんでも Advent Calendar 2022の12/1の記事です。
次 12/2👇
話題被りや遅刻もOK! みなさまのご参加、お待ちしています!
こんにちは。半年ほど前、クラシック音楽をTRPGで使おう! の記事を二本投稿しました。
あれから記事がもう一つ書ける程度にはネタが溜まったので、紹介します。好みの問題もあって、過去にすでに紹介した組曲の別の曲だったり、同じアルバムだったりしますが、ご容赦ください。
戦闘BGM
「どこまでも馬鹿な男」より「火の精の踊り」 ホルスト
※ 音源最後の「Holst:The Perfect Fool - Ballet Music Op.39 [4.Dance of the Spirits of Fire]」
タイトルそのまんま。このマニアックなバレエ組曲は、
祈り
地の精の踊り
水の精の踊り
火の精の踊り
で構成されています。最初から最後までBGMにしやすい長さとキャッチーなメロディです。聴いて採用してもよし、タイトル採用してもよし。ただし、この曲は2分あたりからスン……と静かになるので、ご注意を。
超絶技巧練習曲 S.139より第2曲 イ短調 リスト
※ 音源上から2番目、「Liszt:Etudes d'execution transcendante, S.139 [2.Molto vivace (A minor)]」
荒ぶり続けるピアノ。2分チョイと、超絶技巧練習曲のなかでは短めです。だからこそ最後までダレず、スン……とならず、荒ぶったまま駆け抜けてくれます。口当たりは軽めなので、道中の戦いに使っても良いでしょう。
「夜のガスパール」より第3曲「スカルボ」 ラヴェル
※ 音源上から3番目、「Ravel:夜のガスパール 第3曲「スカルボ」」
9分間荒ぶり続けるピアノ。静かになったかな? と思っても連打は続いており、奏者の手首が心配になること請け合いです。
この曲はベルトランの「夜のガスパール」という詩集に着想を得ており、青空文庫で訳文を読めます。
スカルボは妖精、小鬼、小悪魔といったたぐいのものです。不気味かつコミカル、どこか神秘的なこの曲は、ぜひそういったものとの戦いに使ってみたいですね。ほかの2曲、「オンディーヌ」と「絞首台」もオススメです。
不穏なイベントBGM
パッサカリア ハ短調 BWV582より第1曲 J.S.バッハ
※ 音源1番目の「Bach:Passacaglia in C minor, BWV 582 [1.Passacaglia]」
重厚長大。荒野にレンガが一つずつ積み上がり、荘厳かつ巨大な城砦が出来上がっていくような迫力があります。ラスボス戦の前座にもよし、ラスボス戦BGMにしてしまってもよし。この曲を20代で書いたバッハが怖いです。
24の奇想曲より13番「悪魔の微笑み」 パガニーニ
※ 音源1番目、「Paganini:24 Caprices for Solo Violin, Op.1 [13.Caprice in B-flat major Devils Laughter: Allegro]」
愛称で優勝。バイオリン一本のシンプルな響きは懐かしくも不穏です。怪しげな酒場やサーカスにぴったりです。作中人物に弾かせてもいいかもしれません。
「ある天使の思い出に」より第1曲 ベルク
※ 音源1番目の「Berg:Concerto for Violin and Orchestra "To the Memory of an Angel" [1st movement]」
不協和音のやべーやつ。タイトルのセンスのよさもさることながら、あまり真面目に追っていると乗り物酔いを起こしそうなメロディが特徴的です。アルバン・ベルクは以前紹介したバルトークと同じく、こういうおさまりの悪い、なんとも言えない音楽(無調音楽)を多く手掛けています。まさに不穏な音楽のデパートなので、ぜひほかにも聴いてください。そしてよければ不快不穏オペラ「ヴォツェック」を観てほしいです
ピアノ組曲 Op.25より第4曲 メヌエット シェーンベルク
※ 音源上から4番目、「Schoenberg:Suite for Piano, Op.25 [4.Menuett]」
不協和音のやべーやつの先生。アルバン・ベルクの先生であり、バルトークにも多大な影響を与えています。
そんなやべー先生の作るメヌエットが、きれいに収まるはずがなく……。「こちらメヌエットです!!」と差し出されたら、私はキレるかキレを通り越して困惑するでしょう。
※ たぶん世界一有名なメヌエットはこれ👇
とはいえ、のちの不協和音のやべーやつズに比べるとまだおとなしい……いやおとなしくないかも……とにかく、耳馴染みがまだ良い気はします(所説あり)。ホラーとホラーの幕間や、推理パートなど、幅広い場面に合うでしょう。
明るいイベントBGM
半音階的大ギャロップ リスト
※ 音源1番目の「Liszt:半音階的大ギャロップ S.219」
どうあがいてもドタバタ劇。悪ふざけというよりは、キャラクターがみんな大真面目なのにばかばかしい、そんなシーンに似合うでしょう。
大管弦楽のための組曲「惑星」 作品32 より「木星、快楽の神」 ホルスト
※ 音源4番目の「Holst:The Planets, Op.32 [4.Jupiter, the Bringer of Jollity]」
あれでしょ、「ジュピター」でしょ、と言われればそのとおりです。けれど、頭から聞いたことがなければぜひ聞いてみてください。癒し系音楽とはかけ離れた導入に吹っ飛ばされます。
間違いなく名曲ですが、物語性が強いので、そのままBGMにはしづらいです。冒頭や中盤のサビだけ切り取っても良いでしょう。
「ハーリ・ヤーノシュ」組曲より第2曲「ウィーンの音楽時計」 コダーイ
※ 音源2番目の「Kodaly:Hary Janos suite [2.Viennese Musical Clock]」
いざ探そうと思うと意外と探しづらい、素朴なかわいらしい曲です。童話、空想、おとぎ話といったテーマによく似合います。冒頭の鐘の音が良い感じにキャッチーです。
「くるみ割り人形」より「あし笛の踊り」 チャイコフスキー
※ 音源下から2番目、「Tchaikovsky:The Nutcracker - Suite Op.71a [7.f. Dance of the Reed Flutes]」
あ~、聞いたことある! となる、クラシックKawaii音楽界でも有名な一曲です。これもまた、童話、空想、おとぎ話といったテーマによく合います。以前にも「こんぺいとうの精の踊り」を紹介したとおり「くるみ割り人形」には比較的使いやすい曲がそろっています。ぜひほかの曲も聴いてみてください。
さいごに
パブリックドメイン音源で、楽しいTRPGライフを!