【JKと六法全書】
2024年4月~6月にテレビ朝日系列「金曜ナイトドラマ」枠で放映されたテレビドラマシリーズ。史上最年少で司法試験合格を果たし、学校生活と弁護士活動の二足のわらじを履く女子高校生・桜木みやびの活躍を描く。
第一話の題材が気に食わなかったフェミニスト女性らによる「炎上」攻撃を受けたが無視し、全話を無事放送完了した。
その題材とは「痴漢冤罪」である。
「冤罪より痴漢の方が多いのに」?
当たり前である。
魔女狩りのように、その「犯罪」問題そのものが社会的ヒステリーやデマの産物に過ぎないような場合を除いて、ほとんどどんな犯罪であっても冤罪より実際の犯罪件数の方が多いのだから、この理屈ではどんな犯罪の冤罪事件も描いてはならないことになる。
また法廷ドラマで、弁護士が主人公であるジャンルの性質上、冤罪を扱うのは当然のことであり、痴漢のときだけむろん本作のその後の展開においても同様である。
さらにいえば法廷ドラマでなくとも、多くのミステリーにおいても、真犯人以外に疑われる人物が登場するのも定番であって、冤罪を扱っていると言える。
余談ながら、第一話で取り上げられた痴漢冤罪は真犯人が別にいるタイプの事件で、事件自体がでっちあげであったというような話でもない。
そのため、「現実とドラマをごっちゃにするタイプの人」(そんな人がいるとして)でさえ「そうか!痴漢って冤罪なんだ!!」と思うおそれはないものである。
しかしそんなバランス感覚など痴漢冤罪ドラマ」を糾弾する女性たちにあるはずもなく、果ては「痴漢冤罪は都市伝説」などと言い出す始末であった。
このような話に付き合っていたら、法廷ドラマもミステリーも、本物の都市伝説を題材とした作品さえも扱えなくなる(なお本作を放送している「金曜ナイトドラマ枠」では、過去にオカルトを題材とした傑作ドラマ『トリック』が放送されている)。
テレビ朝日側が相手にしなかったのは賢明であった。
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